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心理占星術家nico星宙予報 2020山羊座

 夕刻、駅へ向かって歩いていたら、空を見上げている老夫婦がいた。
 私が同じ方向に顔を上げたら、「なんだかね、600年に一度の星が見えるんですって」と教えてくれた。
 二、三年前は占星術業界の小ネタでしかなかった木星・土星のグレートコンジャンクション、木星・土星の「超大接近」がここまで話題になるとは。600年に一度という人もいれば、800年ぶりと言う人もいたり、完全に情報が錯綜している中で、それぞれがそれぞれの解釈をし、ロマンを持ち、夜空を見上げるのは悪いことではないかもしれない。

 今日の感染者数、明日の病床利用率といった近視眼的な情報に右往左往し、半年後の予定も思うように立てられない時世に、400年に一度の、何かよくわらかないけれど壮大なものに思いを馳せたくなるのはみな同じこと。
 次に大接近するのは60年後らしいが、そのときには間違いなく私はこの世にいないわけで、今回のこの天文現象と、今、世界で起こっているコロナ騒動のシンクロニシティが、60年後に何かしらの意味をもって語られる日が来るのだろうか、そんな先のイメージを頭に描いてみたりもした。

 たしかに時代は厳しい。
 父親から「正月は、お互いそれぞれ過ごしましょう。我慢のときですが頑張って乗り切ること」というLINEをもらった。まさに「我慢」という言葉がふさわしい流れになっている。
 山羊座に木星が入った2019年12月3日以降、私たちはこの「我慢」ばかりをしてきた。
 木星は筋力の象徴であり、山羊座は抑制という意味を持つサインである。

 抑制のための筋力をつくること。

 生きたい場所に行けず、会いたい人に会えず、やりたいこともできない。
 私たちは、この一年、十分すぎるくらいの抑制をしてきたように思う。
 その一方で、コロナがあってよかったと口にする人たちがとても多かった。
 個人も、また企業も国も、メンツやプライド、世間体といった対外的ことを理由に保ちつづけてきた価値、強制的に制限がかからないと見直すことができなかった物理的、心理的な諸々——環境、働き方、システム、関係性、活動等を改めるのにいいきっかけになったのだとしたら、山羊座の木星のエッセンシャルディグニティ(天体の力量)の低さも悪いものでない。というか、人生には、fallフォール(-4点)の必要悪という考え方が成立するとも考えられるかもしれない。

 けれど、守りに入るだけでは、世界は退行してしまう。
 経済だけではない、文化も知性も守るだけでは育っていかない。
 仕掛けること=牡羊座・火星
 生み出すこと=獅子座・太陽
 成長すること=射手座・木星

 世界を構成する要素としての火・地・風・水を考えるにあたり、やはりどうしても、まずは火の要素をこの世界にもう一度取り込んでいく必要があるはずなのだ。
 しかし、パンデミックによって、この世から多くの「火」が文字通り消されてしまった。
 火をもっとも高めてくれるプリミティブな行事「祭りごと」が消えた。神輿を担ぐ声、参道の出店や提灯、踊りや唄が消えた。オリンピック、スポーツ行事、フェス、ライブなど人々の夢や熱き思いを駆り立てるイベントも延期や縮小となった。
 また、旅や冒険も火エレメントの象徴である。「百聞は一見に如かず」ということわざがあるが、まさに今は、「百聞」しかないではないか? 家に居ながらにして行った気になる、見た気になる、そのような時代なのだ。だから、「心を燃やせ」といったワードがもてはやされたりするのだろう。

 そこで、次の春分までの冬至期間(~2021年3月19日)は、自分なりの火エレメントを燃やすことを意識してみたい。

 冬至図を見てみよう。
 赤い楕円で囲った象徴は、火エレメントに関するもの――ASC・獅子座、MC・牡羊座・火星である。

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この期間は、火エレメントを育てる活動を心がけてみてほしい。例えば......

