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居心地の良さとは?-心理的安全性がコミュニティに与える影響-

これまでの人生を振り返ると、多かれ少なかれ複数のコミュニティに属して来たのではないでしょうか。

家族、友達、学校のクラス、習い事、サークル、会社、住んでいる地域、教会などはすべてコミュニティ(社会)と言えるでしょう。

それぞれを思い返すと、「このコミュニティは居心地がいいな」と思った経験はきっと誰もがお持ちかと思います。

今日は、その居心地の良さの正体を一緒に探っていきましょう。

そもそもコミュニティとは?

本題に入る前に、いくつかの観点でコミュニティとはどんなものか概観してみましょう。

マッキーヴァ―とヒラリーによるコミュニティの定義


アメリカの社会学者R.M.マッキーバーは、1917 年の著書、Community の中で、コミュニティを「一定の地域において営まれる共同生活(common life)」と規定している。そして、一定の地域に共生することによって、社会的類似性や共通の社会的思考や慣習、帰属感情などの社会的特徴が示される、という。つまり、こうした社会的特徴をもった一定の地域がコミュニティということになる。これはアソシエーションと対をなす概念でもある。特定の目的や利害関心によって組織されたものではなく、そうしたアソシエーションを包含した一定の地域的広がりをもった包括的な地域社会である。

その後、マッキーバーはチャールズ・ペイジとの 1950 年の共著、Society において、コミュニティの要件として、地域性(locality)とコミュニティ感情(community sentiment)をあげている。そして、後者のコミュニティ感情は、①われわれ感情(共属感情)、②役割意識、③依存意識(コミュニティ内の他者に対する心理的依存の感情)という3つの要素から成り立っているとしている。

参考:板橋区・大東文化大学地域デザインフォーラム 分科会中間報告書

1955年にヒラリー, Jr. G. Aが社会学の既存研究におけるコミュニティの定義を取り上げて詳しく検討した際には、94のコミュニティ定義の中から16種類の異なった概念が抽出され、そのうち22通りの組み合わせが存在することを明らかにした。

ヒラリーはコミュニティ定義の最大公約数が①一定の地理的範域 ②社会的相互作用 ③共通の絆であることを明らかにしたが、全てに共通していたのは唯一「コミュニティは人々から成り立っている」ことだけであり、コミュニティ概念の厳密さの欠如を表すとともにコミュニティに定まった定義がないことを明らかにした [Hillery, 1955]。

参考:https://kayakura.me/community/

居心地の良さとは?

次に、居心地とは何か?考えていきましょう。

広辞苑(第六版 2008)では、「居場所」とは「いるところ。いどころ。」であり「居心地」とは「そこにいるときのこころもち。すみごこち。」と記されています。

居心地の良さを考えると、①物理的な環境や衛生面的な要因と、②心の状態やそこにいる人達の関係性といった要因の2つの観点で考えることができると思います。それぞれ深掘ってみましょう。

①物理的な居心地の良さとは何か?

空間や場として居心地が良いかを判断するのには、どんな要因が重要になってくるのでしょうか。すこし引用をはさみます。

居心地についての様々な研究をみると、街や建物の建築設計や生活環境といった、物理的空間の居心地についての研究が多い。森山・入山(2008)は居心地の良さを公園を例にあげて、人は自由に行動しながらも他者の存在を意識し、互いにかかわることがない関係に居心地の良さを感じると説明している。菅野・木村(2019)は居心地の良い空間を「任意活動を促す場」と定義した。そして居心地の良し悪しは「他者」と「空間の広さ」、「眺める対象」という 3 つの要素から自分がいる場所の雰囲気を掴んで判断しており、「視点場」であり、適度に「他者」が存在する場所が居心地の良い空間であると述べている。居心地は「良い」「悪い」と感じることはあっても、心理的居場所のように「ある」「ない」と感じることはない。そして心理的感覚だけでなく場や物理的な物の影響を受けて身体的に感じる感覚も含まれると考えられる。したがってここでは居心地と心理的居場所感を異なる概念としてとらえ、居心地を「存在する場における個人の情動を伴う身体的・心理的感覚」と定義する。

中京企業研究42 号2020 年 12 月(西川絹恵)より

こんな要素があったのか。。まだ結論を急ぐ必要はありません。

②心理的な居心地の良さとは?

人からの評価を恐れず、自由な発言が許され、承認される状態って居心地良いですよね。

「心理的安全性」という言葉と聞くことが大変多くなったと思いますが、その安全性が心理的な居心地の良さに直結していると思います。

心理的安全性には色々な定義があると思いますが、ココでは心理的安全性の提唱者でもある、ハーバード・ビジネス・スクールの エイミー C. エドモンドソン教授の定義を引用してみます。

心理的安全性を「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに 安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」と定義している。
-エドモンドソン(Edmondson, 1999 p.354)-

ん~!確かに!!

過去を振り返ると、心理的安全性が高いと居心地良かったのかなって思う節が沢山あります。

私の場合、小学校の教室は常に恐怖と隣り合わせでした。大げさですが笑

自分にとって家族以外の唯一のコミュニティであり、嫌われることが怖かったのだと思います。

人はどんなコミュニティを居心地が良いと感じるのか

ここまでご一緒して頂きありがとうございます。

どうやら、居心地の良さを決めるには①物理的要因と②心理的要因の2つが大きく影響している様ですね。

(他にも観点があれば是非教えてくださいね。)

では、具体的にどんな状態だとそのコミュニティの居心地の良さを感じるのでしょうか?

引用内容と私の経験的な考察も交え、書き出してみようかと思ったのですが、時間の都合でまた今度~!(飲みにいくだけ)

ココまで読んでくださったあなたは、どんなコミュニティを居心地がいいと感じますか?

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今から、ろばた焼きの店行ってきます。山北みかんを作ってる名物社長が都内に来てると連絡を頂き、いざ出陣!!

半年前に高知に遊びにいった際にインタビュー動画作らせて頂きました。めちゃ素敵なおじさんなので、よかったら覗いて見て下さい!
https://youtu.be/00EJCXIb-rg


富士通の創立記念日の午後、新橋にて。

それでは。また。



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