見出し画像

#2ひとりビジネスは誰でもすぐ始められる〜ド素人でも行動したら、10ヶ月でベトナムにネイルサロンを作れた


■このマガジンについて

ベトナムにネイルサロンをオープンしたのは、2016年8月。
このマガジンは私がベトナムでネイルサロンを作るまでの過程や苦労話、また軌道に乗るまでの道のりをまとめています。
フリーのフォトグラファーとして気ままにやってきた私が、1からお店を作って、スタッフを持つなんて考えた事がありませんでした。
でも、あるとき海外でチャレンジしたい病にかかってしまったのです。
それからは、新鮮で刺激の多い日々...。
全てが初めてでどれも大変な作業の連続。落ち込む事も多いけれど喜びの方が多いんです。
だって、毎日楽しいんだもの。


■THE行動力おばけはすごいスピードで進む

私がお店を作ろうと決めてからオープンするまでに費やしたのは約10ヶ月。
私にとっては10ヶ月って結構時間がかかった印象があったんだけど、まわりには「たった10ヶ月!?」と言われることもしばしば…。

確かに、私は思い立ってから翌週にはベトナムに飛んでいた。

とにかく、「旅ネイルができるサロンをベトナム・ホーチミンに作ろう!」と思いはじめた頃を振り返っていこう。(あぁ。なんだか遠い目になる...)

旅ネイルとは?
私は、ベトナムに恋をして何度も訪れた。
「少数民族が暮らす北部のサパ」「ランタンと旧市街地の建物が素敵な中部のホイアン」「ヤシの木が茂る海のきれいな南部のフーコック島」とベトナムの北から南まで旅をし、旅写真を撮りまくってきた。
でも、それらの写真を見ると、私が写っている写真は数えるほどしかなかった。
私がフォトグラファーであることの宿命なんだけれど。私は、私ががそこに居た記録をどうにか写真に残せないか。とずっと思っていた。そしてある日ふと「自分の手や足なら、自分が撮った写真にも映せるのでは!?」「ネイルにベトナム各地をモチーフにしたネイルアートをしたら、旅中ずっと気分がアガるのでは!?」
そう思い、2015年10月「ベトナム各地をモチーフにしたネイルアートができるお店」を作るために動きだした。


スモールビジネスのハウツー本「はじめの一歩を踏み出そうー成功する人たちの起業術を片手に、「これは絶対やらなければ!!」意気込む私。
でも当時は全然分からないことだらけだった。

1.ネイルサロンでネイルしたことないけど、どんな感じ?
2.開業資金っていくらかかる?
3.ベトナムにネイルサロンはある?ネイリストはいる?力量は?

いやいや...。「全くのド素人じゃないか!」と思ったあなた。

そうなの!
それまで、私は商業の現場で写真を撮ったり、一般の方や学生に写真を教える経験はしてきたけれど、サービス業についてはマクドナルドやうどん屋さんでのアルバイト経験だけ。
当時の私はサービス業の「サの字」も知らなかった。

そんな私がお店を0から作るためにまずやってみたこと。
それは、「ネイルサロンへ視察」へ行くこと。
「まずは有名店のサービスを受けて体感しよう。」とお客さんとしてネイルをしに行ってみた。

最初に行ったのは、大きな商業施設によく店舗を構えているお店。
「ネイルズユニーク」ハービスエント店
その頃は、ポリッシュとジェルの違いも分かってなかった私。
自分でやったことがあり、聞き馴染みのあるポリッシュをやってもらった。

ポリッシュネイル・・・市販でもよく見かけるタイプ。マニキュアと言ったほうがわかりやすいかな?爪に塗ってから1週間ほど楽しめて、除光液で簡単にオフすることができる。

ジェルネイル・・・ジェルを何層にも塗って、UVライトで固める。ポリッシュよりネイルアートの幅も広く3週間程度楽しめる。簡単にオフできない。

他にも近所のネイルサロンから、若い子に人気のサロンまで行きたくさん研究した。
・どんな材料や道具を使っているか
・各店の特徴的なサービス
・ネイルカラーの数やアートの雰囲気
・接客について気づいた事

1ヶ月に2店舗のペースでネイルをしに行き、撮影した写真と施術の流れを1枚のレポートにまとめていった。

画像1

画像2


サービスを知るには、まずサービスを受けないとね。

だってわからない事だらけなんだから。

視察に行って良かった事は、店によって、使った道具(ヤスリやハンドクリーム)を持って帰れたり、ネイルケアに時間をたっぷり取る店、アートが凝っている店、カラーが豊富な店、定額制で明朗会計の店…。と、それぞれポイントがあるのを知ることができた事。
施術してくれた各店のネイリストは、私が道具についてや、施術の流れについて色々質問するからやりにくかっただろうな。 

とにかく見て覚えるか、質問して聞き出す。
帰ったらすぐにレポートにまとめる。をガンガンやっていった。
(まるでスパイのような気分だった。)

また、ネット検索では、「ネイルサロンとはどういう場所」なのか。
そして、「ネイルサービスはどんなものがあるのか」を調べていった。

■最初に何をするべきかなんて関係ない

これはね。 
google先生に聞いて「ネイルサロン 開業」についてたくさん教えてもらったよ。
個人事業なら大体300万円くらい。
とか、場所やスタッフの固定費によって変わる。など色々参考にはなったけれど...。本当にほしい情報。それは...。
「で!?ベトナムで開業ならいくら必要なの?」という情報。
これはどんだけ探しても見つからない!
(組織ではなく一個人がベトナムホーチミンでネイルサロンをオープンしたのは当時1人か2人くらいしかいなかったのも理由の1つかも)