① 守りに入りすぎない。挑戦したいこと、未来に対する投資となるもの、価値があると実感したことは無理をしてでもやってみる。
② 不安より希望を持つ。
③ 自分を信じる、自分のやろうとしていることを信じる。
④ 人を信じる、人のやろうとしていることを信じる。
⑤ 運命を信じる、運命のやろうとしていることを信じる。
⑥ 自分を打ち出す仕掛けをつくる。
⑦ できることではなく、どうなっていきたいのかといった理想の未来を語る
⑧ 祭事、歳時を大切にする
⑨ 成長できる機会を持つ

 これらを踏まえ、ASCのサインにもなっている不動サインの獅子座=5ハウスについても考えてみよう。


 獅子座とは、自分の中の可能性を強く実感するサインである。ときに根拠なき自信とも思えるような「自分にはできる」という確信、「こうあったら素晴らしいだろう」という期待感、これが獅子座の原動力となっている。
 この期間に、どれだけ自分の中に未来の可能性としての「期待値」を作り出すことができるか。これが今回の冬至期間(春分までの三ヶ月)に意識してもらいたいことの一つである。
 個人であっても、企業や国であっても、人は期待値に魅力を感じ、投資し、集まってくる。光あるところ、熱あるところには、人は自然と吸い寄せられるのだ。
 今、みんな希望に飢えている。だから仕事がほしかったら、恋人がほしかったら夢を語ることだ。
 
 景気は「気」のものだ。
 ワクチンができるかも…という期待値だけで株価が上がる。本当にできるのか、はったりなのかそうでないのかは、火エレメントには関係ない。このロマンこそが人を動かす力になるということだ。
 
 この三ヶ月間、コロナ問題が大きく前進する動きが出ている。まだあと半年は収まる気配がなく、我慢のときは続くが、それでも、冬至期間にはワクチンの開発、臨床、接種といった動きは進み、実用に向けた働きかけが活発となるだろう。
だからこそ、今期は希望ある未来を描いていきたい。

 この一年、自分が価値を見出したテーマを拾い上げ、そこに向けてさらなる未来の価値へとつながる活動に向っていこう。そして、この三ヶ月の間に、自分なりに替えのきかない存在となれるよう、少しでも自分の価値を丁寧に積み重ねていけるといい。

 では、そのために何をしていけばよいのだろうか。
 話題のグレートコンジャンクション(2020年12月22日、日本時間3:21)のチャートがこちら。

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 ASC軸、MC軸はともに不動サイン。不動サインは「価値の構築」であり、ASC・蠍座は価値観の変容がテーマとなることから、今から218年後の2238年9月8日に水エレメント蟹座でグレートコンジャンクションが起こるまで、風の時代のメインテーマは、「価値の変容と再構築」となると考えられるかもしれない。
 そして、グレートコンジャンクションが起こる3ハウス、まさに風エレメントの原点とも言える双子座=水星を表現するのには言語、学び、伝達ツール、スキル、教育、環境適応、肺、呼吸、免疫、競争力、アイデア、インタラクティブといった言葉が列挙できる。

 これらの言葉を包括したメッセージとして、私が「火星サイクル手帳2020」の牡羊座火星期(第3期)に記した内容を一部ご紹介しよう。

環境からの要請に対し、自分の思っている能力がうまく適応することもあれば、まったく通用せず落ち込むこともあるでしょう。今の自分の社会的立場の不安定さ、未来の見通しの立たない状況に、「このままではいけない」と焦る気持ちに襲われることもあるかもしれません。
このようなときこそ、今のあるがままの自分自身の価値を客観的に評価してみてほしいのです。これまで築き上げてきたもの、自分をもって「持っている」と言えるもの、不足している能力、未来の可能性のある強み、明らかに足を引っ張っている弱点を改めて実感してください。現在の自分を理解(心から理解しようとすること)し、受容し、活用することで、初めて自分の身についている能力が環境に合わせて活かされ、個性として価値を持つようになるでしょう。 ーー 火星サイクル手帳2020-牡羊座期 第3期より

 まずは、このテーマを強く意識して、この冬至の期間を過ごしてみてほしい。ここが起点となって、最初の風の時代を動き始めるためには、「火を生む、希望を持つ活動」にエネルギ-を注ぐこと。決して不安に駆られすぎて、気持ちまで守りに入らないように。
 
 なぜなら、エッセンシャルディグニティにおける太陽は、風のサインである天秤座でフォール(-4点)、水瓶座でデトリメント(-5点)であり、風のエレメントは火のエネルギーを生むのが一番難しいサインだから。

 熱は伝導率が高い。この時期は、太陽=わたし自身の体も心も冷えないよう、自分の内側を温め、燃やし、純化させていこう。

 自分の表現や働きかけが、誰かの温かさや熱量へとつながるように。


風の時代、ブレないわたしをつくるための火星サイクル手帳。

ワークショップの様子はこちらから


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