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誕生日にはひとり時間が欲しいのです  その2


京都ステイ2日目。

宿泊先をホテルモントレ京都にしたときから、2日目の朝ごはんはイノダ珈琲店の「京の朝ごはん」と決めていた。
このメニューは午前11時までの提供なので、食べる機会がなかったのだ。

イノダ珈琲本店の開店時間を調べると、午前7時とある。問題ない。好都合だ。40才も半ばを過ぎたころから、わたしは朝起きるのが早くなった。24時間寝続けることが特技だったわたしはもういない。寝るのにも体力がいる、そのことを実感する日は思ったよりも早くきた。

身支度も早々にホテルを出る。人気がない朝の烏丸御池は気持ちが良かった。気分が良いついでに、道すがらにある西国三十三所第18番札所で有名な六角堂へ寄ってみた。六角堂の前は良く通るのだけれども、参詣するのは初めてだ。

烏丸六角を東へすぐのところにある六角堂。夏の京都の街歩きに疲れた時の休憩スポットによいです。

六角堂を後にして、六角通りを東へと進む。堺町通りを北へ曲がり、お目当てのイノダ珈琲店はもうすぐ・・・
「ん!?」
なんと、行列ができているではありませんか。
休日の朝7時半すぎ、突如現れた行列(それも10人以上の)に、イノダ珈琲店が京都の観光名所となっていたことを知ったのであります。

諦めてホテルに戻り朝食を取ろうか、
三条通りのイノダ珈琲店へ行ってみようか、と迷っていると、夫婦であろうおっちゃんとおばちゃんが自転車に乗ってやってきた。
すると、行列を見たおっちゃんがのたまった。
「ひゃ~、すごい行列や」
「ほなもう今日は帰ろか。並んでまでここの珈琲飲みたないわ」

そのおっちゃんの発言を聞いたであろう観光客らしき女性ふたりが(標準語を話していたことによるわたしの推測です)
「あのひと、地元の人かな。大阪っぽいけど、地元の人だよね、きっと」
「地元の人ならいつでも来れるもんね」と言った。
わたしはつっこまずには(心のなかで)いられなかった。

ちゃうねん、あのおっちゃんはわざと並んでいる人に聞こえる声で言ったんやで。あれが時々遭遇する京都のひとのいやらしさやねん。
そんで、京都のひとがみんな上品なことはないねんで。ひとによるねん。
ついでに大阪のひとは品がないっていうのも「ケンミンショー」が植えつけた間違ったイメージやし、と。

そんなこんなで並ぶこと30分。
お馴染みの白い制服のウェイターさんが二階席へと案内してくれた。

京の朝ごはん。これにオレンジジュースがつきます。大満足。イノダはケーキも美味しいですよ。おすすめはレモンパイです。

やっぱりイノダはいいですね。ありそうで、なかなか無い大人の空間は落ち着くし、観光客の方が並んでも来たいのが分かるというもの。

元々わたしはひとりで過ごす時間が必要なたちだ。それは結婚しても子どもがいても、きっと死ぬまで変わらない性分なのだ。

年を重ね、いつしか誕生日を素直に喜べなくなっていた。だけど、誕生日にひとり時間をプレゼントしてもらえるのなら、誕生日がくるのは楽しみになる。
来年のひとり時間はどこに出掛けようか。今から楽しみだ。




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