シャーペン振る依存症

 今日、クラスメイトにシャーペンを振る癖をやんわりと指摘された。いや、やんわりじゃない。優しい言い方だけど、「それ、やめてもらっていい?」と言われた。その瞬間、自分が全否定されたような気がした。
 私にとってその癖は、精神安定剤のようなものだった。家庭が崩壊しかけたときからもう12年以上続けている癖で、これがないと現実に負けそうになる。そのころ、母親が自殺未遂をしたりして、辛かった。この癖がないと、寂しさで死にそうだった。
 そんな感じで、シャーペンだとかヘアゴムだとかを振る癖は自分の人格形成と深く結びついているのだ。
 迷惑になるかもしれないと思ってはいた。だから、なるべく音がしないシャーペンを選んだりしてはいた。だけどきっと、そもそも視界の端でシャーペンがせわしなく動いているだけで気になるものなのだ。なんだか私みたいだな。気をつけてはいるけれど、知らず知らずのうちに周囲の迷惑になっている人間。でも私はこの癖がないと生きていけないんだ。文章が何も頭に入ってこないし。でも、私が快適に生きるための手段は周囲をイラつかせるものだったのだ。振り返ってみれば人生いつもそうだ。ごめんなさい、ごめんなさい、消えたい。消えてなくなってしまいたい。

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