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セレモニーは終われない!〜怪人シンク、三度現る〜(完結済 5/5)

 浦辺には疑問が残った。記者会見の原稿を作成した後、改めて捜査資料を見直して疑問が涌いた。それは本当に些細なことだ。「キリンリキ」、佐藤優子は自分で葬儀の予約をしていた。わざわざ他県の、自分の僅かな貯金を全て使い果たしてまで葬儀社を選んだ。「虚無虚無トレイン」、安田浩介はどうして劇薬物を盗んだのか。「あそぱそまそ」、菊原由美子はどうして佐藤優子の家に放火したのか。自分はきちんと答えを出せたのだろうか。
 記者会見が終わり、自宅謹慎をしている浦辺は部屋の中でずっと考えていた。優子の葬儀から三週間が経過していた。浦辺は昼近い今になっても布団の中にいた。
 あの事件は、三人で思い付いたのだろうか。安田浩介は葬儀場を襲撃した後に誰かと通話していた。目の前で浦辺はそれを見ていた。その相手は誰だ。放火した菊原由美子だろうか。しかしそれなら、菊原が言及したはずだ。菊原は何故、浦辺がファミレスにいると知っていたのだろうか。佐藤優子の家を何故知っていたのかは推測出来る。彼女達は直接遣り取りをしていたのだから、知ることも教えることも容易だったはずだ。しかし生きていて、面識の無い人間が移動した先をどうやって知った。菊原が「スワンプマン」と呼んでいた人間は誰だ。その相手は何処にいる。
 布団の中で延々と考えた。そして気付いた。自分は「広場」の管理人と既に会っていて、名刺交換さえしている。記者会見の原稿を作成する時に捜査資料を読んだ。其処にに書かれていた、ネット掲示板「広場」管理人の名前を今漸く思い出した。「国定青沼」。佐藤優子が葬儀を予約した「国定葬儀社」の代表。背の高い、佐藤優子の家に一人でいた男。
 浦辺は布団を蹴り飛ばして跳ね起きて携帯を掴む。上着から名刺入れを探し出す。会う必要のある男の名刺はすぐに見つかる。すぐに掲載されている番号に電話を掛けた。数コールの後に携帯電話が繋がる。
『はい、国定葬儀社です』
「・・・・・・あ、あの、先日はどうも。県警の浦辺です」
 電話を取ったのは国定だった。彼は少し沈黙して『ええ、先日はどうも』と答えた。
「会いたいんですが、そちらに今日、じゃなくて、あの、明日お伺いしても良いですか?」
 浦辺はてっきり渋られると思ったのだが、予想していたものとは違う答えが返された。
『いいえ。今日で結構です。今から会社を出るので昼過ぎになるとは思います。あの公園で待ち合わせましょう。優子さんが好きだった、あの公園で』



