金と銀の斧

ある男が泉の中に鉄の斧を落とし、困っているとその泉から女神が現れある問いをした。

あなたが落としたのはこの金の斧ですがそれとも銀の斧ですか

男は正直にいいえそのどちらでもありません。私が落としたのは鉄の斧です。
すると女神は正直に答えた男に金と銀の斧を男に差し上げた。

この話は瞬く間に広がり、いろんな人がこの泉に物を投げては金と銀の物を頂いた。そしてこの泉は崇拝されるようになり、感謝の意味を込めて貢ぎ物が置かれるようになった。
そんなある時、一人の男があることに気がついた。そしてその男は泉に鉄の斧を落とした。泉からは女神が現れ、正直に答えると金と銀の斧をくれた。
斧を受け取ると男の考えは確信に変わった。

金と銀で作られている斧にしては軽すぎる。
金は鉄の2.5倍近く重くなるわけだから、とても簡単に持って帰ることは出来ないのだ。
この事に気づいた男は深夜泉を見張る事にした。
すると女神が泉から出てきて山の中に入っていく。
ついていくとそこはガラクタが集まる山だった。
そして女神をそれを集めると持ち帰り、壊れているところを直し、金と銀のスプレーをその上からかけ始めた。
これが真実だと突き止めた男は、次の日泉にいき女神に聞いた。

「女神、この金と銀は偽物じゃないか」

「そんなことはありません。それは正真正銘本物です」

女神はシラを切ったので男は金と銀を泉につけ、タオルで拭きまくった。すると金と銀の塗料が剥がれ鉄が現れた。

「これはどういうことなんだ」
女神は黙ってこっちを見ていると

「やかましいじゃぼけ!」

こわぁめちゃくちゃキレまくっている

「お前らが泉にポンポン好き放題投げるから痛い目見せたろうと思ったんじゃ。夢いっぱい見させたやったろ。ほいじゃまた」

言うだけ言うと女神は水の底にあったいろんな人が投げたであろう道具や食料を全て持ち去りどこかに飛んでいった。

その泉は次の日から枯れ果て二度と蘇ることはなかった。

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