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HIPHOPとRAPはどっちが先か。

本記事は、ニードスタッフが業務や趣味について思うままに書き綴るアドベントカレンダー企画「nide.inc ライトニングトーク部 Advent Calendar」の第2日目です。
nide.inc ライトニングトーク部 Advent Calendar 2020

株式会社ニード いいじまです。
会社には音楽好きなスタッフがたくさんいまして、あれやこれやと最近の音楽の話している中、ぼくはついていけずに楽しそうでいいなぁって思ってるんですよね。

で、若かりし頃から好きで聴いていたHIPHOPをみんなに勝手にオススメしようということで、RAPの話をしはじめます。

ぼくが中学生のころ、ice-TとかKris Krossが流行りまして、かっこいい!モテそうだなこりゃ、と、まぁHIPHOPを聴き始めたわけです。その後、キングギドラやRHYMESTER、BUDDHA BRANDら日本でもカッコいいラッパーがでてきてそれはもう、影響されまくっていた学生時代でした。そして、いまでも聴いています。

さて、ラップというとHIPHOPミュージックとイコールであると感じられますが、ラップ(rapping)は、歌唱法、音楽手法のひとつです。HIPHOPの主要素ではあるが、ラップの起源はヒップホップカルチャーより先立っていると考えられています。

ラップの起源

一般に音楽的な意味でラップ(rapping)という言葉が使われるようになったのはいつごろからでしょうか。調べてみると、1960年代のアメリカ東海岸においてではないかと、言われています。当時のラップは、現在のようなビートに乗せてリズミカルに韻を踏むスタイルではなく、単に誰かを説得したり楽しませたりするための「ユニークで滑らかな話し方」という意味合いでした。

そして、その起源は西アフリカの民族伝統であるgriot(グリオー)であると考えられています。griot(グリオー)とは、西アフリカにおいて「歴史家、噺家、詩人、歌手、音楽家」のような意味合いを持つ世襲制の職業で、音楽に合わせて歴史や民話などを伝えると呼ばれる「伝統伝達者」のパフォーマンスです。


griot(グリオー)の独特なリズムと掛け声がラップの起源だと言われています。彼らは、コミュニティに古くから語り継がれる言い伝えや、民族内や他民族間との政治的な話、ゴシップネタまでもを熟知し、それ独特のリズムに乗って披露し、人々を教育し楽しませていたため、コミュニティのリーダー的存在としてとてもリスペクトされていたそうです。

griot(グリオー)とは
グリオは単に楽器の演奏をするだけではなく、歴史上の英雄譚、遠方の情報、各家の系譜、生活教訓などをメロディーに乗せて人々に伝えることを本来の目的としている。文字のなかった時代には彼ら(jeli)の役割は大きく、その知識量の豊富さから王の側近などに取り立てられるグリオもいた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%82%AA

ラップの確立

1600年代からはじまった奴隷制度によって、アフリカ大陸から連れてこられた黒人たちは、開放宣言後も差別の対象となりその多くは、プランテーションなどでの重労働を強いられていました。

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そのような環境では、主人へ歯向かうことは死に直結するため、反抗はできません。反抗することもできず、重労働を強いられた彼らはそのストレスを開放するために、ダズンズ(The dozens)というゲームをつくりだしました。

奴隷制度中に奴隷たちが日頃のストレスを晴らす目的で行っていた言葉による「ディスり合い」に端を発したゲームのことで、いかに平静を保てるかが勝負の分かれ目。19世紀初頭アメリカ南部のミシシッピ、ルイジアナのプランテーションから広がったと言われています。

ダズンズ(The dozens)
ダズンズとはアフリカン・アメリカン(黒人)の伝統、習慣のひとつ。観客がいるところで、1対1で互いに相手の母親に関する罵りの言葉を言いあって、先に怒ったり言い返せなくなったほうが負け、というゲーム。うまい人は尊敬される。目的は罵倒や喧嘩をすることではなく、馬鹿にされても怒らない精神力の強さや言葉の表現力を競うこと。フリースタイルのラップの源流といわれ、ラップの発展の一要素といわれている。見ている観客は対戦者同士のやり取りに対して、野次や賞賛の言葉をそのつど叫ぶ。すばらしい勝ち方をした場面では「ああ!おわりだ!("Ohhhh! Burn!")」と叫ぶ。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%BA%E3%83%B3%E3%82%BA

そして、奴隷制度に終止符が打たれた1865年以降も黒人の間でダズンズ(The dozens)が習慣的に受け継がれ、ギャングたちの界隈でDJがブレイクビーツが発明し、ダンスバトルや現在のラップバトル、そして音楽ジャンルとしてのHIPHOPを確立していくことになるのです。

西アフリカの伝統的な職業としてのgriot(グリオー)というカルチャーが、奴隷制度によりアメリカに渡り、黒人たちが苦しい奴隷制度の時代を生き抜くためにダズンズ(The dozens)として発展させ、近代でmusicカルチャーと結びつき現在に至っているのですね。

HIPHOPとRAPはどっちが先か。
RAPが先なんです。


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