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21年11月に読んだ本の一言感想メモ

◆21年10月はコチラ

・『七回死んだ男』西澤保彦★★★☆☆

「タイムリープ+ミステリ」というジャンルをおそらく初めて扱った作品。オチは比較的早い段階で分かったものの、95年初版とは思えない読みやすさで主人公の恋の行方やユーモアに富んだ家族の会話が面白かった。

・『シュガーマンのマーケティング30の法則』ジョセフ・シュガーマン★★★☆☆

ギネスにも認定された伝説のセールスマンがマーケティングの極意を明かす。意外と真っ当な内容ばかりだが自身の経験を盛り込んだ語りが楽しい。

・『盤上の向日葵』柚月裕子★★★☆☆

山中で白骨死体が発見され、傍らには名匠の高級駒が。真犯人探しより捜査の過程や犯行の動機に重点が置かれた社会派推理小説で、東野圭吾の加賀シリーズや松本清張作品の雰囲気に近い。昭和~平成初期の古き良き将棋界を味わいたい人はぜひ。

・『神の悪手』芹沢央★★☆☆☆

指導対局でわざと負けたがる少女、明らかに不完全な詰将棋を完成と言い張る少年、人生の懸かった対局前日に奨励会仲間を殺す話などミステリ風の将棋短編5作。どれも一冊の本にできそうな面白い題材なのに良い所でぶつ切りでちともったいない気も。

・『グッドルーザー球磨川 上下』西尾維新★★☆☆☆

漫画「めだかボックス」のスピンオフ小説。球磨川禊は「全く勝てない敵」という異色のキャラで、彼の思わせぶりな引きからの予想のナナメ下をゆく台無しな発言にページをめくるたび笑わせてもらった。

・『大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ』岡田斗司夫★★★☆☆

オタキング氏のアニメ評論。実を言うと「エヴァ」や「シン・ゴジラ」が絶賛されている理由が今までよく分からなかったのだけど、本書を読んで庵野秀明監督の凄さの一端を垣間見ることができた。

・『「超」入門 失敗の本質』鈴木博毅★★★★☆

失敗の本質』の原書が僕には難解すぎたので入門書に逃げた。太平洋戦争で日本軍が敗北した理由を分析して体系化。新しい技術やデータをないがしろにしひたすら精神論を奨励…ってこれまんま今の日本の惨状やんけ。

・『幻の女』ウイリアム・アイリッシュ★★★★☆

海外の古典名作ミステリ。夫婦喧嘩で家を飛び出した主人公が行きずりバーで出会った女性と遊んで帰宅すると妻は何者かに殺されていた。自身の潔白を示す唯一の証人である女性はいっこうに見つからず死刑執行の日が迫ってきて…。冒頭の詩的な名文とラストのどんでん返し。はじめも終わりも素晴らしい。

・『遅いインターネット』宇野常寛★★☆☆☆

SNSは便利な反面「速すぎる」ゆえに数々の弊害をもたらした。その解決案として「ブログやウェブマガジンのような寿命の長いコンテンツ」を挙げているが情報技術の進歩は不可逆なのだから後ろを振り返るより前を進んだ方が建設的ではないか。ブロガーの僕が言うのもなんだけども。

・『叩かれるから今まで黙っておいた「世の中の真実」』ひろゆき★★★☆☆

昔はどちらかと言えば世間に嫌われていたひろゆき氏も、今やすっかり大物ご意見番ポジションになったなぁ。本書は橘玲『言ってはいけない』の内容に近くだいたい知ってた。

・『妄想する頭 思考する手』暦本純一★★★★☆

「0→1」のアイディアを生み出すための方法論。やりたいことを一行で言い切る。それが決まったら最短で実行する手順を考える。自分のやりたいことが見つからない人は、今の自分が何に手を動かしているかを考えてみる…など竹で割ったような明快さで元気づけられた。

・『旅がグンと楽になる7つの極意』下川裕治★★★☆☆

何度も海外(東南アジアが中心)で取材を重ねてきたフリーライターの著者による旅の指南本。若きバックパッカー?時代の豊富な経験談と、シニアになった現在の落ち着いた旅の両面からのアドバイスが心に沁みる。

・『NFTの教科書』天羽健介、増田雅史★★★☆☆

イケハヤ氏マナブ氏が最近熱心に取り組まれているので同じブロガーの末端の身として勉強してみた。「デジタルの価値化」の理念は理解したが現時点では投機的な値動きリスクと法的な不確定要素が大きく買い手としてのメリットはほとんどなさそうだ。

・『めだかボックス ジュブナイル』西尾維新★★☆☆

黒神めだか率いるおなじみの生徒会役員メンバーが中学生だった頃の物語。なおジュブナイルは「十代の~」という意味らしい。

《今月の私的TOP3》


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