お先真っ雲
これを読んでいるあなたは、雨とくもりどちらが好きですか?
どちらがマシかと言ったほうがしっくりくるかもしれませんけど。
私は雨のほうが好きです。
音と、昼間なのに灯りをつけている雰囲気が好きです。
くもりはなんか、煮え切らないのであんましです。
でもいずれにせよ憂鬱な気分にはなります。
晴れでギリギリを保っていた心が、ぼろぼろと崩れていく感じがします。
それに加えて嬉しくないことが起こると、もうトドメを刺されます。
スパンと重い一撃というより、じわじわと全身を蝕んでいく憂鬱がこの上なく不愉快です。
それなりに年を重ねてきましたが、未だに打ち勝ったことがありません。
この文を書いているいまも、少しずつ身体が蝕まれていっています。
身体の中心から、少しずつどす黒いものが広がっているのを感じます。
それはさながら雲のように私の心や脳を覆っていき、なにも見えなくしていく。
とてつもなく分厚く、光の道を一切つくらせない雲だ。
いつか日を浴びられる日はくるのだろうか。
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