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眠りに落ちる

住宅街が静まった深夜
寝付けなかったから
いっそ起きている事にした。

外に出ると冷たい空気に包まれる。
自販機で温かいコーヒーを手に取って
公園のベンチで過ごした。

近くに道路の信号機が見える。
赤と青の光が時間をかけて
交互に切り替わっていた。

誰もいないのに
車も通っていないのに。

この孤独な感覚が、想像をかき立てた。

公園のベンチ、木々、あの信号機は
昔から行き交う人々の「声」を
きっと聞いているんだろう。

遊びはしゃぐ子供達の声
女性に愛の告白をする青年の声
笑い合うママさん達の声
中には喧嘩している夫婦の声を。

その子供はもう大人になって
遠くで暮らしているのかもしれない。

喧嘩していた夫婦は
この場で愛の告白をして
結ばれた2人なのかもしれない。

そんな想像に浸っていると
夜明けが近くなった。

眠りに落ちる前に公園を背にして
帰り道を歩いた。

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