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転職記録 ケース面接編

みなさんこんにちは、にだです。
今回は転職活動で最初に面接を開始した戦略コンサルファームでのケース面接について書いてみたいと思います。
外資系1社と日系1社の2社でケース面接を受けましたが、前者は2パターン、戦略チームのトップともケースを実施しました。後者は所謂ケースというものではなく、私が携わったプロジェクトを深堀しながらその受け答えや洞察、分析、思考方法を見るというものでした。
前提として全社はマネージャー、後者はシニアマネージャーかマネージャーどちらか、という選考で先方も考えていました。


1.外資コンサル

まずは外資コンサルです。年齢もあるため、スタートからマネージャー以上で採用されるところで進めていきます。筆記試験も懐かしのSPIっぽいものを受け疲弊しますがこれはキッチリやらないといけないです。それでは各々ケース面接の中身と私が説明をした内容を見ていきます。

(1)一次面接

先方はシニアマネージャーだったと思います。最終的にはその内容で説明できるのであればシニアマネージャークラスのビジネスセンスだと思う、ということでビジネスの因数分解と各々に何を目指すか、その具体的な方法を示すという点では及第点だったようです。
【お題】XXX業界において、売上高を2倍にするためにはどうするか
【時間】確か20分か25分間で情報の整理をし5-10分で説明、フィードバックとディスカッションをする、というものでした
【整理】まずは、XXX業界について詳しくないのは皆同じだと思うので、単純に売上を構成する要素をまず分解します。このお題の場合それは、価格(XX料)×会員数で構成することができるものでした。
よって、2つにポイントを置いて見ていきます。ただここで個社として何をするかにフォーカスして整理をしたかったので、シェア100%(国内)でここの売上高を増やす方法にシェア奪取を抜く、と説明の冒頭に前提条件をこちらから付けていくことにしました。
まず、この業界として顧客に対して訴えるメッセージを何となく設定します。例えば今回で言うと、動物に関連するものだったのでこの業界において動物が果たす役割として「家族の一員」と設定してみました。よって、売上高を拡大するにあたり何か新しいことを設定するにはここに紐付けていきます。そうすると説明の筋が通りやすいかな、と。ただこれは設定をするところまではしたのですが、そこに紐付けをして説明しよう、と思っていたわけではなくプレゼンしながら紐付けた方が筋通るな、と気づいたような感じですので普段のビジネスで培ったところかなと思います。
あと2倍の売上高を算出するにあたって、凡そこの対象企業が今どのくらいの売上規模かは設定がされています。200億円、とか。
そこで、今会員になっている人が人口に比してどの程度の割合なのかは概算で設定をします。そして以下の施策に繋げていきます。
①料金側
どうすると料金を上げることができるか、から考えていきますが、家族の一員というところからして旅行時とか不在時に困ることがあるな、と感じ不在のケアを行うことを当該サービスの1項目に加えることで料金の引き上げを目指す、とします。これは既存会員さんがプレミアアムコースに加入してもらうこととその率を設定、また今まで会員でなかった人にも加入してもらう方で会員数の増加にも繋げていきます。
また、具体的にそのケアをするためには、不在時に家に入れないといけないので、ここは誰ならできる?と考え警備会社さんとの提携を思いつきます。
これも具体論として入れていきます。あとは空港や電車などで移動をする旅行者に移動支援や各プラットフォームで駅員さん、空港地上スタッフのサービスを受けられるという内容を織り込んでいきます。
②会員数
数を増やすのは上記のサービスの質を向上させること、また間口を広げていき、会員数(加入率)を増加させることを考えていきます。一般の人が斯様なサービスを知ってもらうには皆が入っていて、かつ「家族の一員」という枠組みとフィットしそうな別サービスをイメージして、そのサービスの付帯機能として少し別サービス側の料金を割高にすると付帯機能として加入できるようにすることでチャネルを拡大してもらうことで考えてみます。
あとは我々が拡大させようとするサービスはとある動物を持つ人を増やす必要があるので、その持つ人を増やす方法も考えてみます。ただここはあまり妙案が考えつかず、深堀をやめたところでタイムアップ
⓷新料金×会員数(既存)+現行料金×会員数(新規)
上記で売上高が2倍になる説明を各々していきます。
今回のお題は費用面は考えなくて、良いというものでした。

