真っ赤なスカート

今年の7月、真っ赤なスカートを買った。
大学の近所にあるお店で一目惚れしたスカート。自分でもびっくりするくらい似合っていたし、お店のおばちゃんにも一緒にいた知り合いにも、その後遊んだ大学の友だちにも、写真を見た大学の友だちにも、いっぱい褒めてもらった。

だからインスタのストーリーにあげてみた。親しい友達限定で、顔も映らないようにして。
すると地元の友人から1件のメッセージが来た。
「あんたがスカート履くようになるなんて!www」

一瞬で地元にいた頃の自分に戻った気がした。
なんでまだそんなこと言われなきゃいけないんだろう。
たしかに思春期頃のわたしは一人称も今とは違ったし、兄のお古か部活の練習着ばかり着ていた。でもだんだん可愛い自分も見てみたいと思うようになったのだ。そんなに人と違う格好が好きなわけじゃない。別にわたしの勝手じゃないか。そう思ったけど、そこから数日はそのスカートを履けなかったし、見ることもできなかった。

思えば高校生の時くらいから自分の好きな服を着たかったし、メイクもしてみたかったのかもしれない。でも、そんなことを言い出せば周りにびっくりされてしまうから、自分はそんなことに興味なんかないというフリをしていた気がする。

「他人の意見なんか気にしなくていい」、「自分の人生なんだから好きに生きたらいいんだよ」、「思ってるより人は自分のことを見てないよ」という言葉をよく聞く。わたしもその通りだと思う。だから好きな服を着て好きな格好をして出かけようと決心する。

でもわたしの地元にはいるのだ。その人の中にいる「わたし」以外認めてくれない人達が。わたしの好きな「わたし」になるのを邪魔してくる人達が。

可愛い服を着たらあなたらしくないと言われた。
メイクをしていたらにやにやされて、まだすっぴんでいいだろ、生意気だと言われた。

傷ついてまで好きを貫き通さなくていいと思った。見た目はわたしのアイデンティティの一部ではあるけど、わたしの場合それよりもっと大事にしたいものは、中身の方にある。
これから先わたしの中身を馬鹿にしてくる人がいたら、その時はこれまで溜めていたエネルギーを全部使って、わたしを貫きたいと思う。

それに、自分だって同じようなことを人に言ってしまったことはあっただろう。自省を繰り返して、これからは誰かを否定しないようにしたい。

P.S.大学に入ってからは自己肯定の気持ちが日々肥大化しているし、地元にも大切な友だちはいます。
好きな人だけ大切にしていきたいね。

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