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VA-11 Hall-Aとことば DAY 6 「友達と飲む時は同じものを飲む」
VA-11 Hall-Aの本編では日曜日が二度ありますが、どちらも通常のバー営業ではなくミニゲームパートとなっています。DAY 6はボスであるデイナをジルが自宅へ招き、ベランダでビールを飲むものです。12本あるビールを好きなだけ飲むことができ、本数に応じてジルが酔って会話が分岐します。
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デイナは古くからSukeban Gamesのマスコットキャラでもある謎多き人物で、ここで語るにはとても余白が足りません。ただ、ジルにとって頼れる上司であり、本命の相手であり、謎多き人物であることは間違いありません。「友達と飲む時は同じものを飲む」はデイナのきっぷの良さを感じられるセリフであり、続くジルの「ボス…私を友達と思ってくれてるんですか?」は恋愛対象へのセリフと思うと奇妙な面白さもあります。そしてこのセリフをきっかけに、この日はお互いの友達の話に花が咲くのですが、これはゲーム終盤でデイナがジルを元気づける重要なシーンへの伏線となっています。こういうさりげなさに、VA-11 Hall-Aらしいストーリーテリングを感じます。
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原文を見てみましょう。「That's not how drinking with friends works」。thatは一見簡単そうだけど実は奥深い単語シリーズのひとつで見るたび身が震える思いがします。直訳すると「友達と飲むときはそうはいかない」という感じで、前文の「お前だけにビールを飲ませておくわけにはいかん」を受けた文章になりますね。「友達と飲む時は同じものを飲む」はただセリフとして流暢というだけでなく、デイナの友達に対するポリシーを感じさせる一文で、ジルが惚れるのも納得といったところでしょう。
ちなみに上記した12月27日のデイナのセリフと同等の「それが友達というものだ」というセリフを、この日もデイナは発します。これは原文だと「That's what friends are for」。バート・バカラックの曲名にもなったフレーズですが、英語における決まり文句です。ゲームの翻訳を通じて、ずいぶんと友達が増えましたが、お互い頼ったり頼られたり、仕事に限らず様々な話をします。そのため「That's what friends are for」はいつの間にか馴染み深いフレーズになりました。なんなら昨日も使いました。そのままの形で、みなさんも今日からぜひお使いください。
VA-11 Hall-Aとことば Advent Calendar 2023 10日目
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