カタカムナの奇跡でサイアクな彼氏と別れた話ー3・おみくじを引きに

5/5の日曜日の朝。
日曜日だというのに、父も弟も仕事で出てしまった。
とりあえず、自分が着ていたものと家のものとを洗濯し、すべて干して一息つく。
昨日、相談メールを出していたひろのさんからメールが届いていたので、再度、内容を確認してみる。

「どこかのタイミングで、一人で神社に行って、『私に正しい道を教えてください』と願って、この問題(このメールの時点では、私が渦の渦中なのは彼は知らないのですが、ここでは彼氏との関係のことを指しています)の答えを教わるつもりで、おみくじを引いてください。で、それの和歌を教えてください。こちらで訳します。それがおそらく神のメッセージであり、答えです」

実家に戻っている交通機関の中で見たので、「実家でよく初詣に詣でていた神社に行くかな」とは考えていました。「一人で」の条件も、何故か家族二人とも仕事で出ていて、うってつけ。歩いて行ったことはないですが、最短距離なら、車で15分程度の距離の場所です。
神様は、実家に帰ってなじみの神社へ行くことまで見抜いた上で、ひろのさんに連絡させたのだろうか。
メール自体は、元彼がキレた事件の前には届いていたのですが、私が見るタイミングまで全て、はかられていたかのような、運命めいたものを感じずにはいられません。
ともあれ、よく詣でる神社へと、出かけることにしました。

びっくりするくらいのピーカン晴れのなかを、ひたすらに歩きます。
車なら大した距離でもないのですが、歩きとなるとなかなかに遠い旅路でした。が、あんなに遅くまで起きていたのにも関わらず、あんなに長く電車で揺られたのにも関わらず、疲労をほとんど感じていません。
運動は苦手な方ですが、散歩などの歩くことには全く抵抗もないし、なんならプチ冒険のように楽しめる性格です。
道端に咲いた花、佇んだ石碑、穏やかな川の流れ、すべるように飛んで行く燕。景色のすべてが太陽光に照らされてキラキラしています。神社訪問を歓迎しているように。

もうすこしで神社の鳥居がみえてくるなぁ、の辺りで、見知らぬおばあさんが、ガードレール脇に座り込みました。
気になって声をかけると、「ここのヨモギが欲しくてね…」と視線を落とす。
見ると、茎が立派なヨモギが、太陽光を浴びようと葉を青々と茂らせていた。おばあさんは手折ろうとするが、硬くて取れないらしい。
見ていられず、手を出しました。枝分かれした茎の数本を引きちぎり、これでいいですか?と手渡した。
「ありがとう、ありがとう」と感謝の言葉を背中に浴びながら、神社の鳥居に向かった。
いつもは石砂利の駐車場側から入るが、今回は別の鳥居から入ることにした。記念にスマホで写真を撮ってから、ぺこりとお辞儀をして数歩すすむと
「さっきはヨモギ、ありがとうねぇ~」と和やかな声が聞こえた。振り返ると、先ほどのおばあさんだ。
うれしさが胸を満たした。こちらも返事をして、晴れ渡った澄んだ心で訪問できた。
いわゆる『徳積み』イベントだったんだろうなぁ。行動の仕方で結果が変わったりするんだろうか。

お手水場に行くと、オフシーズンだからだろうか、水が溜まっていなかった。
飲み水として鞄にいれていたミネラルウォーターでもいいのかな…?と思いつつ、形だけだが、それで手と口をすすいだ。

門をくぐり、お社へ向かう。お正月などで人が多い時は感じたことがないのだが、しんと静まり返り、人払いをしたかのように誰もおらず、神聖というか、清涼というか、ほんのり場の空気が引き締まっている気がする。本殿へ…行く前に、別のお手水場があったので、改めてそちらで手と口をすすぎ直した。
硬貨を三枚投げ入れ、よく音を聞いてから、鈴を景気よく鳴らす。
二礼二拍一礼。いつよもり、拍手で出した音が大きい気がした。
日々の感謝を述べた後、「彼との、この問題はどうなりますか、教えてください」と祈って、いざおみくじへ。

本殿の左右どちらにもおみくじ箱が置いてありました。
なんとなくの直感で選んだほうに、初穂料を、おでこの前で念じながら収め、おみくじの中に手を突っ込んで探り、これ!と思った一つを引いて、本殿から少し離れた。そのタイミングで初めて人とすれ違ったので、神が人払いしてくれていたのでは…?と思わずにはいられなかった。

引いたおみくじをほどくと、飛び込んできた大吉の文字に小躍りしたが、肝心なのは和歌部分。
該当部分は、この言葉が書かれていました。

「草も木も 萌えるをみれば 春風に
動かぬものは なき世なりけり」

これを見た直感としては、春になって明るい色の若芽がしげり、春風が吹く…とても和やかな景色が想像できました。後半は、うまく理解できなかったので、ひろのさんの訳を待つことにします。
でも、上手くいきそうな、前向きになれる言葉に、少しほっとしました。

よく詣でている神社だったのですが、由来とかご祭神とか知らないなぁと思って、それらのことを読んで調べてみたりしました。
ここへはたいてい家族総出で来ているのと、家族のペースに合わせての参拝だと、ゆっくりこういった見る時間も機会もなかったもので。

由来を見て驚いたのですが、最初の建立は598年!相当な古い歴史のある神社でした。長宗我部元親に焼かれたり、その後復興したり、場所を移転したり。長くながぁく大切にされてきた、この地域の人の支えだったんだろうなぁと思いました。
本殿の瓦を見ていると、ありました。十六菊花紋。
ご祭神はあんまり馴染みのない名前でしたが、古代の天皇を神格化してお祀りしているようです。

ヨモギのおばあさんといい、人払いされたような、私が来るのを待っていたように佇んだ境内といい、
「やっぱり、居るよね、神様…。私には見えないけど」
と、本気で思った出来事でした。

次へ続く。

2024.0510

■追記
HIRONOMICHIさん(当記事では「ひろのさん」と呼んでいます)の記事に、おみくじの訳・神さまからの直接の解説が載っています。気になった方は読んでみると、より驚き感動できると思います。


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