(2)最終面接

こっちの方が難しかった。
【お題】XXX業界で新規事業を立ち上げたいと考えているクライアントがいるが、3か月のミッションとして、200億円の営業利益を達成。あきらかにすべき命題とそれをするために整理しないといけない事項、それをどのようにどういう時間軸で行うか具体的に説明しなさい
【時間】10分で整理、5分くらいで説明
【整理】XXX業界の特定企業をまずはイメージしないといけないのとある特定分野のサービスでの新規事業かな?ということでイメージし易い具体例で企業はXXXをイメージして携帯電話のような月額制のもの、と仮決めします。200億円の営業利益なので、営業利益率がこんなもんで、そうすると売上高として増やさないといけないのはこのくらい、としてアプローチする規模感をまずは整理。
そこから命題?となり、まずは整理する情報から確認していきます。自社の強み弱み、保有しているサービス、資産、人材、業界動向、競合の状況、海外で同一の業界でローンチされているサービス、などを箇条書きにしていき、各々どうやって情報を集めるかを考え時間軸を整理。
これは難しなぁ、と思いながら時間がチクタクと経過。
上記を説明していきます。
面接官は戦略チームのトップでコンサル一筋!
なるほどですね、ビジネスとして数字や物事の考えなどセンスは十分あります。それで、このケースで解くべき命題・課題は何でしょう?1つに凝縮すると。うーむ、、、なんだろうか、命題、何を解くか。
XXXX円/月で顧客が価値を感じるサービスをどこで誰に訴求して獲得するか。と答えます。フムフム、と。
そこそこの反応ではありましたが、どういうことが求められていたのだろうか、と同日中に以前読んだ以下の書籍を再読してみます。


うーむ、ベストフィットしそうな箇所はないものの。
・良いイシューはWhyよりもWhere、How、Whatとかがくることが多い
・そもそもなんで新規事業やるんだ?売上が下がっている?シェア取られてる?
・狙うべき市場ニーズ✖️事業モデル
・解ける命題に分解していく、
・そもそもこのクライアントのオファーを受けるべきか、受けないべきか、とか
 そっちじゃないよね?全く違う業界で元外資コンサルの方が、コンサルで特に
 マネージャー級で大事なのはScopingで失敗しやすい案件を取りにいかない
 こと、と。いやいやまさかそんなわけはない
・Think ahead of the problem(かっこいいから書きたかっただけ)

つまりは、最大の命題は
「なぜ営業利益200億円の新規事業をやるのか」
その命題を解いていくために、
①現在の事業の状況(市場視点・競合視点)
②事業はどのような姿を目指すべきか
③3~5年後の目的関数をどう置くか(相対的地位を守るか、市場を活性化するかなど)
④そのときの強み、自社らしい勝ちパターンをどう考えるか
⑤それは数値的にどう表現できるか
をサブ命題として整理していく?

もしくは、狙うべき市場ニーズ✖️事業モデル、つまりWhat(何を)Where(どこで)やるか、が命題でこれを解くために各種情報整理?かなと本を読んでみると思う。

そこでChatGPT4君にも考えてもらったところ、
①新規事業の具体的な内容とその市場規模は何か
②200億円の営業利益を達成するための販売数や単価はどれくらい必要か
 (恐らく私が面接メインで深掘りしたのはここ)
③立ち上げる新規事業のリスクとその対策は何か
④顧客獲得のためのマーケティング戦略は?
⑤(これは私の質問の仕方が悪かった)3ヶ月という短期間でどのようにして新規事業を立ち上げるのか

なるほど、なるほど。結局答え合わせはまだ出来ていませんが、どなたかコンサル出身者の方教えてください。
私がオファー時に受けたフィードバックとしては、「情報収集力」「分析力」「定量感覚」が強みであり、かつビジネスセンスは申し分なし。一方で全体を俯瞰してストーリーを構築する点は今後トレーニングしていく必要あり。