 遊具は危険だから、と殆ど撤去された公園は最早価値の無い広場でしかない。そんな小さな公園の奥に金木犀が一本植えられている。枝々の方寸な合間から陽の射す午後。太い幹から枝を伸ばして花を咲かせている。風に色付いて見えそうなほどに芳香を振りまいている。ちらちらと赤黄色の小さな花が落ちていく。その枝下にベンチが置かれていて、葬儀屋の国定が座っていた。仕事着であろう喪服姿で、背筋を綺麗に伸ばして煙草を吸っていた。禁煙の波が広がる昨今、その余波は地方都市までには届かずに公園には古い灰皿が据え置かれている。煙草の灰は其処へと叩き落とされる。浦辺は彼を真っ直ぐと見詰めて、歩を進めていった。
 近付いてきた浦辺に国定が胡乱な視線を向ける。顔を反らして彼に掛からないように煙を吐き出して、国定は挨拶した。
「こんにちは、浦辺さん」
「・・・・・・隣、良いですか?」
「構いませんよ」
 国定は煙草を消そうとする。浦辺は構わないと手を振った。浦辺自身は非喫煙者だが、周囲の大多数は喫煙者だ。灰皿のある場所であれば大して他者の喫煙を気にしない。国定は軽く頭を下げて消そうとした煙草を再び銜えた。ベンチに腰を下ろした浦辺は本題から入った。
「国定さん、貴方は最初から全部知っていたんじゃないですか?」
 浦辺の問い掛けに、葬儀屋は暫し沈黙した後に唇を開いた。紫煙が広がり金木犀の香りに混じった。
「何故、そう思うんですか?」
「貴方は知ることが出来たからです。『広場』の管理人だから。この公園のことを貴方が知っていたことも頷ける」
 はらはらと金木犀が落ちてくる。風は強くない。咲いて落ちるばかりなのだろう。国定が何もかも知っていたと考えれば幾つかの疑問が説明出来る。
「貴方は、『スワンプマン』?」
 浦辺の問い掛けに国定は「ええ」と答えた。葬儀屋は抑揚の無い話し方をする。一時流行った受付ロボットのほうが人間らしいくらいだった。国定が浦辺に目を向けることは無かった。
「私は掲示板の管理人で、彼等と何度か遣り取りをしたことがある『スワンプマン』です。優子さんとはこの公園で会って話したこともあります。それで、それが、どうかしましたか?」
「じゃあ全部知っていたはずです。斎場で何が起こるのか、分かっていたはずです。どうして止めなかったんですか?」
 浦辺のそんな言葉に対して国定はまるで呆れるように煙草の煙を吐き出した。多量の白煙が広がった。
「どうしていたら彼等は止まったのでしょう?」
「ど、どうしたらって、そんなの、説得とか、通報するとか・・・・・・」
「それで止まるような人はあの掲示板にはいませんし、来ません」
 浦辺は自分の肩が跳ね上がったことに気付いた。それが恐怖と嫌悪から来るものであったことを数秒遅れて自覚した。
「あの掲示板は、何のために作ったんですか?」
 国定は首を左右に曲げて音を鳴らす。倦怠が滲んでいる仕草をしてから彼は答えた。
「『広場』は私の父が作りました。アレは善性の人でしたから、ああして交流する為の掲示板を作って自殺サイトに貼ることを思い付いたんです。自殺する人間を減らしたい、最近の若い人はこういうのが良いんだろうと、不慣れなパソコンに向き合って作りました。結局は散々たる荒れされ方をしたので私が引き継ぎました」
「あの、すいません、勘違いかも知れないんですけど、国定さんは、あんまり関わりたくないんですか? 掲示板とか、その利用してる人とかに」
「彼処にやって来る人間の殆どは精神が荒廃していて最早まともに物事を考えられなくなっているんです。普通ね、毎日毎日死ぬことを考えるのはおかしいことなんですよ。『広場』に来るのはそういう、思考が変貌してしまった人間ばかりなんです」
 国定は「関わり合いになりたいと思いますか?」と言いながら煙草を深く吸う。長くなった灰は灰皿の縁に叩き付けられた。
「進化に関する仮説に『赤の女王仮説』というものがあります」
 「ご存知ですか?」と訊ねられて浦辺は首を横に振る。「赤の女王」が「不思議の国のアリス」に登場するキャラクターだということは分かるが、仮説と言われると何のことだか分からない。国定は一呼吸置いて話を再開する。
「『その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない』。生き残るためには進化し続けるしかないジレンマの隠喩として赤の女王の台詞が引用される仮説です。あの掲示板利用者や、優子さん達は走り続けなければならなかった。思考が変質して、考え続けなければならなくなった。思考が停まると希死念慮と自己嫌悪が噴き出すんです。だから関係の無いことを考え続けなければならない。それがどれだけ道理から外れてしまっていても」
 聞いていた浦辺は彼の言葉が諦めを含んでいて、佐藤優子や安田浩介、菊原由美子のことを見捨てたも同然なのではないかと思った。「そういう人だからしょうがない」と彼等を見捨てたように感じた。
「そ、それこそ、助けるべきじゃないんですか? 心療内科を紹介することも、話を聞いてあげるとか、それが掲示板の理念じゃないんですか?」
 国定は静かに「救いを求めていない相手には何もかも意味がないのです」と答えた。
