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「いつもの場所」4年 有留 奎斗

夢を叶えるために出てきた東京というでっかい街で


多くの勘違いから、多くの経験をし、多くのことを学び。


多くの出会いから、多くの考えや価値観を知り、多くの刺激をもらった。


濃い4年間だった。濃すぎる4年間だった。


思い描いた4年間とは別物でしかなかった。


しかし、何物にも代え難いこの4年間は間違いなく自分を大きく成長させてくれた。





ご挨拶遅れました。

こんにちは。

みなさん今日もお疲れ様です。華金ですね!

三重県立四日市中央工業出身。

文理学部体育学科4年、シティーボーイの有留奎斗です。

バンデリアン稲城という僕らサッカー部の学生寮(俺のお城)の寮長を務めました。

常に明るいというかうるさいというか、すぐふざけちゃいます。
人と話すことが好きで、常に元気です。

一番お世話してもらったのは
元同部屋の菊池快(2年/鹿島アントラーズユース)です。感謝してるよ。

そんな僕にも最後のnoteを書く時がやってきました。

時の流れは早いもので
新宿駅の改札から地上に出るのに何十分もかかったあの頃から
もう4年も経つと思うと本当びっくりです。

火曜から日曜まで毎日本気でボールを蹴って、日夜と月曜のトレーニング班のミーティングまでは本気でオフを過ごす。
そんな日々がもう残り1ヶ月だと思うと少し寂しいですね。

最後のnoteを書くにあたって
綺麗事なんて一切書くつもりないし、アリの4年間をたくさんの人への感謝の気持ちを添えて書きたいと思います!

長く拙い文章になるかと思いますが、
ぜひ最後までお付き合い下さい。

ではどうぞ〜















東京オリンピック決勝、日本対ブラジル、有留奎斗スタメン出場と書いた無料チケットを前日に家で作り、退場の時に先生たち全員に配った小学校の卒業式。


あの頃から約10年経ち


いつしか学生スポーツ最後の年の集大成を迎えている。


サッカー選手として、一人間として
たくさんの経験をさせてもらった
濃すぎた4年間をここに。



これは僕が
1.2年生の頃にすごくお世話になった、現在ヴァンフォーレ甲府でプレーしている山内康太選手が卒業の時にくれたメッセージです。


入学当初からAチームで活動させてもらえたことから、彼から見習うべきものは多く、一緒にいればいるほど、自分がまだまだだと気づかせてくれる最高の先輩でした。


彼の最後の試合も、彼が試合に出て自分はベンチ。
彼の次に日大のゴールマウスを守るのは自分だ、そう強く決心しました。


そして彼が進んだプロの世界で
彼と勝負するんだという目標もでき、

「1番になりたいなら1番練習しろ」

メッセージにもあったこの言葉を言い聞かせて今も取り組むことができています。
本当に感謝です。






3年になり
開幕戦でようやく関東リーグデビューができました。
結果は0-0。プレーも上出来。
さあこれからという時に、、





2節目。スタメン落ち。





前日のセットプレー練習で
コーナーキックのクロスボールに2回出れずにすぐさま1年生のキム(木村凌也/世代別日本代表/横浜F・マリノスユース)と交代を告げられました。


ようやく掴んだものを失うのは本当一瞬で、
悔しさもあったけど、本当あっけなくて自分が情けない感覚でした。


そして2節目、チームは2-1で勝利し、
そこからキムが試合に出続け、自分はベンチ。


キムが日本代表活動でチームを離れる時のみ、
自分が試合に出るようになり、
気づけばサブキーパーという文字が似合うような立場になってました。


人生で初めて後輩からポジションを奪われ
受け入れ難い現実から逃げ出したくなることももちろんあって。
来年のこととか考えるだけで怖かった。


でも、どんな立場でも
枯れるまで声を出し続けて
行動で示し続けてくれた先輩や自慢の同期たち。
1年生で試合に出ているのにどんな試合も堂々と立ち振る舞うキム。


そんな姿を見ていたら
負けてしまえとか、出てないからどうでもいいとかそんな感情は1ミリたりとも芽生えるわけなく、
「チームの勝利のために」というマインドが、図太くなっていく一方でした。


