理由付け

どうして書くことを選んだのか
そんなことを考えることもある
詩では食っていけないし
理解されないことも多いだろう
それでもこうして言葉を並べ続けるのは
ひとえに私の不徳の致すところ
なのかもしれないな

入り口はちょっとした軽い気持ちで
試しに書いてみたんだっけ
どちらかといえば凝り性な自分が
もっとやれると背中を押してきて
進む方向を決めてしまった
若かりし日の自分にはまさか
それが続いていくとは思わず

認めてもらいたくて
でも自信もなくて
承認欲求を満たすための
小さな自己満足だと知りながら
書き続ける日々
人生が折り返しに差し掛かっても
それはまだ続いている

詩人になれるとは思っていない
だけど詩に対しては
疎かになってはいけないと思った
何かを創ることなどできないと
絶望していた自分にとっての
唯一と言ってもいい表現
それがこの言葉たちだったから

才能も何もない自分が
何かを伝えたいと思ったとき
寄り添ってくれた言葉たち
それが私には詩という形だった
たとえ書けるものが詩とすら
呼べないものだとしても
そこに向かっていきたい

誰にも届かないと思っていたものに
目を向けてくれる人がいたから
何の役にも立たないけれど
誰かの胸の中の片隅で
自分の欠片がどこかに残るかな
大切な存在をどこかに残せるかな
そんなことを期待して書き続ける

自己肯定できない自分自身を
それでも肯定してくれる存在
それはもう今は胸の中にしかない
だからこそ書いていくんだ
自分が生きていくために
大切なものを生かしていくために

(2024.2.15.9:46)

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