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コロナ陽性記録~不安と向き合う日々~①発症の経緯編

●はじめに

コロナの感染第三波が訪れ、多くの人に感染に対する恐怖が降りかかってきています。マスク手洗いなど感染対策をしっかりと行い、医療現場の逼迫を防ぎましょう―こうしたことは多く報道されています。

が、いざ感染対策もしっかりしていたのに自分がコロナにかかってしまったら?療養中はどんな生活?社会復帰はどうしたら?どんな社会制度があるの?などの情報はまだまだ一般に不足している印象があります。

例えば、コロナ患者の療養終了基準は原則「発症日から 10 日間経過し、かつ、症状軽快後 72 時間経過した場合」です。この基準により他人への感染力がないとみなされているため、終了時の検査はありません

基準

(厚労省HP https://www.mhlw.go.jp/content/000639696.pdfより抜粋)

この情報が周知されていないため、陽性患者個人が何度も勤務先に説明しなければならず、回復しても自費で陰性証明をしなければならなくなるなど社会復帰の壁となっている現状もあります。

誰だって、自分がコロナにかかるのは怖い。それに、自分がコロナになった時の周囲の目も怖い。

この恐怖というのは、分からない・知らないから不安という一面もあると思います。医学的なことも、社会の制度的なことも、です。

個人の体験を残すことで、少しでも読んでくださった人の不安が解消されるよう、万が一感染した際の参考になりますように、拙いながらも記したいと思います。

※フェイクも混ぜながらですが、もし療養先や私個人のことが分かっても心の内に秘めて頂けると幸いです

●私の情報

関東圏在住の30代女性。都内勤務の旦那と2人暮らしの医療従事者(not看護師)。既往歴に甲状腺ガンからの甲状腺機能低下症があります。学生時代は風邪を拗らせたり、インフルエンザ後半などには喘息の症状が出ていました。

新型コロナウィルス軽症患者に分類されました。

●発症-3日目

11月のころ。第三波と言われだす数日前の出来事です。

職業柄、感染には気を付けていた方だと思います。こまめな手洗いは勿論、外出時にはサージカルマスクをつけて、手指消毒ジェルを携行していました。帰宅時には身に着けていた衣類は洗濯機に放り込み、シャワーも浴びていました。

が。深夜、隣で旦那が咳をしている…のはよくあることなのですが、その場に体温計を持ってきて2回ほど計測。熱はない様子。そして、仕事へ出かけて行きました。

「業務関係者に濃厚接触者が出たかもしれない。保健所のPCR検査結果が明後日でる」

夕方、そんなLINEが届きました。上司に報告。職場規定では「濃厚接触者の家族は症状がなければ勤務が認められる」というものがあり、その時点では旦那も濃厚接触者ではなかったのですが、勤務も続行になりました。

●発症-2日目

一応旦那が濃厚接触者や陽性になる可能性も考え、食事の時間をずらしたり過ごす部屋を離す、物品の消毒をするなど家庭内感染対策を行うことに(結局遅かったのですが)。

●発症-1日目

「例の濃厚接触者が陽性になった。自分も濃厚接触者として認定されて、保健所の指示にしたがってPCR検査を受けることになった」

と夕方LINEが。すぐに上司に報告。症状はないけれど念のため翌日から自宅待機を命じられました。

帰り際は暫くお休みする旨のお詫びをしつつ、同僚と「待機期間ヒマだね」「家の掃除がんばろう~」など笑って帰宅。

●発症日

朝の検温は36.5℃。家の掃除頑張ろう~と朝からいそいそと起きて洗濯など行っていました…が、とにかく寒い!!普段日中働いているので、この家こんなに寒かったのか~…暖房買い足すかなぁとその時は悪寒に気づかず。

その頃旦那には疑わしい症状はなく、都内の保健所の管轄から居住区の管轄に担当が変わり、様々な電話連絡に追われていました。PCR検査は今混んでいて出来るところを調整しています、とのこと。

