名作映画『絹の靴下』(1957)

面白い映画の紹介です!今回取り上げるのはミュージカル映画『絹の靴下』。

主演はアメリカが生んだ名ダンサーのひとり、フレッド・アステア(1899〜1987)と、歌って踊れる絶世の美女、シド・チャリシー(1922〜2008)。60歳近くで恋愛は無理であると、アステアは最初渋い顔をしていたそうですが、盟友チャリシーが相手役であるとして了承(過去に二度共演)。素晴らしい映画が出来上がりました。

物語の基盤となっているのは、エルンスト・ルビッチ監督の手がけた『ニノチカ(1939)』これも名作なのですが、『絹の靴下』はなんと言ってもミュージカル!天才作曲家コール・ポーター(1891〜1964)の手にかかれば、男女の愛の火はより華やかに、美しく、軽やかに我々のもとへ届きます。

とにかくチャリシーが美しい!最初、ソビエト仕立ての堅物だった女が、アステアの恋の手ほどきをうけ、魅惑のパリで「女性」へと変身していく。その変身アイテムは、夢にまで見た「絹の靴下」。ドタバタ喜劇の中に、ふっと現れる愛の閃光。Paris loves lover…。

映画をご覧になれば、チャリシーがかなり長身であることにお気づきかと思います。彼女はもともとバレエダンサーであり、その高すぎる身長から、プリマの夢を諦めざるを得なかったそう。そのためダンスの実力は確かであり、アステアとは自他ともに認める名パートナーでした。

アステアが歌唱するラストナンバー、『the rits roll and rock』もこれまた名曲。
世間が "rock'n roll”に向かうなかで、こうしたナンバーを最後に”かます”のは、遊び心にあふれた演出であるとも言えます。トレードマークのトップハット、ステッキを片手に、得意のタップダンスをひとつ。するとあらまあ不思議、そこには洒落た男がひとり。かのマイケルジャクソンも影響を受けたと言われる、洗練された「芸術」が、そこに現れます。

ぜひ一度、ご覧ください!(以下リンク)

https://www.youtube.com/playlist?list=PLzMXW9RgrtVU_N0rmCVvBuEjXMKyWq_fH



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?