「先程も言った通り、彼女達は走り続けなければ、考え続けなければならなかった。その過程で既に助けを求めたところで自分は絶対に助からないと思い込む。事実その通りで、掲示板の利用者達の殆どがどれだけ救いを求めようとしても結局自分で拒否してしまうんです。ああいう人間にとって救いとは、自身の生存という形では決して現れないんです。だから私のような外野に出る幕はない。ほら、たまにいるでしょう? 日曜日のヒーローショーに出てくる、筋の通らない、辻褄の合わない思考の怪人が。あれと一緒ですよ」
 断崖が目の前にある。浦辺はそんな錯覚に襲われた。深い亀裂がある。この男と自分の間には深い亀裂がある。そう浦辺は思った。足首の辺りまでじわじわと冷たい水が這い上がってくるような気分だった。言葉が思い付かなかった。
「恐らく、私と浦辺さんの間には認識の相違があるでしょうが・・・・・・答えを聞かなくては。貴方の答えを聞きましょう、浦辺さん。浩介さんが貴方に投げかけた三つの問いと、優子さん達の行為についてを」
 斎場で投げかけられた三つの問い。「佐藤優子は何故死んだのか?」「何故、佐藤優子の家族は射殺されたのか?」「何故、浦辺がこの問いに解答しなければならないのか?」。ぱらぱらと金木犀の花が落ちてくる。黒い喪服に落ちる。国定はそれを払わない。葬儀屋の目が始めて浦辺を見た。放火直前の菊原と同じ、虚ろな目が彼を見ていた。浦辺は渇いた口内に張り付く舌を無理矢理剥がして話し始めた。
「佐藤優子は、孤独で、周囲と分かり合えなくて苦しんでいた。耐え切れなくなって彼女は死ぬことにした。安田浩介や菊原由美子と掲示板外でも遣り取りをしていたから、それについても話したはずだ。優子さんの死後、安田は何処かで入手した拳銃で斎場にやって来た。優子さんの家族を射殺したのは、優子さんが死んだことに憤りを感じていたからだ。あの日記を読めば誰だって同情するはずだ。もしかしたら、優子さんのことを好きだったのかも知れない。菊原由美子も同じで、優子さんに同情していたんだろう」
 記者会見で読み上げられた完成稿とあまり代わり映えのしないことを話している自覚は、浦辺にはあった。何度も何度も担当者達に話して出来上がった原稿は、湿った感情が拭われたものだった。浦辺は感情的に話さないようにしながらも、削られた部分を補った。国定はじっと彼を見詰めていた。浦辺は地面に視線を落とした。独白のように話し続ける。
「俺が選ばれたのは、俺が警官だからだ。止めて欲しかったんじゃないかと、今になって思うんだ。国定さんの話を聞いてからですけど。止めて欲しいから『あと二回同じことが起きる』なんて言った。でも何も起きなかった」
 浦辺が話すのを止める。国定は確認するように「それが答えですか?」と訊ねた。煙草は限界近くまで短くなっていた。問い掛けに頷く浦辺に、国定は「そうですか」と言った。彼は新しい煙草を取り出して銜えると吸いさしの方を火種にした。チェーンスモーカー特有の仕草だった。
「大筋は正解です。優子さんは掲示板に置いてある意味カリスマでした。掲示板の利用者達に支持されやすい厭世観の持ち主で、提示する意見はいつでも秀逸でした。一種の才能でしょうね、事務職にしておくには惜しかった」
「そう、ですね・・・・・・」
「彼女が自殺を決意したのは一年前ほど前でしょうか。その頃、公開している管理人宛メールフォームに優子さんがメールを送ってきました。死ぬことを考えている、と。それで、浦辺さん」
「え、はい?」
「今から優子さん達がしようとしたこと、したことをお話しします。ですので先に言っておきますが、貴方の答えは正しくない。落第です。優子さん達は同情で繋がっていたわけでは無いし、貴方が選ばれたのは警官だからでは無い。止めて欲しかった、というのも論外です」
 唐突に突き付けられたその言葉に、浦辺は二の句が告げなかった。呆然とした彼に国定は指摘をした。
「貴方の想像には、ヒトの悪意が足りない」
 困惑する浦辺を置いて国定は淡々と話した。
「優子さんが最初に送ってきたメールには、『多くの人間を巻き込んで自殺するつもりだ』と書かれていました。迷惑を掛けることになるのでアカウントを削除して欲しい、という依頼のメールです。私が何を言っているのか分かりますか? 優子さんは最初、無差別殺人を起こしてから死ぬつもりだったんです」
「でも、彼女は一人で自殺したはず、」
「私が思い止まらせたんです。無関係の人を巻き込むのは止めなさい、と。納得させるのに半年は掛かりました。浩介さんも由美子さんも、彼女のファンのようなものでした。彼女の後を追ったに過ぎない。死ぬ切欠が、誰かを殺す口実が欲しかっただけです」
 浦辺は酷いことを聞いているような気がした。聞いたことが確かに正しく思えた。死んでいく安田浩介と菊原由美子が清々しい笑顔を浮かべていたことの説明が出来てしまった。
「・・・・・・なら、いっそ、通報すれば良かったじゃないですか・・・・・・なんで、放置したんです? 通報していれば、もしかしたら・・・・・・」
「仰る通り、優子さん達を通報したとしましょう。優子さんは自分の家で自殺するのは止めて高速バスに乗ります。首都高を走行中に彼女は持ち込んだガソリンを車内に撒いたのち自身も頭から被って運転席に迫り、焼身自殺を試みます。何人死ぬんでしょうね。浩介さんは職場環境に耐え切れず退職し腹癒せに杜撰な管理体制の薬品庫から劇薬物を盗み出していました。眺めて自分の気持ちを慰める為です。掲示板には『懸賞』と称して様々な物品を与える人間がいますので、浩介さんは誰かに譲渡する気だったかも知れない」
