「軌跡を糧に」 4年 青木 駿人
「このチームで日本一を獲りたい」
4年前、日本大学サッカー部に入部した時には、こんな想いを持って大学最後の冬を迎えるとは思ってもみなかった。
皆さん、こんにちは。
今シーズン副主将を務めさせて頂きました。
2024シーズンより徳島ヴォルティスに加入します。
日大藤沢高校出身、4年 青木駿人です。
インカレ前最後のチーム練習を終え、一発勝負のトーナメント初戦を前にして、いつ大学サッカーが終わってもおかしくないタイミングで、この4年間が走馬灯のように思い出された。
これまでの大学サッカー4年間を経て想ったことを素直に綴ります。
2020年2月9日
日本大学サッカー部に入部した。
初めての親元を離れての生活に、少し不安を抱えながらも、高校卒業時に叶えることが出来なかったプロサッカー選手に、この4年間で必ずなると強い覚悟を持って大学サッカーの門を叩いた。
入部した頃の日大は関東2部リーグ残留が現実のライン。
大学卒業後にプロの舞台へいくという夢を持っていた自分は、関東1部リーグで優勝争いをするような環境を正直望んでいた。
日大サッカー部をそのような戦いの出来る環境にまで強くするしか、プロのスカウトの目に留まるチャンスはないと思っていた。
だが、1年目、2年目はシーズンを通して残留争い。最終節でようやく残留が決まるという結果。
1部昇格なんて程遠い目標だった。
個人的にも試合には使ってもらっていたものの、関東リーグのレベルについて行くのが精一杯。たいした活躍はできず、これといってチームに貢献できたことはなかった。
しかし、3年目はキャプテン梶(2023卒)を中心に、4年の1部に昇格させるというアツい想いにチーム全体が乗っかり見事18年振りの1部昇格を果たした。
私自身も、リーグ戦全試合にフル出場し、僅かながらもチームへの貢献感と達成感を味わうことが出来た。
昇格を決めた最終節では、1部昇格の嬉しさや、4年への感謝の想い、色々な感情が込み上げ、高校サッカー選手権で負けた時以来の涙を流した。
これでやっと関東1部で戦うことが出来る。
シーズン終了後にはいくつかのプロチームのキャンプに呼ばれた。
関東リーグで年間を通し試合に出続け得た達成感からも、多少の自信はあった。
2023年4月10日
徳島ヴォルティスへの加入が発表された。
サッカーを始め、物心ついた時からの夢であったプロサッカー選手になることを叶えることができた。
加入を決めた勢いのまま、日大でも関東1部リーグを戦い抜くために今まで以上に向上心を持って取り組もう。
心ではこう思っていたが、上辺だけだった。
この時チームで試合に出ることは当たり前になっており、たとえ怪我で練習に出れていなくても、試合には使ってもらえる。
そんな環境に甘えていた。
練習中のポゼッションでは切り替えをサボる。
少し痛むところがあれば、怪我をしないようにと自分に言い訳をして手を抜く。
プロが決まったことで勘違いをしている自分がいた。
プロが決まったからこそチームで1番やらなければならない。
先頭に立ってプレーで、言葉で示さなければならない。
チームを代表する存在でなければならないはずが、チームの足を引っ張っていた。
シーズン途中、徳島ヴォルティスに帯同する期間があった。
キャンプ時は練習生としてだったが、今回はもう違う。
特別指定をもらっていたのでJリーグに出場する権利もあった。
良いパフォーマンスを見せて試合に使ってもらおう。
そう意気込んで行ったが、その想いが打ち砕かれるようにまるで自分のプレーは出せなかった。
ウォーミングアップのボール回しでさえミスの連続。
ポゼッションになれば迷子になり、頭も身体もついていけない。
過密日程やチームの怪我人の関係で、運良くデビューできた試合でも、自分のことで精一杯で気づけば無難なプレーばかりしていた。
実力不足を痛感した。
勘違いをしていた自分には、十分過ぎるほど大きな刺激だった。
部内を見てみれば、
自分のことは二の次で、色んな感情を押し殺して常にチームのために先頭に立ち続ける主将。
オフの日を、自分の時間を捨ててまでもチームが上手く回るために働きまくる総務。
1人しか出れない難しいポジションながらも、腐らずいつもチームを想い、盛り上げてくれるキーパー。
出場機会に恵まれない苦しい時でも、常に高い熱量で80人の練習を仕切ってくれるトレ班長。
