強迫性障害 発症から寛解まで
発症から初回診察まで
精神科と聞けば私は恐ろしいイメージがありましたし、誰でも薬は飲みたくないものです。自分の場合を振り返ってみても、そもそも発症してから「自分は病気なのかもしれない」と状況に真面目に向き合い病院に行く決意ができるまでにはある程度時間がかかるものだと思います。私は発症してから2年程は文字通りほったらかしにしていました(オイ^^;)。向き合いたくない事実でしたし、最初はまだ症状もさほどひどくはなかったので、見ないフリも出来ていたのです。「様子をみよう」というある種のごまかしで日々を過ごしていました。
しかし、私の場合は症状の悪化が指数関数的でした・・
ある時期からあれよあれよという間に生活に支障がではじめたのでした。
病院選び
私は何も知らなくて「精神科」と聞くとなんだか怖いイメージを持っていました。精神薬もできるだけ飲みたくないと思っていました。そういうわけで、分からないながらも病院は精神科でなく心療内科を選び、認知行動療法や森田療法に理解のある病院を探して通院しました。この選択にどれほど意味があったのか今でも定かではありませんが・・
初診の際にはっきり「薬はできるだけ飲みたくないし、飲まずに生活できることを目標に治療をお願いしたいのです」と院長先生に伝えたことを記憶しています。今から思えば、自分が信頼できる病院に出会えたことが、その後の大きな安心につながったように思います。
薬の効果はいかほどか
あくまで素人の理解にすぎませんが、私の場合は初診の段階で強迫行為が全くやめられない状態にあったため、服薬せずに治療するという選択肢は実際問題あんまり無かったんじゃなかろうかと思います。
服薬中のことはあまり記憶していないのですが、家族によれば私の人格に新たな要素が加わったような奇妙な出来事が色々起こっていたそうです。
具体的にはこんな感じ。(本人はお気楽そのものでした・・)
細かなことを気にしなくなり、おおらかになる。
とにかく陽気。
モノマネ大王:周りにいる人の仕草や言動を精度高く家族の前で再現し始める。(会社ではやりません、決して。)
過敏になっている神経を薬の力で無理やり鈍化しているような感覚は自分の中にもありました。今まで細かく思考できていた物事が、急にどうでもよくなったりすることもありましたね。家族によれば、私の人格の中で「今まで閉じていた性質や能力の扉が次々と開いていく感じだった」とのことです。モノマネなんて薬を飲むまでやったことがなかったにも関わらず、披露し始めたモノマネの精度はかなり高かったらしく、家族がドン引きするくらいの代物だったようです・・(薬の力はやはり大きいですね)
「薬は根本治療にはならない」と聞くことがあります。無理やり神経を鈍らせているようなところがあると思うので、これが治療なのだろうかと私も当時疑問を抱いていたように思います。しかし今から考えると、服薬過程があったからこそ、その後の行動療法に効果が出始めたのではないかとも思います。
行動療法
担当カウンセラーより森田療法や認知行動療法などを取り入れた指導を色々してもらいましたが、中でも暴露療法で大きな効果がありました。
暴露療法は、不安を感じても強迫行為を継続せずその場を立ち去ることで不安に慣れるという治療法です。私でいえば、確認行為を無理やりやめて家を出ることが求められます。これは・・とても難しい・・!
・・と言うより全くできませんでしたね・・。あまりに難しいので、正直「先生、できるわけないぜよ」と半分諦めていたように思います。
結局、その場を立ち去ることはできずに何年も経過しました。
ところが何年もたったある日、なんの前触れもなく突然家を離れることができるようになったのでした。それは、暴露療法に関する薄い小さな本を読んでしばらくした頃でした。
確認行為を1回してから、家を出ました。
「これで本当にいいのだろうか・・・」
という不安も頭をもたげましたが、なぜかその日は家に戻らなくて済みました。後から振り返ると、その後も山あり谷ありではあったものの、その日をきっかけに状態がなんとなく良くなっていったような気がします。
以上、発症から寛解に至るまでの流れでした。
私は、断薬したいと思ってはいても、行動療法を実践して実際に症状に改善が見られるまでにはかなりの時間を要してしまいました。
焦らないことは、結構大事なのかもしれません。
人それぞれの経過になるとは思いますが、参考になれば嬉しいです。
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