14時。強い倦怠感に襲われ思わずベッドへ。激しい悪寒。こほんこほんと空咳も少し出るように。検温すると37.5℃。これはもしかしてもしかして…!?と慌てて職場に報告。

15時すぎ。旦那づてに保健所に問い合わせ。一緒にPCR検査ができないか尋ねたところ、それは難しいと。ただし、「近くに検査ができる医療機関があります。症状が出ているので保険適応で検査が可能だと思います。なのでそちらの発熱外来に一度問い合わせてみてから受診してはどうでしょうか」とのこと。

15時40分。医療機関へ問い合わせ。受診は可能だが、16時には閉まってしまう、と。倦怠感も強く20分以内に徒歩で到着する自信がないことを伝えると、「都道府県で相談窓口がありそこで夜間でも対応してもらえる医療機関を紹介してもらえるかもしれない」「当院の発熱外来でも時間内であれば予約せず来ていただいて構いません」と回答がありました。

結局相談窓口はというと、電話をかけても「私たちはプロではないので検査が出来るか保証できないんですよ」とのことで、紹介に至りませんでした。電話口からも、感染が不安だからPCR検査をしてほしいと願い出る人がとても多いんだろうなあという印象でした。

18時。旦那がドライブスルーPCR検査実施。検査場は特定を避けるために、あちこち転々としているようです。検査場には次々と車が入ってきていたそうで、感染者が増えていることが伝わってきました。

●発症+1日目

前日深夜に38℃。朝は37.5℃。空咳強い倦怠感は続いていました。旦那はケロッとしていて、「もしかしたら別なところでもらったんじゃない?」と言われる始末。そんな中病院へ徒歩で出発。

ちょっと階段を上っただけで疲労

8時半ごろ。私の地域は坂が多いのですが、休み休み何とか病院に到着。受付の人に発熱があることを伝えると、検温をしてほしいとのこと。一応汗をぬぐって…36.5℃。

汗で体温が正しく測れないことがあるのは知ってたので、このまま熱も上がらずただの風邪でありますように…と願いつつ、パーテーションで囲まれた待合室へ。

職場からは部署内で抗原検査を行って陰性だったこと、最悪受診先でPCR検査ができなくても、職場でできるからね!と連絡が来ました。旦那からは「下痢が始まった」と。

パーテーション内には10脚ほどのパイプ椅子が並べられ、換気のために扇風機が回っていました。後で続々と来院者が増え、追加のパイプ椅子が用意されました。皆咳をしていたりぐったりしていたり。ドライブスルー検査場のことも含めて、増えてるなぁ…と思っていました。自分が第三波に乗ってしまうことも知らず

診察で経緯を説明。「これは怪しいなぁ…」と血液検査、胸部レントゲン、インフルエンザ&PCR検査を行うことになりました。レントゲンを撮りにいくとガウン&フェイスシールド&マスクの技師さんがすでに部屋で待機していて、恐らく私が使った後消毒をしているようでした。

再び診察室へ呼ばれ、血液検査、インフルエンザ検査、胸部レントゲンの結果の説明がありました。左の肺にうっすら影があり、インフルエンザは陰性、血液検査からはウィルス感染症の所見がありますとのこと…。何度も先生はバックヤードに「PCR何時にでるの!?」と聞いていて、相当コロナの可能性が高いんだろうなぁとうかがえました。

「一度帰る?あ、でも遠いんだっけ…?じゃあ、肺に少し影があるのでCTを撮りましょう、その間に結果が出ると思います」と言われ、言われるがまま再び完全防備の技師さんとCTへ…。

12時半ごろ。CTが終わってもとに戻ると、ガウンを着た看護師さんから速やかに別室へ誘導。言われなくても雰囲気でわかったようなものです。

「PCRね、陽性だった」

その後は病院から速やかに職場と保健所に連絡がいき、私は個室で会計や薬の受け取りを済ませました(検査が多かったので14,000円…PCRで陽性と分かった後の薬代は公費となり無料でした)。

