008.プラムのジャム
7月某日
今日も暑い。
ニコルさまの病院へ、きょうは血液検査。腎臓が悪く、目も見えない、てんかん持ちのニコルさま。検査の結果、腎臓の数値は横ばいでほっとする。現状維持なら万々歳。すこし貧血気味だったのでおしりに注射をしてもらった。痛かったみたいで「しゃーーー！」と先生のことを威嚇していた。
母の葬儀の際に足りなかった分の香典返しを買いに行く。遠方の方にはレターパックで送れる便利なカタログギフトを購入。香典返しは3割から半分くらいの金額のものをお返しするといいそうなので、いただいた金額のメモを見ながら、カタログギフト以外のものも探す。
なにがいいのか、消え物がいいけれど日持ちがして、せっかくだから地元らしさもあって、海苔とかお茶は相手方の地域の方がおいしいのいっぱいあるし、お菓子はどれもこれもかさばるからレターパックに入らないしなあ…と悩んだ結果、地元の名産で、日持ちがして、レターパックにも入る、崎陽軒の常温保存可能な焼売にする。
しかしこれがまずかった。なにも考えずに「外のし」でお願いしますと伝えた結果、崎陽軒の真っ赤な包装紙に「志」の外のしが巻かれた、微妙におめでたそうな、なんともいえない一品に仕上がってしまった。でも今更包装し直してもらうのもあれだし、母は赤が好きだったし、赤い服よく着てたし、食べちゃえば一緒だし、こういうことにうるさい人だったら憤慨されるかもしれないけど、まあそれもそれだよねと、崎陽軒の焼売にとっては傍迷惑な考えを押し付けてそのまま送ることにする。
ニコルさまがめずらしく「抱っこしろ！」とうるさいので、スリングに入れてあげる。冷蔵庫の中にやわやわになってしまったプラムを、砂糖といっしょに煮込んでジャムにする。すごくきれいなピンク色、甘くて、梅みたいな酸味もあって、めちゃくちゃおいしくできた。
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いつもできたての「たのしい」をはこんできてくれるともだちを、だいじにしたいよねえ、とおもいながら描いたよ。いっしょにいてたのしいな、と思えることって、そういうかんけいって、かんたんにはみつからない、きっと奇跡みたいなことだ。
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