ストーリー構築とするとやはり、この案件を受けるかどうか、が命題ではないことが判明しします。

2.日系コンサル

続いて日系コンサル、こちらはシニアマネージャーでも!ということで最後にこれまでのキャリア踏まえ今後紹介できる産業や企業、その役職と私の3年キャリアプラン、強みと提供できる価値をパワポでプレゼンしてくれ、と。

(1)最終面接

・なかなか笑わないラスボスっぽいジェネラルマネージャー的な人が登場、コンサル一筋、確か3社目で私より社会人歴は長い、というので20年弱コンサル界で生きてきたお方が登場。
・私が携わったプロジェクトを根掘り葉掘り、こうすべきだったんじゃないか、ああすべきだったんじゃないか、ふむふむ、でもなぁ、言っていることはわからなくはないんだけど、それ絶対できないから!鬼のような制約とシガラミをなんとか掻き分けて掻き分けて希望の光に向かい案件を通すの必死商社マンの実情は伝わらないよな、と思いながら受け答え
・質問して良い時間があるので、事業会社内で案件を進めるには本当に多くの制約がある、その中で最適解を模索できないことだってある、そんな局面であなたはどうコンサルしますか?返答:本当にそのプロジェクトを成功させるには乗り越えないといけない、判断しないといけない、やらないといけない、ということをトコトン議論して自分がやったらどうなのだろう、の観点でやり切る。ふむふむ。なるほど、と思い面接終了
・ケース面接といえど、フェルミ推定ちっくなものばかりではなくこういったものもあるのだな、と学びになります。ちなみに、外資コンサルのケースもそうですが、フェルミ推定面接など就活時にやったこともないので、どんなものなのだろう?と以下の本を読んでみますが、ジャンルが違うというか、もう少し具体的に仕事に落とし込む内容を中途面接では実施しているのか、これはフィットしませんでした。でも電柱数えて、とかマーケット推定系がもし問われるなら有用な本だと思います。


(2)ビジネスプレゼン

・執行役員!
・さて、資料は一通り目を通しました。ありがとうございます
・ところでケース面接はどうでしたか?うまくできましたか?
・プレゼン内容でKey WordにされているXXXはどういうイメージを持たれていますか?ふむ、なるほど、よく分かりました
・人脈も想像より多く、役員クラスもいるので流石ですね。
・とこちらは準備をした割にはアッサリ

3.振り返りと再読したイシューからはじめよ

振り返ってみると、コンサルファームはSPI(玉手箱?)からケース面接、と外資系は比較的論理的思考と如何に素早く課題や命題を見つけ、具体的なストーリーをイメージしてチームで作業を開始し、限られた時間の中で成果物を生み出せる能力を有しているか、を見ているな、と。
日系はシニアマネージャー採用を未経験の私にも出すくらいなので、外資とは少し異なる趣向を持ちつつ、より実践で戦えるコミニケーション能力を持っているか、その中で論理的思考、受け答えを見ていく、また人脈面もかなり気にしている感じ(これまでのキャリアで培った人脈をコンサルでどう活かせるか)。
両方ともに総じてとても楽しく、短い時間で思考を整理するのは最近あまりやっていなかったことなので、終わるとやや疲労感があったことを覚えています。
面接後改めてイシューからはじめよ、と読み直しましたが、本をザッと読んでみることと、いざその内容を筋の良いイシュー探し、分析、仮説からイシューを見つけ出す、という思考プロセスをやってみるとかなり難しいことに気づきます。
事業をやっているサイドはある程度、これとこれとこれかな、と当たりをつけて動き出してしまい、その中でブラッシュアップをするというやり方の人が多いと思いますが、この脳の動きをはある種真逆で俯瞰からツリーにして落とすのだけどその中で仮説思考も織り交ぜつつ当たりをつけながら解決すべき課題や命題を見つけていく、という俯瞰と仮説/具体を往復させているような。すごい能力だな、と思いました。

オファーは頂いたものの、今回はご縁がなかったということで私はこの道には進みませんでしたが、今就活生に戻れるのであれば当時は全く知らなかったこのコンサル業界も必ず受けただろうにな、と十数年前の自分に少し後悔。ここはある程度若手のうちに入り、その経験思考法を叩き込まれた上で、事業サイドに行く方がUnlearningしやすいな、と逆のUnlearningというか再教育は30代後半からはハードシップ高そうという印象。

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