珈琲の味は微粉量だけで劇的に変わる
美味しい珈琲の条件は、煎りたて、挽きたて、淹れたてとよく言われます。
そのため珈琲好きは珈琲ミルを必ず持っており、豆のコンディションや抽出方法などに合わせて粒度(粉のサイズ)を決めてミルで豆を挽きます。
しかし、挽かれた粉の粒度というのは全く一定ではありません。
狙った粒度よりも遥かに小さい「微粉」が必ず混入しています。
カット式ミルにせよ石臼式ミルにせよ、ミルが豆を挽く際は、ある程度豆に負担がかかった時点で(ミルや我々の意図に反して)豆が砕けて細かいパーツに分かれるためです。
豆の状態やミルの性能にも依りますが、珈琲豆の原重量の15~20%の微粉が入っていると思いましょう。
たとえば、20gの豆を挽いた場合、3~4gは微粉です。
この微粉がどう珈琲に影響を及ぼし、またこれを取り除くことでどのような変化が生まれるのかを説明します。
概要
市販のミルで挽いた珈琲粉には珈琲豆原重量の10-20%の微粉が混入しており、ドームの密度増、ドリップ時の湯の通過速度の低下、ドリップ液への微粉混入量増によって、珈琲の風味に大きな影響を及ぼす。
ドリップ前に微粉を取り除き、上記の3条件の変化を織り込んだドリップ方法を取ることで、苦味や味の重み雑味の少ない、クリアな風味の珈琲を淹れることが出来る。
微粉の定義
淹れ手が狙ったサイズよりも遥か小さいサイズの粉のことを微粉と言いたいところですが、元々のターゲットサイズが極細挽きの場合などは微粉という概念が曖昧になるので、そうでない場合を想定して話を進めます。中挽き寄りの細挽きよりも大きい粒度を想定してください。ナイスカットミルなどで言えば、3.5目盛り以降です。
その上で、微粉とは、#40メッシュを通過するサイズの粉、とします。
#40メッシュの場合 、ワイヤー線径にも依りますが、標準的な規格であれば目開きサイズは0.35~0.46mmですので、微粉は直径がこれ以下の粉ということになります。
ちょうど珈琲用の微粉を分離するアイテムが発売されているので、それの紹介も兼ねて微粉を実際に確認してみます。
微粉の存在を確かめてみる
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