職場にも陽性報告。対症療法しかないので、もらったのは解熱剤と痰切りと咳止めの3種類のみ。そこでドタバタ色々あったりなんだりしつつ…帰りは勿論徒歩

コロナ疑いの際は、マイカーか徒歩範囲内で行ける医療機関を探しておいた方が良いと思います。公共交通機関は極力利用しないでください、と言われるので…。

13時ごろ。保健所から連絡。まずは感染の可能性があるため外出をしないでほしいこと、昨日が発症日になるということ、発症日の前2日間が感染の可能性がある期間であること、のが説明されました。

その2日間の行動を詳細に教えてほしい、と。主に職場と買い物しか行かなかったので、職場の状況について説明しました。感染対策には気をつかっていたので、常に換気・マスクや手指消毒、接触する場所の定期的な消毒を行っていたこと、接触した人は一緒にいた時にお互いにマスクをしていたか距離はどれくらいかどれくらい長くいたかを尋ねられました

あとは「基本的にマスクと伺っていますが…基本的にということは、それ以外のこともありましたよね?」「食事の時なんかは多少おしゃべりとかありますよね?」と聞かれました。そこは徹底されていたので「ないです!」と答えましたが…。

多分、はぐらかす人もいるからだと思います。怒られることはないので、小さなことでも正直に答えた方が良いです。感染拡大を防ぐためにも。

あとは療養を要する期間が発症日から10日間になること、療養は原則ホテルになること、ホテル療養は食費も含めてすべて公費で無料であること、自宅療養も選択できなくはないのでご主人と検討してください、とのことでした。

まだ旦那のPCR検査結果が出ておらず、万が一旦那が陰性だった場合に自宅療養だと家庭内感染になる可能性もあったからです。そこで「そういえばうちの主人、(発症-3日目)に咳をしていて体調にちょっと違和感があったようなんですけど、聞いてますか?」「今朝は下痢があったようです」と伝えると、把握していません、と。旦那はそこまで言う必要がないと思ったからだそうなんですが…これが後々旦那の発症日判定になるので、些細な体調の変化でも保健所の人には伝えておいた方が良いと思います。

旦那と話し合った結果、ホテル療養を選ぶことに。

その後は裏付け確認のために保健所から職場に連絡がいき、結果保健所からは濃厚接触者になった人はいないと判定を受けました。それが19時ごろ。その際にホテル療養を希望する旨を伝えました。

メールアドレスを教えてほしいといわれ、添付ファイルに「療養のしおり」というコロナ陽性者向けの資料が添付されてきました。LINE登録もお願いします、とのことだったので登録。8時と15時に体調の項目のチェックや体温、SPO2を入力してくださいと言われました。

21時ごろ。私をホテルへ搬送してくれる民間救急の会社からお迎えの時刻の連絡が。翌日11時40分ごろの予定で、「ガウンを着ているため人目のつかないところに停めることもできますので検討してください」「一緒の車にもう1人男性が乗車します」と…。まさかの相乗り!?どれだけ感染者がいるんだ!?と思いました。

21時半。旦那陽性の連絡。私の証言もあり、発症日が私の発症3日前ということになりました。ちなみに無症状だと検査陽性判明から10日間になり、療養期間が長引きます。連絡が夜も遅かったので、療養先には2日後に行くことになるとのことでした。

時間は前後し夕方。旦那と話してホテル療養にしたはいいけれど、荷造りをしなければ…でも、旦那も濃厚接触者だし、私は陽性だし…で、外に出られない。そこで心配した義実家が車を出してまずは私に必要なものを買って玄関前に用意をしてくれました。

幸い私たちの場合は近くに親戚がいたので事なきを得ましたが、いない場合は普段から備えておく必要があると思います。

結局その日は電話連絡等忙しすぎて、昼ごはんも食べず、37.8℃くらい熱が上がっていても寝込む間もなく準備していました。

ホテル療養については次の記事で書こうと思います。

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