見出し画像

出会いだけが人生じゃないように別れだけが人生なわけじゃない


I want to go somewhere, but not just anywhere.
Anyway, anyhow, life just doesn't seem to be so fun without you.
French said c'est la vie. That's life.
Yeah, that would be true or it wouldn't.
The thing is that my life is the best that I can imagine. If you want to call it by any other name, call it as you like.
I'll survive till the end. I'll go through everything. I just won't give anything to my life as it doesn't do anything to me.

友達が香川に帰るらしい。
一度しか会ったことがないけど、たぶん友達。
彼女はライブハウスでキツネのぬいぐるみと連れ立って、音楽に合わせて笑ってた。
悪い霊に取り憑かれて友達がいないから、キツネのぬいぐるみがその代わりらしい。
キツネは僕の友達じゃないから名前は忘れた。

彼女は最初から最後までたぶんずっと変なやつだった。でもその変人さを包み隠さないその態度に誠実さを少しだけ感じた。

自分じゃなくて他人に向き合おうと決めた。
だから僕の方からライブ後の散策に誘った。

恵比寿のライブハウスから目指したのは渋谷。
とりあえずコンビニのビールで乾杯。
もつ鍋を求めて、たどり着いたのは博多系の居酒屋。味はもう忘れた。キツネのぬいぐるみがテーブルの一席を埋めてた。
寂しさの来し方行く末が少しだけわかった気がした。

25過ぎて出会った友と、
それまでに見てきた寂しげな顔した忘れえぬ人たち。

この街は誰にでも居場所になれる場所があるけど、誰も彼もがその場所をきちんと見つけられるわけじゃない。

せめて帰るべき場所はいつまでも変わらないように祈ろう。

思えば、一度だけ会って家でメシ食ったやつも。
まるで家族のふりをしてるみたいで。

それから、異国でミルクコーヒーで朝まで語ったやつも。
ハグし損ねて、日本に帰ってからはもはや行方知れず。
佐賀、群馬、香川、香川。
地名も今じゃもう忘れてしまった。

袖を振って別れることさえないでしょう。
それでも、それまでに東京にも桜が咲くでしょう。
きっと一緒に見れるでしょう。暖かな春の日差しが人々の顔を溶かすのを。

それまではせめていい夢をみろよ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?