そして18年ぶりに
関東1部リーグに昇格を決めました。
出ていなくても素直に嬉しかった。

試合が終わってキムと肩を組んで

「よくやった、来年も一緒に頑張るぞ」

そう話したことを鮮明に覚えている。

最高だったな。



4年目を迎えて

色んな責任や立場、将来の不安が一気に覆い被さりました。


そして
謎に湧いてくる自信とは逆に、
気付かないようにしていた、いらない感情が付き纏っていることに苦しみました。


常に劣等感と隣り合わせで
自分の長所、武器がわからない。
常に人と比較し、
外からの評価ばかりが気になって、
プレーする度に反射的にスタッフの方を見るようになっている。


練習中、試合中、その前後もこの感情になるのが嫌で仕方なかった。
けど、全然消えない。


どこに行ってもサッカーの話になれば
聞きたくない話も言葉も聞こえる。

「試合に出てないとプロはキツイっしょ」

「代表いんのはきついべ」

ミスをすれば

「木村じゃねえんだよ」

「木村だったら」

こんな言葉何十回何百回って
言われたし聞いたし、聞こえてきた。


現実も言葉にもそりゃ喰らう時なんて山ほどあったし刺さった。
この大学じゃなかったら、そう思ってしまうことだってあった。


けど、俺には屈せない理由がたくさんあったしそんなので屈すような弱い男じゃない。


大好きな同期はどんな境遇でも頑張ってる。
特にちーくん(4年/ベガルタ仙台ユース)には本当に支えてもらった。
応援してくれる家族だって、仲間だって、俺に携わってくれた人たちがたくさんいる。


そんな事を考えてたら屈すはずもなかった。


ラストシーズン、ラストチャンス。


可能性はあると信じてやり続けた。



あのスタメンを外された日から

午後の自主練をする度にクロスをやった。

もう2度とあんな思いをしたくなかったから。



誰よりも午後グラウンドに出てトレーニングをした。

一番になりたいなら一番練習するしかないから。










けど、

立場は変わらなかった。

変わらなかったけど
キムが代表活動でチームを離れた3試合に出ることはできた。

キムのおかげで3試合出れた。

5月に2試合。1勝1分。悪くなかった。

まだ関東リーグで負けたことがない自分は、
やっぱ自分が出たら負けないんだ。
そう思ってた。

しかし10月14日。

チームとしても自分としても
ターニングポイントだった明治戦。

チームが優勝争いに食い込める大チャンス、
久々のスタメンで準備もできてたし、気合いも入ってた。

結果3-5。
5失点。関東リーグに出て初めて負けた。
優勝争いから遠のいた。


そこからチームは4試合勝ちなし。
優勝争いどころか、インカレ出場権を勝ち取る争いになった。
 
明治戦からの1ヶ月、
久々に出た俺のせいで、
チームが崩れてる、なかなか勝ち点を積めない。
心が痛かった。
インカレ行けなかったらどうしよう。
怖い1ヶ月だった。







迎えた11月11日、流通経済大学戦。

チームはインカレ出場を決めた。

みんなが決めてくれた。

歴史を変えた。

TOPチームの4年生は9人。
俺以外の8人がピッチに立って歴史を変えた。

歴史を変えるホイッスル

試合に出ているみんなの勇姿

サブ組も観客もすごく喜んでいる姿

応援組が声を枯らすくらい歌って叫んでいる姿

スタッフのガッツポーズしている姿

そんな姿を俺は
大嫌いな"いつもの場所"で見ていた。

もちろん悔しさはあった。
俺以外の8人が出て、歴史を変えているから。
けど安心が強かった。
本当にチームに迷惑をかけていたから。
喜ぶよりも涙を我慢することに必死だった。

