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森 博嗣を読む理由

「辛辣」 という言葉は、辛い現実を突きつけるためにある言葉だと思っていたが、そうでもないらしい。たとえば、「夢に叶え方を知っていますか?」 という本では、抽象的な夢を掲げることは誰にでもできるが、具体的に行動に移していることは何か、または見当違いな方向を歩んでいる可能性を指摘している。受動的である「憧れ」から能動的に正しく走り出せているかどうかを確認させようと語りかけてくる。 こういった問いは僕を緊張させた。僕が実際に行動していることは、何の役にも立っていなくて、ただ気持ち

    • 感動を表現することはできない

      旅行先の美しい風景に感動し、写真を撮ったりするのはよくあることだと思う。最近の僕は情報収集に勤しんでいるから、つい言葉や文章を抜き出してGoogleドキュメントに保存している。ふと思い出したときに、確かめられるようにである。忘れた頃にもう一度、感動できたらいいなと思う。 しかし、次にそれを見たとき、同じように感動することはない。今の自分とその時の自分は別人だし、見た景色のまんま写真を撮ることはできない。そして目をつけるところが全く同じ、ということにもならないだろう。視野の広

      • 普通のアップデート

        来年の目標をたてよう。 望んだことが実現する。これを信じてみて、 「なるようになる」 の心構えからちょっと能動的になってみる。来年のことなんてまったくわからない、と思うかもしれないが、決まっていることは意外にある。ふりかえってみれば去年とだいたい同じ生活をしている。 ちょっとだけ、 “普通” を変えてみたい。自分にとっての 「生活の普通」 を少しずつ積極的な方向へ、姿勢を正したい。そうしなきゃ、ここまでの努力に意味がない。既に十分な知識がある。真面目な勉強という、失敗が少な

        • “よく見ない”ことが、絵をうまく描くコツ

          “よく見ない”方が、うまく描ける。つまり、細部に集中して全体像を見失うことを避けなければならないということである。茂みを描くときに葉の一枚から描写するのではなく、それら集合体をたった一色でどう描写することができるのかについて悩んでみるといい。 Tips「目を細めて」 もっと劣化した視界の中で、生き残る特徴を探す。その特徴は、色と形に表れていて、絵の強固な基礎となる。単純な色と形だけで構成された最低保証の絵がどれだけの完成度を誇るのか、絵描きにとってどれだけ心強いものなのか。

        森 博嗣を読む理由

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        • ゴキンジョ コミュニティ
          3本

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          スケッチは引き算からはじまる

          何をスケッチするにしても、とりわけ単純化から行うべきである。短時間で絵を完成させること。そうすれば絵の完成度に対するプレッシャーを感じなくて済むし、思考は「何を加えれば絵が良くなるか」といった期待に寄せることができる。時間をかけてしまえばしまうほど、出来栄えに対する期待を失っていく。そうならないためにも、単純な図形を使って基礎を築くのだ。絵において最も優先されるべきなのは、「何を描いているのか」ではなく、全体で伝える印象である。つまり、正確な形よりも色が優先される。 絵にし

          スケッチは引き算からはじまる