私が知りたかった情報
・ベトナムにネイルの材料がどれだけ販売されているか
・テナントはいくらかかるか
・ベトナム人の平均収入はいくらか
・日本とベトナム間の渡航費

他にもいーっぱい知りたいことはあったけれど..。
こういう事を知りたかった。

そして、居ても経っても居られなくなった私は「とにかく現地に行って、ベトナムでの唯一の友人であり仕事のパートナーでもあるNgoc(ゴック)さんと会ってベトナム事情を聞かなきゃ!絶対に自分が行きたいと思うお店。旅ネイルアートが出来るネイルサロンをベトナムで作りたい!」そう思いベトナムへ向かった。

実際必要になった資金については、【いざ融資への道で読めるよ。

そしてベトナムに到着し、Ngocさんへ最初にお願いしたこと。
「ネイリストの面接をしたい」

他にもやることあるだろう...。って今なら思う。だけどビギナーだった私。
やりたい気持ちが先行していた。 

おそらく最初は、物件探しやネイルの資材調査をして「これならいける!」と確認できてからスタッフ面接をするのがだいたいの相場だよね。

実際に面接をして、ベトナム人ネイリストの力量や給料額を知ることができたのはとても良かったけれど、「私のお店で働いてください!」と約束してから本当に働いてもらうまで、9ヶ月も待たせてしまった。

でもね、知りたい事から始めるってとっても大事だと思うの。
段取りを考えて動けないくらいなら、そんな事は構わず気になるところから埋めていけばいい。だって、段取りをガチガチに組んでもそのとおりに行かない事が多いし、そんなことで頭を悩ませるくらいならサクッと始めたほうがいい。

でも、面接の2日前にfacebookで募集しただけなのに、ネイリスト達もよく来てくれたと思う(ベトナム人もせっかちだよね)

私はこの時の出張で、4名のネイリストと会えた。

面接で知りたかった事
・ネイルアートの力量
・年齢や経験年数 
・希望の給料


面接なんて受けたことはあっても、面接をする側になったのは初めて。

今思えば、面接に来てくれた彼女達にはどうみえていたのだろうか...。

ネイリストに当時を振り返って聞いたのは、「優子さんは日本でフォトグラファーだと言っていました。でもベトナムでネイルサロンをするために来たって。それを聞いて全然理解できなかった。だって、ネイルの事を全然知らなかったし、まだ店もない。すごく変な人だと思った。」そう言われちゃった。


確かに!間違いなく変だ。

でも、最初の出張で面接をしたことで、ベトナム人のネイルアートの細かさや技術の高さを知ることができた。それは、この後ネイルアートを開発するにあたり、とても参考になった。

だから、私はこう言える。
「大丈夫。思いつくところから始めたらいいの。何も始めないより100倍良い。」


面接して採用した初期のスタッフ紹介は、【ベトナム人ネイリストと日本語通訳者のレベルやスキルでも紹介しているよ。

また、お給料についてはベトナム人の気質を知るきっかけになった。
「ベトナム人は、自分のほしい給料を言わない」
市場やタクシーで、めちゃくちゃボッタクリの金額を提示したりするくせに。なぜだろう。
「あなたはお給料をいくらほしいですか?」と何度も聞いたことがある。
でも、ベトナム人のほぼ80%は「いくらでもいい」と言うのだ。

お給料の情報はたくさん調べた。でもどこにも載ってないの!
だから教えてほしいのに。これじゃあ、金額設定のしようがないじゃん...。

しびれを切らした私は、「じゃあ、今いくらのお給料をもらっていますか?」と聞いてみた。
そうしたら、だいたい8,000,000-12,000,000vndとのこと。
(日本円にしたら40,000-60,000円くらいかな。)
なるほど、なるほど。そう質問したら良かったのか。

そしてベトナムは日本の物価の1/4程度とは理解していたけど大体当てはまっているんだなー。と再認識した。

■今回の出張にかかった費用

初回のベトナム市場調査出張期間は1週間。
KIX(関西国際空港)ーSGN(ホーチミンタンソンニャット空港)まではベトナム航空の直行便で行った。
ホテルは、ホーチミン1区から約7Km離れたThai Binh区という超ローカルな場所の二つ星ホテルに滞在しホテル代を節約。
(Ngocさんの会社に一番近いホテルだったのも選んだ理由)

滞在に使った交通費や食費、試しに買ってみた材料などをまとめると...

1回のベトナム出張にかかった費用(一週間)
ベトナムエアライン(KIX-SGN) 57,000円
ホテル 10,500円 
交通費1週間 5,000円
食費(朝昼晩)15,000円
その他経費 10,000円
合計:97,500円


あくまで、ざっくりとした計算。
もちろん、これを下回ることもあるし、上回ることもある。
(特に飛行機は3万ー8万円程度と季節によって変わることも)

にしても...。節約しても1回の出張に約10万円かぁ。

仮に、毎月1回出張したとして...。年間120万円!!!!
なかなかの出費だよ。っていうか、新しい事業に使える資金を持ってない!

今回の出張で、ひとまず一番に必要なのは資金だとはっきり分かった私。
自分の手持ちのお金ではどうにもならない。と帰国後は資金調達について
調べていった。


【融資を受けて決意固まる】に詳しくまとめてるよ。参考にしてね!


オープンまで約10ヶ月。
これから、たくさんの壁に顔面から突っ込んでいくよー。








読んでくださってとっても嬉しいです! いただいたサポートは色々な発信ができるよう勉強に使わせていただきます。