バスに戻り、気持ちが落ち着いてきた時、
ようやく嬉しいが込み上げた。
最高に嬉しかった。

みんなが掴んでくれたインカレ出場権。
学生最後の日本一を目指せる大会。

引退まで俺の出番があるかはわからない。

けど俺は
常に自分を奮い立たせてくれた最高の同期と最高のキャプテンと最高のチームメイトと最高の景色を見たい。

チームのためなら立場なんて関係ない。

そう思えるくらいサッカーに真剣に取り組んできたし、どんなことも乗り越えてやってきた。

だからその思いは誰よりも強いし、それくらいこのチームもチームメイトも大好きだ。

そして、いつでも試合に出てチャンスを掴む気持ちで、いつ練習参加のチャンスが来ても待ってましたと言えるように最後まで取り組み続ける。

もがいて、もがきまくってでも掴み取りたい、その一心です。

みんなで日本一を掴もう!



長くなりましたが、
もう少しお付き合いください。


この場を借りて
たくさんの人に感謝の言葉を述べさせてください。


まずはスタッフの皆さんと学連の皆さんへ。

4年間で1番貢献したのは、北海道遠征中の、バーベキューでの一発ギャグ大会かもしれません。
期待通りの選手ではなかったと思います。
明治戦。負けて迷惑をかけました。
しかしこの大好きなチームの戦力になるために毎日必死でした。
スタッフから話しかけられるだけで嬉しいのは入学した時から今もずっとです。
少しでも何か良いものを残せるように、最後までチームのために頑張ります。
インカレ獲りましょう。
あと少し、よろしくお願い致します。


僕のサッカー人生に携わってくださった
小中高のチームメイト、指導者の方々。
日大ケアルームの並木さん、ギボさん、原野さん。
日大ラグビー部コーチの石川さん。
2年から通い出したパーソナルジムの関さん、大畑さん。
N.スクールのみんな。
僕のために時間を割いて、連絡をくれたり、トレーニングしてくれたり、ケアしてくれたり、元気をくれたり。
本当に感謝しています。
早く良い報告ができるように頑張ります。


女子サッカー部の皆さんへ。

僕らの自主練のためにほんとギリギリまでグランドを使わせてくれてありがとうございました。
おかげで授業があっても、午後に少しでも長くボールを蹴ることができました。
共にシーズンラスト、結果出しましょう。
皇后杯、全カレ応援してます。


体育学科で仲良くしてくれたみんなへ。

大学までサッカーを続けて
サッカーで上京してきたことに自分は周りとは違うって意味わからない勘違いでかっこつけてた俺と仲良くしてくれて、本当にありがとう。
他部活の応援も行けたし、大学生にもなって学校がみんなのおかげで大好きでした。
「有留の試合観に行きたい」って色んな人が言ってくれて、本当に呼びたかったんだけど、試合出てないから見に来てもらえる試合が数少なくて。ごめんよ。
俺が出た時とかベンチの時でも観にきてくれた人もいて本当に嬉しかった。ありがとう。
みんな最後まで学生生活楽しもうね。


大好きな地元のみんなへ

俺はタバコなんか吸わないしいつまで経っても昔のままのガキ大将かもしれない。
そんな俺をいつも応援してくれてありがとう。
ご飯行こう、呑みにも行こう。
正直、皆にいち早く良い報告をしたい。
良い報告ができるように、みんなに自慢してもらえるような人になれるように、まだまだもがくから待っててほしい。
いつもありがとう。


そして

まず高校から同じ道を歩んでいる後輩へ

俺のこと舐めてるはるき(3年)
今のお前に今回は先輩として一つだけ。
チームのことを考えるようになれば、自ずと自分のためにもなるから。自分と同じくらいチームのことも考えていけるように!
お前が毎日頑張ってるのも知ってるから最後まで諦めんな。もがけ。
応援してるよ。頑張れ!

