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イソジン騒動に思うこと

もし、もう売り切れてる、どうしよう!
と焦っている方がいれば、ちょっと安心してもらえる話をします。


「ポビドンヨードがコロナに効く」ということで、買い占めや、高額転売が始まっているようです。マスクやトイレットペーパーから、何も学んでないなと思っちゃいます。

イソジン自体はないと困る人と言うのは想像しにくくよくわかりませんが、肝心の成分の入ってない喉ぐすりもあわせて買占められているようで、抗がん剤治療してら方が、吐いて口の中が荒れるのを防止するために、子供用のうがい薬を使っていて、買えなくなって怒っている、という話を目にしました。ガーゼと同じく、「転用出来そう」なものが市場からなくなっていってしまうわけです。

肝心のイソジンですが、確かにそんだけ強い薬品ならウイルスもバスターするでしょうが、どんな原理で「重症化を防ぐ」と言ってるのか、これにはさっぱり根拠がありません。

コレって似たような事例で、マウスウォッシュで数ヶ月前にも、アメリカを始め、各地で買い占め、売り切れが続出していましたよね。

元々のマウスウォッシュ事件の発端としては、PCR検査が唾液でも有効とされたというのは理由があって、舌の上に沢山存在してる、ACE2受容体というタンパク質に、COVID-19がくっついて体内に侵入して、増殖する、ということがわかったからです。ただし、ACE2受容体というのは身体の臓器のあちこちにあります。

喉や肺だけでなく、口の中にコロナウイルスが!という事で、マウスウォッシュがバカ売れして一時期市場から消えましたが、もう早々に復活しました。

府知事の会見では、
「唾液中のコロナウイルスを減少させ、唾液PCRの陰性化を加速させることが判明した」といった発言されたそうです。


???


そりゃそうでしょ


歯磨きしても減少するよ?

だからといって、口腔内のウイルスを減らしたりしたとこで、全身を巡って増殖するウイルスに、なんか影響あるんだろうか???

ウイルスは体内に入らないと増殖しません。一度身体に入り込むと、寄生して免疫が働き始めるまでジャンジャン増えていきます。

飛沫感染で他の人にうつすのを防ぐため、と言う意味なら、水でも、塩水でもうがいすると減るので効果あります。

イソジンはあくまで、表面上に残っているウイルスには有効かも知れませんが、体内に侵入するウイルスに対して、なんの効果もありません。

それどころか、その時のPCRの検査を陰性にするだけなので、実際には体内でウイルスが増殖しているという事の方がコワくないですか?

ACE2受容体を壊す目的なら、強めのうがい薬とか、マウスウォッシュで良いかな、と思いますが、肺や心臓などの複数の臓器にも沢山あるので、一旦罹患してしまうと口腔内だけでやっても、もう遅いのではないかと思います。血管通って全身巡ってしまうし。


更に、うがい薬はやり過ぎると常在菌が死んでしまい、悪いものに感染しやすい環境を作ります。表面が荒れればウイルスも入り込みやすい。ヨードが入ってるものは、甲状腺機能低下を引き起こす可能性もあるし、元々、日本では食生活の関係で、ヨード過剰摂取の国と言われています。(海外は逆に欠乏気味)


特に、バセドウ病、甲状腺腫瘍、妊婦さんにはヨード系は危険です。妊活してるなら注意が必要です。


今のところ、夢のような防御はなく、基本的なマスク、手洗い、うがい、が一番有効です。


高額転売のイソジンなどを買わないようにして下さい。イソジンは、第三類医薬品に該当するので、転売は薬事法違反です。


政治家の方はアドバイザーに耳を傾ける必要がありますが、もっとまともな人が居てくれたらいいのに、と悔やまれます。薬剤師やドラッグストアなどでの苦悩を想像するだけで胸がいたみます

慌てず、悪質な業者に加担せずに、自分の出来る範囲で対策したいものですね。

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