いつもはふざけて人を小馬鹿にしてるが、心の中には誰よりもアツいものを持ってる同期。
10番としての重圧や進路のことなど、様々なプレッシャーがありながらも戦い続けていたツンデレ。
いつも笑いの中心にいて、どのカテゴリーであろうとサッカーへの熱を絶やさず、サッカーを楽しみまくる同期。
お前がいなかったらBチームの今年の結果は生まれてないだろう。関東優勝に導いた社会人チームCP。
こんなにも頑張ってる同期が周りにいるのに、
試合に出れていなくても、苦しい顔を見せずチームのために戦っている同期がいるのに、
試合に出ている自分が、プレーで言葉で、示さなくて良い訳がなかった。
練習に身が入らない時、
自分のパフォーマンスが上がらずに、上手くいかず嫌になる時、
徳島で受けた刺激が、スタジアムで見た憧れの光景が、
みんなのチームに対する姿勢が、アツい想いが自分の大きな原動力となっていた。
なかなか勝ち点が積み上げられず、上手くいかない苦しい期間や、一生筋肉痛が取れないんじゃないかと思ったくらい、走って鍛えまくった北海道合宿を乗り越え、チームは見事20年振りのインカレ出場を決めた。
インカレ出場を決めたvs流経大戦。
試合終了のホイッスルが鳴ったとき、勝った興奮や嬉しさやよりも安堵感が大きかった。
まだこのチームで、この同期達とサッカーが出来る。
大学入学前は望んでいた環境ではなかったかもしれない。
しかし、入部当初からは考えられないほど今の日大サッカー部は、このチームは強い。
間違いなく、日本一を本気で目指せるチームになった。
これは今の選手達の力だけではない。
これまでに日大サッカー部の歴史を繋いできてくれた先輩達。
普段は厳しいことを言われることが多いが、選手達以上に勝利に貪欲なスタッフ陣。
その他にも沢山の方の支えがあって、日大サッカー部はここまで成長することが出来た。
最後、集大成を魅せよう。
俺たちなら出来る。
最後に、
幼稚園から始めたサッカーを、これまで何不自由なくやらせてもらいました。沢山の迷惑をかけてきたけど、いつどんな状況でも変わらずに応援し続けてくれた家族には感謝してもしきれません。
本当にありがとう。
幼少期は家の前の公園で怒鳴られ、大泣きしながらやっていた練習も、今となってはやってて良かったと思ってます。
身体の栄養面をいつも気にして、手作り料理やフルーツを寮まで届けてくれてたこと、とても助かってました。
仕事の空き時間や休みの日に、一緒に個室サウナに行くことが好きな時間になってました。
これからはプロサッカー選手としての道を歩みます。
これまでのサッカー人生とは比べ物にならないくらい困難で、険しい道が待ってると思う。
思い通りにいかず、逃げ出したくなる時もあると思う。
それでも常に自分らしさを忘れず、
あなた達の自慢の息子、弟であれるように、
周りに誇れる息子、弟であれるように、
力強く進んでいきます。
同期達
出会ってくれてありがとう。
入寮初日に名前も分からないままやったミニゲームが、昨日のことかのように感じる程あっという間の4年間だった。
1.2年では仕事で沢山やらかし、多くの罰を受けてきたことが今では良き思い出です。
練習後グランドに座り込んでだべってる時間が、
食堂でご飯を食べながらたわいもない話しをしてる時間が、
寮までチンたら歩きながらくだらないことをしてる時間が、
みんなと過ごす時間全てが大好きでした。
それぞれ違う価値観を持っていて、個性が強すぎるがゆえにまとまりにかけることも多々あったけど、この学年で良かったと心の底から思ってます。
本当にありがとう。
来期からプロサッカー選手の道を進みます。
この大学4年間で培った経験を糧に、1年目から即戦力としてチームを勝利に導けるように精進していきます。
徳島ヴォルティスに関わる全ての皆様、来期からよろしくお願い致します。
全日本大学サッカー選手権大会
12月7日
日本大学vs高松大学
14:00kickoff
@AGFフィールド
明日から大学サッカー最後の大会、インカレが始まります。
今年の日本大学サッカー部の集大成を魅せます。
多くの熱いご声援よろしくお願いします。
さぁ行こう。
頂の景色へ。
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