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流星群

きみはいつも泣いていた
羽が傷ついたわけでもなく
飛ぶことがつらいわけでもなく
「どうしてわたしは真っ黒なんだろう」
そう言ってきみはいつも泣いていた

ぼくたちは君に笑っていて欲しかった
そんな理由で泣いては欲しくなかった
どうしたら君は笑ってくれるのだろう

ぼくたちにあるのは
黒い羽、光る瞳、それだけだ

おおきな口ばしから鳴る声は
とてもじゃないけどきれいじゃなくて
君にうたをうたうこともできない

おおきな足でつかめるものは
おなかを満たすことはできるけど
きみの涙を止めることはできない

黒い羽、光る瞳、それだけで
ぼくたちにできること、かんがえた

黒い羽、光る瞳、だからこそ
ぼくたちにできること、みつかった

うたはうたえないけれど
きれいな絵もかけないけれど
きのきいた言葉もいえないけれど
きみに見せたいものがあったから

もうすぐ日の沈む頃、青空はその幕を閉じる

ぼくたちは列をなし、きみのために羽ばたいた
おおきな黒い翼をぐんと広げて
おおきな瞳を輝かせ
きみに見せたいものがあったから

ぼくたちの羽は夜の黒に溶けていく
輝くぼくたちの金色の瞳
ぼくたちは星になる
ぼくたちは星をつくる
それはまるで流星群のように

きみは笑って飛んできた
「わたしも星になれるかな」

黒い羽、光る瞳、だからこそ
ぼくたちは星になれる
黒い羽、光る瞳、だからこそ
きみにできたことがある

黒い羽は夜の闇に溶けてゆく
輝く瞳は星になれる

黒い羽、光る瞳、だからこそ
ぼくたちは、流星群


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コメント (3)
ありがとうございます!恐縮です!
視点が素敵です。
ぼくが誰で、きみが誰か。
絵を見るとカラスのように見えるけど、でも人間や他の物事にも置き換えられるようなストーリーになっていて、世界観に惹きつけられました!
はじめまして。
とおりすがりに拝見しました。
あるがままの自分で、誰かをよろこばせよう、小さな優しさを示そうとされる気持ちが、烏になぞらえて描かれた、優しく温かい詩だなと思いました。
僕、結構、烏が好きで、よく見ていた時期があるのですが…
意外とお人好しだったり、ドジだったり、戯け者だったりして、可愛い鳥なんですよね。
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