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どうにかなった小心者

遂に来てしまった3月12日。


始まるということは、終わるということ。
行きの高速バスで「終わってほしくない」と
絶対に早過ぎるこの気持ちは多分1人だから真っ直ぐ感じてしまう。

ライブに1人で行くのは初めて。
県外に1人で出かけることも初めてだった。でも絶対、クリープハイプのワンマンは1人で行くと決めていた。
ライブの前に「この曲やるかな?」とか話したり、終わった後、ご飯を食べながら感想を言い合うのは楽しい。
でも私は1人でクリープハイプを浴びて、浸ることにした。
それはクリープハイプ以外考えたくないという我儘でもあるし、自分で行って、感じて、今日は自分だけの思い出にしたいという我儘でもある。
こんなに自分は我儘だったことに驚きつつ、納得もした。

しかし直ぐそんな自分に呆れた。強気に家を出たはいいものの、東京駅で迷いすぎている。京葉線までこんなに歩いていいのか不安でいっぱいのまま歩いていた。きっと今私の顔には田舎者が書かれた紙が貼られ、この歩く速度で靡いている。
何とか京葉線に着き、ディズニーに行く人たちの空気に混じった。それから一度電車を間違えたが、発車前に間一髪で気付き直ぐに降りられたのでよかった。
あの案内表示を見て徐に飛び出したワンピースのお姉さんに感謝している。確か黄色だった。
まじでありがとう。。

海浜幕張駅からは絶対にクリープハイプのファンだという人の後ろを着いて行ったので余裕。(ピース)
何とか着いた幕張メッセ。
中は想像よりもずっと人で溢れていた。
すると聞こえてくるリハなのか、流してる音楽なのか、聞き馴染みのあるあの声が聞こえてきた途端
すごく安心して、着いたことを実感した。

物販や太客倶楽部記念観を堪能。
太客倶楽部記念観は私がまだ知れなかった時代のクリープハイプを教えて貰えて嬉しかったのと同時にもっと早くクリープハイプを見つけていたら、という純粋な悔しさも感じた。メンバー直筆の感想や、衣装、楽器、サンダル。ずっとどきどきしながら目に焼きつけた。2020年からのクリープハイプをぎゅっと詰めたあの空間。お腹いっぱい。
(お昼を食べ損ねたけどだいじょうぶ)

開演まであと30分。
あの始まる前の何とも言えない騒ついた空気とオーケストラの音楽。この緊張感を引き上げるような音楽は何だろうと思って調べようとしたがどうやって調べるのか分からなくてやめた。

隣の人に話しかけたい。今まで誰とも話していないからかそんな気持ちが芽生える。
隣の人も多分1人。まずなんて話しかけよう、
年齢?失礼かな、お1人ですか?だからなんだよって思われたらどうしよう。
脳みそを辿ってぐるぐる考えていたら、前の男性が
「俺今年でハタチっす!え?!お姉さんも?!俺たち運命っすね。よかったらLINE交換しません?」
ハードルなんて見えない明るい声で会話しているのを間近で聞き、まったく背中を押されず日和ってしまった。

オーケストラの音楽が止まった。
始まる。

この無音で拍手の中登場する4人はいつ何度みても
格好いい。

身も蓋もない水槽
荒々しいギターから会場の雰囲気をがっと持っていく。歌詞を変えて歌う姿は、ライブに来たんだと思わせるだけでなく、こちらへ想いを投げつけているようにも見える。それは勿論、変えていなくても投げていると思うが私のようなバカにもわかりやすい表現でこちらを楽しませてくれたんだと思う。
激しい照明の中歌う尾崎世界観のあの姿はやっぱり魅力的。
しょうもな
ゆっくりから勢いよく始まるイントロは何度聴いてもいい。言葉を操り届けている感覚を私は一生掴むことは無いと思うからそんな人を見るとかっこいいという枠に収まらない、当てはまる言葉が見つからない。(逃)
一生に一度愛してるよ
最初のMC。
間で会場を惹きつける。そしてその間、何話すんだろうという期待もひしひしと会場に広がる。
私はそんな間が好き。期待は割とプレッシャーだと思うけど、それを背負って背負い投げはしないでゆっくり歩かせてる感じが堪らない。
君の部屋
グレーマンのせいにする
キケンナアソビ
ボーイズENDガールズ
明日はどっちだ
傷つける
ナイトオンザプラネット
本当なんてぶっ飛ばしてよ
後ろのぐるぐるがあのMVを感じさせる。
ぐるぐるから尾崎さんの顔になっていくのが素敵だった。
一生のお願い
チロルとポルノ
愛の標識

火まつり
曲に入る前、カオナシさんが話す。カオナシさんの言葉は堅いけど柔らかくて、カオナシさんの中を探るような気分になる。
後ろが燃えている中話すカオナシさんはいつもより一層熱くかっこよく見えた。
週刊誌
社会の窓と同じ構成
途中「歌って」みたいなところがあって、ワンマンだとそういうこともするんだと驚き、愛おしくなった。
HE IS MINE
始まるぞとあのベースが深く響く。
今日は今日じゃなくて敢えて「比べる」ことを言う尾崎さん。声を出すこちらも昨日どうだったんだろうと当たり前に気になるので、つまり最高の煽り。
SHE IS FINE
HE IS MINEからの流れはより、特別。格別。
ポリコ
おやすみ泣き声、さよなら歌姫
あぁ、そろそろライブが終わってしまうのかなと思っていた中、久しぶりに聴けたこの曲はそんな杞憂を吹っ飛ばしてくれる。
イノチミジカシコイセヨオトメ
二十九、三十
メッセージソングと共に流れるコロナ禍の映像。
当たり前がいきなり無くなった経験をここにいる全員がしている。その中今日まで生きていて、ライブに来て、これは当たり前じゃない。でも、当たり前にしたい。絶対に。そう思わせてくれたクリープハイプに感謝。
大好きーーー!

「本当なんてぶっ飛ばしてよ」
ずっと楽しみにして、今日までの色んなことをこのライブを支えにして頑張った。
でもきっとそんな人は私だけじゃない。
沢山の人の人生の中に今日のライブが刻まれると思うと改めて、音楽も言葉もそして、クリープハイプがすごいなと思った。
始まるということは、終わるということ。
ライブは終わってしまったけど、まだこれからも支えながらきっと楽しませてくれると、帰りの高速バスで座りながら確信した。(倒すのを忘れるぐらい)
今日は人生で綴るページの1ページにすぎない。
なんて言ってみる。
次は隣の人に話しかけよう    かな

#クリープハイプ
#だからそれはクリープハイプ
#だからそれは真実

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