「『懸賞』?」
「議題を提示し、出題者が納得の行く答えを出した相手に自分の持っている物品を渡す行為です。見付け次第アカウントを削除していますが、掲示板は広大ですから隅々までは巡回できませんし遣り取りはスレッドごと削除されるので気付かないこともあります」
 話が逸れました、と国定は灰を落とす。浦辺は喉が渇いて苦しかった。葬儀屋の視線は公園の入り口へと向けられていた。
「浩介さんは『懸賞』で拳銃や手榴弾等々を手に入れました。浩介さんは優子さんの後を追って死ぬことにしました。決して安くは無い電車賃を払って祝日の渋谷に向かい、スクランブル交差点で発砲し、自爆します。何人死ぬんでしょうね。由美子さんは義母を殺した後、旦那さんの病院に向かいます。彼女は病室を巡って昏睡状態もしくは寝たきりの老人達を、病院までの道中で購入した包丁で刺殺していきます。何人死ぬんでしょうね」
 浦辺は斎場で安田浩介と対峙した時と、ファミレスで菊原由美子と対峙した時に感じたのと同様の感覚を抱いた。背中がすぅ、と冷たくなっていく感覚。項の肉がごっそりと無くなってしまったような感覚。恐れと嫌悪が入り交じった感覚。話していると気分が悪くなってくる。
「それが、説得してああなったって言うんですか?」
 憤りさえ感じ始めた浦辺が責めるように問う。国定の顔は能面のようで微動だにしない。
「ええ。『まだマシ』にするのが精々でした。残念です」
 憤りがゆっくりと浦辺の頭の中で膨れ上がっていく。どうしてこの男は死んでいないのだろう、と警察官は思った。気付けばぎりぎりと睨んでいた。その視線を感じて国定は緩慢な動作で顔を彼の方へと向ける。虚のような眼球に浦辺の顔が反射している。だが国定は浦辺のことなどもう見ていない。
「浦辺さんの答えで、一番大きな失点は浩介さんの『あと二回』を勘違いした点です」
 指摘された事項に、浦辺は思い当たる点が無かった。安田浩介の「あと二回」は虚言ではなかったのか。爆発物は何処にも無かったのだ。佐藤優子の家にも、安田浩介の家にも、菊原由美子の家にも無かった。だから「あと二回」も起きるはずがない。国定は煙と共に答えを吐き出す。
「あの『二回』というのは同一の事柄が二回起きるという意味ではないのです。優子さんの家族を殺すことが『一回』、優子さんの家を放火することが『二回』、そして『三回』。私なら、優子さんに同情などせずあらゆる事を調べます。もう既に手遅れかも知れませんが」
 浦辺が何のことか聞こうとした時、彼のスマートフォンが鳴った。間中からの着信だった。国定が「どうぞ出て下さい」と言う。訝しみながら浦辺は電話に出る。電話口の間中は酷く動揺していた。
『浦辺、今どこだ?』
「家じゃない。外に出てて、なあ、どうかしたのか?」
『安田浩介が盗んだ劇薬、見つかったんだ。佐藤優子の職場で』
「職場? なんで今更」
『さっき通報があった。取引先から届いた菓子折を食った社長やら重役やらが泡吹いてブッ倒れたって。救急で調べたら盗まれた劇薬が検出された。優子が死ぬ前に送ってたんだよ、送り状から指紋が出た』
 間中は「早く家に帰れ」と言って通話を切った。浦辺はこれが「三回目」なのだと分かった。まるで予定調和のように。国定は煙草を深く吸い込んで紫煙を吐き出し、短くなった煙草を灰皿に捨てた。立ち上がった彼は上着に落ちた金木犀の花弁を払う。浦辺は彼を見上げる。
「これで良かった、と思ってるんですか?」
「いいえ。もう少し『マシ』な現状に出来たのでは、と思っています。貴方の答えを元にした記者会見のお陰で優子さんに同情的な意見が世論に現れ、掲示板では英雄になりつつあります。恐らく半年はこの話題が続くでしょう。もしかしたら、もっと長く」
「俺のせいですか? 俺が間違えたから?」
「いいえ。あの三人の目論見通りになったのです。貴方が何も知らない正義漢だと、浩介さんは思ったのでしょう。善良な普通の人の『同情的な意見』が欲しかっただけですよ、あの三人は。世間に長く消費される為には第三者の綺麗な意見が必要ですから」
 浦辺は舌を噛み潰したくなった。息が出来ない。頭の中が混沌としてしまった浦辺の視線を受けて国定は言った。
「貴方はまるで邪悪なものを見るような目で私を見る」
 「それでは、私は仕事に戻ります」と国定が彼に背を向ける。浦辺はその背に問いを投げた。
「国定さん! 優子さんは、あの人達は本当に良かったんですか!?」
 葬儀屋は背後に向き直り、答えた。
「ええ。彼女達は満足でしょう。マヤ神話には、聖職者、生贄、戦死者、お産で死んだ女性、首を吊った自殺者だけが行ける楽園があるそうですよ。今頃、イシュタムに『戦死者』として導かれて其処にいるかも知れませんね。生者が死者の感想など求めるべきではありませんよ。その所業でのみ語るべきです。優子さん達は赦されざる事をした、ただそれだけに留めておくべきです」
 国定は踵を返して帰って行く。不気味なほど軽やかな足取りで。優子もきっとこんな風に死んだのだろうし、浦辺は他の二人が軽やかに死んでいったのを知っている。
 取り残されたのは浦辺だけだった。










