【見出し】見出し本体▷見出しで用いられる特殊な文法
加筆:20200129,20210829,20210916,20220108
英文記事の見出しには、独特のルールがあります。見出しと記事の最初は、連動していることが多いので、もし見出しでわかりにくい場合は、記事を読めばわかりやすくなります。
ここでは7つのポイントと例をお伝えします。
見出しで用いられる特殊な文法7つ
①現在分詞が使われている場合
実際の意味は、現在、または現在進行形、または未来
②to 不定詞が使われている場合
実際の意味は、未来
③現在形が使われている場合
実際の意味は、過去か現在完了
④過去分詞が使われている場合
実際の意味は、過去か現在完了の受動態
⑤ aやthe の冠詞は省かれることがよくある
⑥各単語の最初を大文字にすることがある
⑦「コロン(:)」を使う場合
①現在分詞が使われている場合
実際の意味は、現在、または現在進行形、または未来を表します。
例▷ President Trump visiting the US/ Mexico border today (トランプ大統領は本日、アメリカとメキシコの国境を訪問します(訪問しています)。※参考:WAAY31abc
例を文章に直すと、
President Trump is visiting the US/ Mexico border today
となります。
②to 不定詞が使われている場合
「to不定詞」が使われている場合は、実際の意味は未来を表します。
例▶ Australia to help some citizens leave China, quarantine them on Christmas Island.(オーストラリアは、市民が中国を離れるのを支援し、その人達をクリスマス島に隔離します)※参考:cna
見出しで使われている「to help」は、普通の文法で書くと、
Australia is going to help some citizens leave China, quarantine them on Christmas Island.
となり、未来を表しています。
③現在形が使われている場合
見出しが現在形で書かれている場合は、実際の意味は、過去か現在完了形となります。
例▷ Conor McGregor and Machine Gun Kelly get into fight on VMAs red carpet(Conor McGregorとMachine Gun Kellyは「MTV Video Music Awards 2021(VMAs)」のレッドカーペット上で喧嘩になりました。※参考:Page Six
例に挙げた見出しを直すと、以下のようになります。
Conor McGregor and Machine Gun Kelly got into fight on VMAs red carpet.
本文も読み進めると4行目で過去形で書かれています。最初にも言いましたが、見出しでわからない場合は、本文を読むとわかります。
④過去分詞が使われている場合
見出しに見た感じ過去形が使われている時、これは実は過去分詞です。過去分詞が使われている時は、実際は受動態を表しています。過去形の受動態または現在完了の受動態です。(まれに過去形そのもののこともあります。)
例:Homeless veteran stabbed to death at encampment near VA in West L.A.(元軍人のホームレスが西ロサンゼルスにあるホームレスが集まる野営地で刺し殺されました。)参考:Los Angeles Times
これを省略されている部分を補うと下記のようになります。
Homeless veteran was stabbed to death at encampment near VA in West L.A.
何か少し変ですね。
これは次の(5)で述べますが、冠詞が省略されているからです。
⑤aやthe の冠詞は省かれることがよくある
さらに(4)の文章では冠詞「A」が省かれています。見出しでは冠詞の「a」や「the」は省かれます。
冠詞を補ってみると以下のようになります。
A homeless veteran was stabbed to death at an encampment near VA in West L.A.
⑥各単語の最初を大文字にすることがある
慣れないと読みづらいのですが、記事の見出しの中で前置詞・冠詞・接続詞以外の各単語の最初が大文字にすることがあります。
例:Proenza Schouler, Tom Ford, and The 17 Best Looks of New York Fashion Week(Proenza Schouler、Tom For、そしてニューヨークファッションウィークの17のベストルック)参考:WSJ. Magazine
⑦「コロン(:)」が使われる場合
例:STUDY: China 1st in quality of scientific papers(とある研究によると、中国が科学論文の質で一位となった。) 引用:NHKテキスト現代英語1月号(2022)
「STUDY:」にある「コロン(:)」は、「According to〜」の「〜によると」という意味。見出しの文字数は限られているので、少しでも文字数を減らすためにコロンを使用しています。
また他にも「say」(が言うには)という意味にも使われます。
①〜⑦が複合的に使われる場合
元の見出し
Stolen Puppy Happily Reunited With Heartbroken Homeless Man
補って文章にしたもの
A stolen puppy has been/was happily reunited with a heartbroken homeless man.
ここでは、「⑤ aやthe の冠詞は省かれることがよくある」と「④過去分詞が使われている場合」、「⑥各単語の最初を大文字にすることがある」が相当します。
引用:Stolen Puppy Happily Reunited With Heartbroken Homeless Man(the dodo)より
見出しが普通の英文になっていることも
ただしこれらが使われるかどうかは、新聞社や通信社のスタイルによって異なります。中には普通の英文になっている見出しも少なくありません。
見出しが普通の英文になっている例▼
引用:At Least 24 People and Millions of Animals Have Been Killed by Australia's Bushfires(TIME)より
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