平尾(1年)
俺がいなくなって喜ぶんじゃない?ってくらい厳しく接したな。
お前のその泥臭さ、絶対捨てんなよ。
あとキシンに負けるなよ。あいつはすげーぞ。
期待してるし、応援してる。頑張れ!


GKの後輩2人へ


キム
2年間、本当にありがとう。
キムにとって俺が良い先輩だったかわからないし支えられてたかもわからない。
けど俺はキムと過ごした2年間は最高に楽しかったし充実してた。
キムのおかげで上手くなれたし強くなれたと思う。
あと少しやけど、まだまだ一緒に頑張ろうな。
まだ諦めてねえからな。
日本一になってまた肩組んで最高に喜ぼうぜ。


ホクト(3年/青森山田高校)
お前いなかったら俺どーなってたんやろな。笑
どんな時もやり続けるホクトの姿に感化されて俺も頑張れた時いっぱいあったよ。
毎日の自主練だってそう。
本当にありがとう。あと少しよろしくな。
まずは明日。N.を関東昇格させてね!
来年からはホクトがGK陣引っ張るんだよ。
頑張れ!


大好きな同期へ。

好きすぎて語ると長くなっちゃいそうなので、学年会もあると思うし、少しにしておきます。
俺みたいな田舎から出てきたイキッた奴と仲良くしてくれてありがとう。
みんなの存在が俺の支えでした。
みんなとの思い出が俺の青春でした。
やらかした1.2年生の時も、言いたいこと言い合った修羅場のような学年ミーティングも。
今思えば最高の思い出です。
最後みんなで喜んで終われるように、
社会人も昇格してインカレも日本一獲ろうぜ。

ナツ、マル、ハヤト、ハシ、レンペイ、ユーゴ、セイヤ、バキ、ちーくん、龍、ヒカル、タケ、ジャグ、キク、二上、ヨシ、ハセ、リョウタ、福、マン、オカモ、タカヤ。
+リン、カンタ、鐘ヶ江、相原。
出会ってくれてありがとう。


最後に愛してやまない家族へ。

俺のサッカーでどれだけ迷惑をかけて、どれだけ時間を割いて、どれだけ莫大なお金をかけてもらったか。感謝しきれません。
どんな時もポジティブな声を掛けてくれて、どんな時も応援してくれて、時には俺の立場を笑いものにしてくれて。
毎回元気もらってたよ。ありがとう。
これから、返しきれないくらいの恩を返せるだけ返していきます。
良い報告できるようにまだまだもがくから、
もう少し待っててください。
いつもありがとう。これからもよろしくね。




これが僕の
4年間の全てとたくさんの人への感謝です。






自分の思い描いた4年間とは全く別物でした。

でも

逆境に打ち勝とうとしてやり続けた自分。

やり続けたからこそ見えて感じたもの。

試合に出てないからこそできた経験。

チームのためにと心の底から思えていること。

全部ここでしかできない貴重な経験でした。

まだまだチームのためにも、自分のためにも、もがき続けます。




明日。


リーグ最終節。
勝ってインカレに向かえるように。

N.が関東昇格戦に勝って
昇格を決められるように。

そしてこれから

Iリーグが全国大会で優勝できるように。

新人戦も全国大会に出て優勝できるように。

どのカテゴリーも日本一、昇格の可能性がある激アツすぎる日本大学サッカー部への応援を
心からお願いさせていただくと共に
私の最後のnoteを締めさせていただきます。

長くなりましたが、最後までお付き合い頂き、誠にありがとうございました。


ps.
最後くらいは寮長らしくありたいので、後輩に一言二言メッセージを書いてみんなの部屋の宅配ボックスに入れました。
よければ宅配ボックス見てみてね。

有留奎斗(ありとめ けいと)

〈経歴〉
阿児JFC→ソシエタ伊勢SC→四日市中央工業高校

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