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国内ワークキャンプ活動報告/集落で観光資源調査・整備!高知県大川村(2023/03/12~18)

こんにちは!徳島グローカルインターンで滞在していたゴローです。
今回は高知県大川村で開催したワークキャンプについての記事です。今回で3回目の開催でした。前回2022年12月のワークキャンプは大雪により中止になってしまったので、久しぶりの開催でした。受け入れ団体は徳島市内で活動中のびざん大学でした。宿泊した施設は「白滝の里」で、小学校をリノベーションした施設です。
 活動の目的は限界集落の現状を知ること、観光シーズンの準備を手伝うことでした。白滝の里の職員さんに現地のことを教えて頂きながら活動しました。具体的には3001年の森の整備、観光資源調査、施設の清掃、薪割り、現地の農家さんの手伝いをしました。メンバーは6人で、全員日本人でした。僕はリーダーとして参加しました。

大川村とは

 高知県大川村は徳島市内から車で約3時間、高知市内から車で約1時間半のところにあります。四国のちょうど真ん中あたりです。最寄り駅はJR大杉駅で、汽車を使うと徳島から約2時間くらいです。吉野川の水量をコントロールする早明浦ダムの更に上流に位置しています。メンバーは徳島駅に集合し、車で向かいました。夜行バスで来たメンバーは車中で爆睡・・・(笑)
 ダムの建設に伴い、かつての大川村はダムの底に沈んだ経緯があります。水不足の時は、昔の村役場の屋根がダムの底から顔を出すことで有名です。明治時代は鉱山として知られていて、ピーク時は人口4000人を超えていました。その後鉱山の閉鎖に伴い人口が減少、現在は約400人の人が住んでいます。去年まで「日本一人口の少ない自治体」が謳い文句でしたが、最近2番目になったそうです。地域おこし協力隊などを積極的に取り入れていて、少しずつ人口が増えています。

白滝の里とは

 白滝鉱山跡地を利用した複合施設です。宿泊や体験、キャンプ、研修のための施設があります。毎年10月には「謝肉祭」という大川村で最大規模のイベントがあります。なんだかインパクトのあるイベント名ですが(笑)。大川村は黒牛、地鶏、地酒の生産に力を入れていて、その宣伝と人を呼び込むためのものです。なんと1500人もの人が参加するそう!チケットは販売後すぐに売り切れる程です。また、中学生の村留学を積極的に受け入れていて、約15名の生徒が親元を離れて共同生活をしながら学校に通っています。

謝肉祭が開催される広場。学校の校庭みたい。

今回のワーク内容

「3001年の森」の整備

 この森は、徳島市内で活動しているNPO「新町川を守る会」が、約20年前に大川村から土地を借り、整備をしている森です。徳島市の街中を流れる新町川の水は、元を辿ると、この大川村から来ています。つまり、この大川村の水源を守ることは、新町川の水を守ることになる、ということです。今回は草刈りをしましたが時期的にあまり雑草がなかったので、次回はぜひ夏にチャレンジしたいと思いました。

観光資源調査

 大川村はかつて鉱山として栄えた村でした。村の至る所にその名残りや遺構が残っています。それを観光資源として使えるものはないか、実地調査をしました。目的地は野地峰という山の頂上です。この山がかつて鉱山としてたくさんの銅を産出した場所です。
 まずは村から山の方に伸びるトロッコ道を探索しました。産出した銅を運ぶための道です。トロッコ道は石垣の上を通っています。場所によっては数メートル石を積み上げていて、昔の人がいかに苦労して道を作ってきたかがわかります。途中にはダイナマイト倉庫の跡、古びた「安全第一」の看板などを発見しました。トロッコ道を抜けて、謝肉祭が行われる広場に着きました。この広場そのものが銅を掘り出した際に出た岩石の破片を積み重ねてできたものです。
 広場の奥に山頂に登る登山口を見つけました。1時間半ほど登ると、頂上に着きました。頂上からは瀬戸内海側がよく見えました。かつて鉱山で取れた銅を山の反対側に滑車で運んでいたそうです。頂上には電波の反射板が設置されているのみで、残念ながら遺構などを発見することはできませんでした。

発破用のダイナマイトを保管していた倉庫跡。建物の形がわかります。
山頂の様子。みんなでお昼を食べました。

宿泊施設の清掃

 僕らが宿泊したのは3月で、これから増える宿泊客のために施設の窓拭きや掃き掃除を行いました。少ない職員さんで施設の運営をしているため、普段はなかなか細かいところまでは手が届きません。元が小学校なので、窓が多く、また高いところにあるため、掃除しづらそうです。身軽なメンバーは脚立を使って拭きました。
 謝肉祭で使うためのトングを約300個洗いました。いかにたくさんの方が謝肉祭に来るかがわかりました。

廊下の窓を掃除。小学校なのでスペースは広く開放感がある。
トングを洗浄。とにかく数が多い。
宿泊施設全体をきれいにできました!

薪割り・椎茸の植菌

冬に備えて暖房用の薪割りをしました。メンバー全員が初めての体験です。斧とナタを使って割っていきます。斧が重く、薪の真ん中に当てるのがかなり難しかったです。最後の方はメンバー全員うまく割れるようになっていました! 
 椎茸の植菌は、ドリルで穴を空けた原木に菌がついたコルクを埋め込む作業でした。コンコンとトンカチで叩いて埋めていきます。椎茸は半年〜1年くらいで出てきます。作業自体はそんなに難しくないのですが、原木をどこに置いて栽培するかがとても重要なのだそうです。去年のワークキャンプメンバーが植菌したものを確認しましたが、まだ出てくる気配はありませんでした。僕らの植えた椎茸はちゃんと育つのか楽しみです!

最初に職員さんからレクチャーを受けます。
斧とナタで薪割り。うまく割れると爽快です。

地元の農家さんの手伝い

 白滝の里の職員さんに紹介して頂き、川上さんというお茶農家さんを訪問しました。ワークキャンプが始まって以来、初めての訪問でした。
 こちらの農家さんは、20年前から自分の山に桜の木を植え始めました。最初は土砂崩れ防止のために木を植えようとしていたところ、どうせ植えるなら桜の木にしよう、と思い付いたそうです。毎年この時期に桜祭りを開いて、村外からたくさんのお客さんが訪れます。桜を見るための物見台、休憩するための小屋の清掃、草刈りを手伝いました。個人の農家さんとは思えない数の桜が植えられていました。またチューリップなどのお花が段々に綺麗に植えられていて、いかに大事に整えてきたががわかりました。作業をしながら、これまでの取り組みや思いを語ってくれました。

放置されていた重機をみんなで移動。
手入れされている庭は本当にキレイ。


活動の合間・・・

夕ご飯の様子。数十人は入れそうな宴会場です。
滝を発見!白滝の里は滝がたくさんあります。
帰りに寄った有名な「かづら橋」。めちゃ揺れます笑

成果

 白滝の里はこれから観光客が増える時期に入ります。一方、人手不足のため清掃などなかなか手が届かないところがありました。今回はそんな場所を綺麗にする事ができました。メンバーにとっては、人口の減る地方と、またそれをなんとかしようとしている人達の努力とパワーを知るきっかけになりました。また薪割りや椎茸植菌など、農村地域の生活を知ることもできました。お茶農家の川上さんは温かくメンバーを迎えてくれました。山奥に咲き誇るお花と桜は、忘れられない光景です。


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