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16エレクトーンの思い出 芥川眞澄門下のプレーヤーたちとの出会いと思い出

エレクトーンのT先生は、若い頃、芥川眞澄さんの生徒だった、と幾度となく私に言っていた。何歳ごろにどのくらいの期間師事していたのかは、知らない。芥川眞澄さんは、主にエレクトーン黎明期に大活躍された方のようだ。

T先生が独立して自分の教室を立ち上げて間も無くのこと。エレクトーン界では有名なプレイヤーである鷹野雅史さんを教室に招いての演奏会があった。おそらく、T先生と同門だったのだろう。昔からの知り合いのようだった。

これも、ミニコンサートやソルフェージュの無料レッスンと同様に、T先生が自分の教室でやりたかったことの一つだったのだと思う。

事前に、とてもすごい人だ、ということだけ聞かされていた。そして、どういう成り行きだったか全く覚えていないが、私も1曲弾くことになっていたのだ。

何の曲を弾いたのかも覚えていないが、当時小学4年生くらいだった私は、親や先生以外の人から「よく弾けるね」と言われて嬉しかったのだけは覚えている。

その他、平部やよいさんも招かれた。これもまたどういう成り行きか覚えていないが、平部さんにはT先生の教室でレッスンを受けることになった。

数ヶ月の間だったが、先生が代わって新鮮な気分がしたのをよく覚えている。

当時は子供だったので、鷹野さんや平部さんがすごい方というのがピンと来なかった。しかしその後、さまざまなエレクトーン用楽譜でお名前を見るたびに、あのときお会いしたことあるな、とか、レッスン受けてたな、と思い返すことがあった。お二方とも、今でも現役で、大学で教えていらっしゃるようだ。

このような機会を与えてくれたT先生には、感謝しかない。

鷹野さんには、およそ25年後に偶然お見かけすることになった。私がまだ日本に住んでいて、乳児の育児に追われていた頃だ。

夫に子供を預けて、銀座に出かけた時のこと。ふらりとヤマハ銀座店に入ってみると、ステージア(エレクトーンの最新機種)のデモ演奏で鷹野さんが弾いてトークしていらっしゃった。

当時私は、乳児を抱えて音楽からすっかり遠ざかっていた。エレクトーンの機能が進化していることに驚き、鷹野さんの演奏を聞いて、なんか弾くのって楽しそうだな、また弾いてみたいな、と思った。

この日は予約制でステージアの試奏ができるとのことだったので、思い切って申し込んでみた。販売員さんのミニレッスン方式で15分ほど弾かせていただいた。久しぶりに楽譜を見ながら弾いたので、脳みそがハジけたのをよく覚えている。



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