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清元 旅奴

旅奴と書いて「たびやっこ」と読みます。何やら面白そうな響き✨


あらすじ


旅奴は、正式には「八段目旅奴」というように仮名手本忠臣蔵の十一段返しの変化舞踊です。旅を行く一人の奴(やっこ)の気ままな道中が面白く描かれており一杯機嫌の奴が状箱を刀に結んで肩に担ぎか走り出て明るく洒落な、そしてリズミカルな踊り、また水たまりに映った自分の影法師に驚くユーモラスな振りは他の奴ものとはまた違った趣があります。



旅奴とは

そもそも、旅奴とは武家などのお供で荷物持ちをして従った旅姿の奴のこと。
あらすじでも記載したように、元々変化舞踊のひとつなので加古川本蔵の娘、小浪と母の小無瀨のお供をする場面があったようですが、この「旅奴」では母娘はカットされ、お供をした奴一人の踊りに仕立てられているというわけです📦



歌詞 

読みやすいので原文で載せておきます。とっても面白い🤣

〽︎降るは霙(みぞれ)か初しぐれ けさの出がけに棒鼻で てあたりまかせ酒機嫌 五十三次またここで なんで沼津に行かりようものか そりやこそ腹も吉原と 口合い交じりに来りける

〽︎どつこいとまつた 水たまり ナナなんだ 歩けば歩く とまればとまる なぜおれが真似をしやアがる 向こうはたしか 左利き 歩けば歩く とまればとまる こりやどうじや ハハアわかつた 影法師
〽︎旅は道づれ世はふざけ とんだ月夜と小室ぶし

〽︎上り下りのおつづら馬よ さても見事な手綱染かいナアエ 馬子衆の癖か高声で 鈴をたよりに小室節 吉田通れば二階から しかも鹿の子の振袖で 振って振りくるお国入り
〽︎殿の帰りを窓から見たれば 台傘 立て傘 曳馬お徒歩(かち)に若徒草履とり槍持ちコノ合羽籠 アレワサノサ コレワサノエイ エイエイエイエイ

〽︎浮きたつ空も入相の 蒲原(かんばら)さしてぞ急ぎゆく


短い曲なのが勿体無いくらい、もっと観ていたくなりそうですね!
今回は素踊りでの上演ということです😄



立方(たちかた)

藤間勘寿花(ふじま かんじゅか)

短い演目ではありますが、姿、形だけではなく、雰囲気までもが難しく私にとっては挑戦となる舞台です。師と仰ぐ藤間勘嗣康先生が踊られたこともある演目を精一杯つとめさせていただきます。
少しでも、ほろ酔い気分の奴が影法師と戯れている様子を感じていただければ幸いです。

藤間勘寿花