VA-11 Hall-Aとことば DAY 19 「アルコールのせいかな」
DAY 19がプレイヤーが操作可能な本編の最終日、DAY 9で出てきたガビィとジルが乾杯して終わります。VA-11 Hall-Aにおいて乾杯は祝いの儀式として、親密さの表現として、何度か登場し、この場面では両者の意味を兼ね備えています。
詳細についてはご自身でプレイいただくとして……VA-11 Hall-Aのメインストーリーであるジルとガビィの物語は、これで終わります。プレイ内容に応じてこの後のエピローグは変わりますが、それにしても分岐ではなく条件達成したものを見られるという形です。つまり、VA-11 Hall-Aは道中には提供するカクテル次第で分岐があり、その条件でおまけ相当のエピローグが解放されるものの、メインストーリーの結末には変わりがありません。仕事の不出来でゲームオーバーになることさえ避け、バーテンダーを全うすればいいのです。一周目から満足感があり、周回したとしても異なる味わいが楽しめるため、自分はこのような構造のゲームが好きです。
とはいえ、この日のガビィとの会話もいつも通り、提供するカクテルによって細かな分岐があります。「アルコールのせいかな」は素直にプレイすると見られないセリフですが、冒頭でデイナがヒントをくれます。
ゲーム初日、ジルはバーテンダーとして未成年のキムへアルコールの提供を断ります。最終日では、未成年であるガビィへ前向きにアルコールを提供できます。それは端的に関係の違いではあるのですが、ジルがバーテンダーとして振る舞っているのか酒の力も借りたい一個人として振る舞っているのかの違いのようでもあります。故に、ジルがバーテンダーという道を選ぶことになった過去に折り合いをつけられた姿のようにも見え、お気に入りの分岐です。アルコールを提供するゲームの終わりとして、ぴったりですしね。
原文は「Must be the alcohol.」。"must"を「せいかな」と訳しているところが、からかい上手のジルさんという感じが出ていて味わい深いです。
最後にキュウリ知識を。悪名高いキュウリトークから、店内奥の掲示板がNO SIGNALになります。その意味を考えてみるのもまた一興。
さて、自分はアルコールが体質的に飲めないのですが、飲み会は好きなので、来週以降は夜な夜なそのような予定です。また、影響されやすいオタクなのでVA-11 Hall-Aのプレイ後にもろもろ揃えてノンアルのカクテルを作る日々を送っています。素晴らしいみなさんと、素晴らしいゲームに乾杯。
VA-11 Hall-Aとことば Advent Calendar 2023 23日目
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？