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静寂な夜の雪
誰もいない夜の公園。
街灯が照らすベンチで僕は過ごしていた。
雪がしんしんと降り出した。
パーカーのフードを被ってやりすごす。
しんみりとなれる雪の静けさが好きだった。
5年前のある人の事を思い出した。
気付けば、いつもそばにいてくれた。
他愛もない事で笑い合って
一緒に綺麗な景色も見たりして。
ここもそうだった。
雪が降っていたあの日。
このベンチに座り
一つのマフラーを一緒に使って
手を繋いでいた暖かい記憶。
君のあの温もりを失って
大切さに気づいた時には
一人だった。
中途半端な後悔で開けた穴が
その後も埋まることはなかった。
冷え込む前に帰ろうと公園を背にして歩くと
あの時の君の影が
僕に手を振っている気がした。
バイバイって。
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