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尊い命を前にして私ってば。

私の彼女は6つ年下です。

私より6つも年下なんだけど、

仕事はバリバリやるし家事スキルも高いし基本的に冷静で滅多な事では動じない、とてもしっかりした人なんです。

ただただ毎日を呑気に過ごし妄想してはニタニタして大抵は酔っ払ってる、年だけ取り散らかした私とは大きくかけ離れた人です。

そんな彼女が友人から頼まれて、現在仔猫のミルクボランティアをやってます。

産まれたばかりの仔猫4匹。

人肌程度に温めたミルクを作って哺乳瓶で飲ませ、タオルで陰部を刺激しては排泄を促す。

3時間おきのこのルーティンはかなり大変です。

私も出来る限り手伝いはしてるんですが、手伝い程度でも十分しんどい。

「6つも年上のおばはんには睡眠不足は堪えるんじゃよ(ヨボヨボ)…」とそういう時はおばはんなのを前面に出して弱音を吐いたりする情けなさ。

ごめんよ、彼女。

しかし、仔猫ってふにゃふにゃでふわふわでとにかく可愛い。

私には大抵厳しい彼女も、

仔猫達には聖母マリアの如き穏やかな微笑みを浮かべ惜しみない愛情を注いでいます。

仔猫を優しく胸に抱き


「ミルクでしゅよー?飲めましゅかー?」

「チッチ出る?チッチしてねー!たくさんチッチしようねー!」


ミルクをたくさん飲んだなら喜ばれて褒められて飲んだ後は口元を優しく拭いて貰って陰部をトントンと優しく刺激されおしっこを促して貰う。それでたくさんおしっこが出たなら喜ばれて褒められる。

その光景を見てたら私、

つい心の声が漏れちゃったんです。


「この子達ずるーい…私もこんな風にされたいなー…」


6つも年上のおばはんが!仔猫を羨ましがってる!

6つも年上の可愛くもないおばはんが!仔猫みたいに甘えたがってる!

しかもずるーいて!何が!


それまでは聖母マリアの如き微笑みを浮かべていた彼女も一瞬にして顔を強張らせ、

そして厳しく言い放ちました。


「気持ち悪いんだけど。」


!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

で、ですよね…

私も自分でそう思いました…

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