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子どもたちに、豊かな国際交流の機会を!室戸国際ワークキャンプ現地レポ④

こんにちは!NICE関西事務局のしまです。

今回は太平洋が目前の高知県室戸で開催の、国際ワークキャンプの様子をお届けします!

ボランティアの滞在拠点である、『国立室戸青少年自然の家』にて高知県内の小学校(2校)の子ども達に向けた1泊2日の"Kids English camp"を、2週間のワークキャンプの中で2回運営します。
高知県内の小学校の生徒たちに、学校の授業とは違った形の国際交流・異文化理解の機会を提供しようという試みで、昨年からプロジェクトがスタートしました。

レポートは今回が完結編!キャンプの様子と合わせて、後半はキャンプ全体を振り返っていきます。

11月21日(木)~22日(金)は、今回の国際ワークキャンプの最後の山場であった2回目の”Kids English camp”でした。
第1回目の内容から改良を加え、いくつかゲーム内容も変更を行い当日に備えました。
今回の参加小学生は4年生15名。前回よりも人数が少ない分、メンバーはお互いの距離感が近いゲームを選択しました。
子どもたちが『自然の家』に到着し、ボランティアメンバーが待つ体育館へやってきたのは21日の15時過ぎ。
前回同様、明るく「ハロー!」と挨拶し、子ども達とハイタッチしようとするメンバー。
しかし、挨拶を返さなかったりハイタッチに引いてしまう子が続出。
前回のKids English campとはまた違ったスタートとなりました。

しかし、ここから見事に場の雰囲気を変えていけるのがメンバーの修正力の高さ◎
アイスブレイクは前回から内容を一新し、簡単な英語フレーズを繰り返してまずは声を出しながら緊張をほぐし、次は英語のダンス。
振付を練習してから、ダンス本番に移ると少しずつ体を動かしながら笑顔になる子ども達がちらほら。
その後のゲームパートは前回と同じものを行いましたが、ルール説明や運営の流れは前回と比べスムーズに。
体育館でのゲーム時間は1時間程度でしたが、初対面の時と比べるとかなり雰囲気は柔らかいものとなりました。

ゲーム後は子ども達と一緒に夕食、そしてキャンプファイヤー。
体育館でのゲームの時に、ダンスのパートで子ども達の雰囲気が柔らかくなったことから、歌とダンスを3曲じっくり時間をかけて行うことに。
炎のお陰?もあり徐々に子ども達のテンションもアップ!
自分からボランティアメンバーとハイタッチをしにいく子ども達の姿も。
約半日足らずの時間をかけて、子ども達との関係性づくりに注力したメンバー達。

翌日の朝は子ども達との朝食タイム。
ここでちょっと驚いたことが。前日の体育館で行ったアイスブレイクのゲームが子ども達の間ではやり、キャンプファイヤーが終わって自分たちの宿舎に戻ってからもみんなで遊んでいたとのこと。
そこからこのゲームの掛け声を誰かが始めると他のみんなも加わるという、合言葉の様なものになっていきました。

2日目は前回同様、「ミッションゲーム」「流木クラフト」にトライ。
メンバーが要領を掴んでいる分、進行はスムーズに進み初日につくった子ども達との関係性をより高めていく時間となりました。

最後は特別に、子ども達と一緒にバスに乗り学校まで付き添い。
バスの車内でもゲームや歌で盛り上がり、最後の別れを惜しみました。

そして、子ども達との別れが終わると2週間にわたって開催してきた国際ワークキャンプも打ち上げの時。
最後の夜はメンバー同士で日付が変わるまで、今回のワークキャンプを振り返り、翌日メンバーはそれぞれの次の旅先へと向かいました。

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…以上、高知県室戸市にて開催してきた国際ワ―キャンプの様子をお伝えしてきましたが、最後に今回のワークキャンプを振り返ってみてのあれこれを書いていきます。

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《メンバーのその場での修正力+溢れるアイデアと協調性》
今回のワークキャンプが大きなトラブルなく、またそれぞれのEnglish Kids campに参加してくれた子どもたち、学校関係者の方、そしてボランティアの受入を担当いただいた『国立室戸青少年自然の家』のスタッフの皆さんから高評価をいただく結果となった核の部分が、これかと思います。