終幕

カウントについて:頭のアレになってしまった人が登場している時に反応するカウント
作者ハウスルール:肝心なキャラの名前はフルネーム


登場人物紹介

浦辺 誠司(主人公)
・巻き込まれちゃった人
・独身恋人無し
・パソコンがあんまり得意ではない
・陽キャ
・掲示板「広場」適性無し

間中
・アニオタ
・独身恋人無し
・実家が激太
・友達がマジで浦辺しかいない。あとツイッター。
・掲示板「広場」適性有り

上司
・部下がアホで大変
・妻子有り
・スマートフォンがよく分からない

国定 青沼(くにさだ せいしょう)
・主人公からぶっちぎりで死んだ方が良いと思われている人
・罪悪感はさて置きしている
・妻帯者
・掲示板管理人(怪人シンク0号)

佐藤 優子
・罪悪感がない人その1
・親も弟も全部クソじゃクソ! 皆殺しじゃ!
・人間は大体死んだ方が良いと思ってる
・楽園でオフ会中
・怪人シンク

安田 浩介
・罪悪感がない人その2
・社会キツキツキッツ! えっマジなんでこんなキツいの?
・人間は大体死んだ方が良いと思ってる
・楽園でオフ会中
・怪人シンク

菊原 由美子
・罪悪感がない人その3
・家庭マジで死ね~~~~~~! 須く殺戮! 火に呑まれろ!
・人間は大体死んだ方が良いと思ってる
・楽園でオフ会中
・怪人シンク


Q.怪人シンクってな~~に?
A.考え方がズレてること。キャラじゃないよ。知らんけど。


BGM
österreich/楽園の君
https://youtu.be/Z2Qd4KJv7Ew

Mah/セクト
https://nico.ms/sm23898832?ref=share_others_spweb

LITCHI / らいち /白亜の罪状
https://nico.ms/sm24711716?ref=share_others_spweb

ハルカトミユキ/近眼のゾンビ
https://youtu.be/Nc7Kgwvv-ts

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