19年7月に読んだ本の一言感想メモ

◆19年6月はコチラ

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・『明治天皇を語る』ドナルド・キーン★★★☆☆

幕末維新の激動期を生きた明治天皇は何を思いどう過ごしたか。西洋の良い文化を積極的に取り入れつつも、海外から一歩も出ず外国人とあまり会いたがらなかったり複雑な二面性がうかがえるが、民衆の暮らしを第一に考える点では一貫しており、ヨーロッパ人も一目置く「皇帝」であったようだ。

・『インド・シフト』武鑓行雄★★★☆☆

インド南部のIT都市・バンガロール。もともと安価な下請けとして米国に重宝されていたが今では世界の名だたるIT企業が拠点を置く「インドのシリコンバレー」と化している。どうやら中国の次はインドが熱くなりそうな予感。

・『FACT FULNESS』ハンス・ロスリング他★★★★★

本書を一言で要約するならば「世界は確実に良くなってきている」だろう。それを説明するためのグラフやチャートがたくさん出てくるのだが、文章が簡潔明瞭で数字アレルギーの人でも全く苦にならない。なにかと絶望しがちな衰退途上国(?)日本で過ごす我々に元気を与えてくれる一冊と思う。

・『人生の勝算』前田裕二★★☆☆☆

幼くして両親を亡くし路上ライブでお金をもらう子供の頃の経験を糧にライブストリーミングサービス「SHOWROOM」を立ち上げた異色の経歴の実業家。本書はベストセラーのようだが生来のぼっち体質の僕は著作で多用される「仲間、絆、コミュニティ」といった言葉があまり心に刺さらなかった。

・『熔ける』井川意高★★★☆☆

会社の金をカジノに105億円注ぎ込んで逮捕された大王製紙社長の自伝。表題に「懺悔録」とある割に自慢が多く反省の色はほとんど見られないが、リーマンショックの逆境を乗り切ったり、少子高齢化を見込んでいち早く大人用おむつに注力するなど経営者としては有能で最後まで面白く読めた。

・『バカとつき合うな』堀江貴文×西野亮廣★★★☆☆

過激なタイトルだが、ここでいう「バカ」は頭の出来や成績の良し悪しではなく「権威に押し付けられた価値観を鵜呑みにして思考停止に陥った人々」を指す。すでにあらゆる人間関係を断っている僕には無縁な話も多かったがキンコン西野氏の語るホリエモン観はなかなか鋭く読みごたえがあった。

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