今回、10代~60代まで7カ国のメンバーが集まり共同生活を送ったわけですが、特にEnglish Kids campの実施中は子ども達の様子やその場の空気感をメンバーが敏感に察知し、子ども達のためのゲーム進行や食事時などの交流の時間の子ども達への関わり方や距離感をメンバーそれぞれで調整できたことで、それぞれのキャンプの初日の段階で子ども達とのしっかりとした信頼関係作りに繋がったと思います。
メンバーそれぞれも、語学の先生や世界各地で複数のワークキャンプに参加していたりと、豊かなバックボーンを今回のキャンプへ還元してくれました。

また、メンバーが10人もいれば意見が分かれる・ぶつかることも少なくありませんでしたが、お互いの意見・アイデアを整理して見直していく過程で、メンバー全員が自分とは正反対の意見でもその意見の意図を理解して受け入れようとしてくれました。
言葉で書くと単純ですが、これがなかなか難しいことです。
さらにネイティブではない英語を使いながら、となると意見の合意も時間がかかったりしますが、今回のメンバーはお互いの意見・アイデアに対しての「傾聴」と必要に応じての「譲歩」が絶妙でした。

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《このワ―キャンプのテーマは何だ》
僕がワ―キャン中にメンバーへ、English Kids campについて議論をしたりアイデアを練る時に常に問いかけたことです。
今回の国際ワークキャンプは、何よりもまず地域の小学校へ通う子ども達に「学校では経験できない国際交流体験を提供する」ことで、「世界の人々と繋がる楽しさ」や「国際社会への興味関心を育む」ことが目的となっていました。
その上で、子ども達に英語を学ぶことのハードルを下げるためだけではなく、言葉以外の手段でも海外の人と楽しくコミュニケーションは取れる事を1泊2日のEnglish Kids campの中で感じてもらえるように、メンバーと様々なゲームなどを考えていきました。

メンバーがワ―キャンのテーマを理解・再確認しながら日々を過ごしたことも、1つのワ―キャンを支えてくれた要素だと思います。

《ワークキャンプが好き、という原点》
僕が初めて「ワークキャンプ」なる合宿型のボランティアプロジェクトに参加したのは21歳の時、アフリカ・ウガンダでのワークキャンプでした。
その時、自分が大きな世界の一部で、たくさんの人と繋がるチャンスが世の中にあって、様々な事象が見えないところで繋がっていることを知りました。

ウガンダには1ヶ月ほど滞在したわけですが、活動中の毎日は新しいことばかりで、日々自分の常識がアップデートされている感覚でした。

帰国してから国内の国際ワークキャンプにも参加することが多くなりましたが、国内ワ―キャンでも各国からの参加者や様々なバックグラウンドを持つ日本人参加者との共同生活の中で、「日本」を再発見する瞬間や新しい価値観との出会いに数えきれないくらい恵まれました。

世の中には新しい人と出会う機会が溢れているわけですが、その中でも興味関心のある社会課題のテーマ・プロジェクトのもとに集まり、2週間近くの共同生活を行い、お互いの自己開示を少しずつ行って相互理解を深めていく「ワークキャンプ」という活動が、気づけば自分の中でとても大きな魅力になっていました。

その後縁あってワークキャンプの主催・派遣を行う国際NGO・NICEで仕事をしていますが、自分以外全員海外メンバーというワークキャンプはこれが初めてでした。
多国籍な仲間と共に過ごす毎日は、6年前にウガンダで感じたような自分のステレオタイプが少しずつ減り、常識がアップデートされている日々の感覚を思い出させてくれました。
と同時に、この感覚が「ワークキャンプが好き」という気持ちの根幹にあることを再認識したワークキャンプとなりました。

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全てがうまくいったわけではありませんが、タイトルにある『子ども達への豊かな国際交流の機会』の提供は今回のワークキャンプを通じて達成できたと思います。
今回プロジェクトに参加してくれたメンバー、English Kids campに参加いただいた2校の高知県内の学校の皆様、受入団体としてボランティアに素晴らしいサポートをいただいた『国立室戸青少年自然の家』の皆様、本当にありがとうございました!

以上、高知県室戸市の国際ワークキャンプレポートでした
お読みいただき、ありがとうございました!

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