フレンド企画 初の物語小説「爆誕 ドラちゃんズ」 プロローグ

 プロローグ
 ここは暑い部屋の中、何かにうなされている女性がそっと目を覚まし窓を見つめる。身体を滑らかに吹き抜けていく。窓の外は海一色で浜辺が除く窓の隅から覗かせる。何匹かの蟹の群れが浜辺に押し寄せる波の水飛沫に消えては姿を現し何気ない行動を繰り返す。彼女は後ろから不意に物音が聞こえ、後ろにある向かいの扉に視線やる恐る恐る扉に近づく彼女はうなされていたときの記憶からあまり冷めていないようだった。ドアノブに手を触れると香ばしい匂いが扉の隙間から匂ってくるのを感じた。寝ぼけていた彼女は寝ぼけていたせいかドアにおでこをぶつける。その音が聞こえたのかスリッパで誰かが近づいてくる。すると優しい声で彼女を呼ぶ声が聞こえた。
 「ドラン? ドラセナ?」
 最初は相性で次に名前を呼ばれた。ドラセナは嬉しい笑顔を浮かべ扉を開ける。
 「おと姉さん!」
 ドラセナの姉のシズク・オトナリはそっと走り込んでくるドラセナを全身で抱き締める。頭をそっと優しく撫でては下ろしては繰り返し、心に安心感を与えている。オトナリはドラセナのおでこの汗に気づき、心配をし始めてしまった。今日は特別な日で、20歳の誕生日なのだ。オトナリは誕生日なのに汗かくほどの悪夢を見ていたことに不安を覚えていた。わざわざこんな日に悪夢なんてとため息をつきキッチンに視線をやる。フライパンが釜の上にあり、少し焦げた匂いが二人の周辺を立ちこめる。充満し始めた焦げた匂いがあらゆる窓から逃げ出し始め、村の人が慌てて近づく。焦ったオトナリは水をかけなんとか煙を消すことができた。再びため息をつくとドラセナはイタズラげに笑みをこぼした。その顔をみたオトナリはむすっとした表情でキッチン方へむき意地悪を言う。腰に手を当ててふんと言う感じはさすがのお姉ちゃんと言う感じだとドラセナはひっそりと思うのだった。村がガヤガヤし始めると先ほどきた人が出店が出ることを二人に告げ人混みの中に歩って行った。行きたさを抑えれないドラセナはまだ子供のような目の輝きを見せ外を見るなりオトナリに一緒にいこうと申し出たが、先ほど焦がした料理の後片付けがあるため先に行っていてと伝え、キッチンに向かった。ウキウキとした気分のドラセナは一足はやく家の外に駆け出た。甘いものが大好きなドラセナは名物という名物を食い漁り持ち帰る。その瞬間だった。とてつもない強風がドラセナを襲うのである。そして目を閉じたドラセナはある違和感を感じた。そう、夢の中で見た強風と似ていたのである。風が少し弱まると再び違和感がドラセナを襲う。目を閉じたドラセナは周りの音が聞こえてこないと思った。恐る恐る目を開けると外にいた住民全員が石のようになってしまっていたのだ。いきなりの光景に驚きを隠せずしばらく考えた。夢と合致する光景はまさに正夢。そんな感じだ。しばらく辺りを探すと石になっていない住人もいるようだった。話しを聞こうとするドラセナの耳に空をつんざくような大声の悲鳴が聞こえた。村全体に響くような叫び声を聞いたドラセナは声の主がオトナリなことに気がつく。ドラセナが慌ててオトナリに近づくと得体の知れない化け物がオトナリを襲っていた。ドラセナはパニックになるがそれ以上にオトナリを心配しているため恐怖心を無意識に克服し、目の前に転がる薪割り用のでかい斧でオトナリの周りを固める異形な獣を撃退せしめる。切り付けられた怪物は砂地なり消えていった。怪物を見る限り夢の中に出てきたものとよく似てると感じたドラセナはオトナリに夢の話を告げる。オトナリはドラセナを見るなりどこか不安を感じながらドラセナの話しに恐る恐る耳を傾ける。どこか嫌なことを感じたのかオトナリは自らの胸をギュッと掴み、不安を押し殺すように微笑み返す。再び風が吹き何かが始まるかのような空気が二人を覆い尽くし、なんとなくその過ぎていくその1日はやがて信じられない出来事を起こすきっかけになるのだった。
 翌日、朝起きるとドラセナは不気味な雰囲気を感じる。いつものように朝、キッチンにいるオトナリに挨拶をすると明るい笑顔が返ってきて思わず笑顔を返す。
「お姉ちゃん。」
 ドラセナはオトナリに抱きついた。オトナリはドラセナを抱きしめて言った。
「顔を洗った?」
ドラセナは走って流しへ行った。その間に料理を用意していつものながらの牛肉に野菜を挟み、トマトを間に挟み、軽いチョレギをかけたパンにお茶を用意した。帰ってきたドラセナはテーブルの上のパンを見るなり夢中でかぶりついた。
「よく噛むのよドラン」
 口に頬張りながら頷き、むしゃむしゃとたべお茶をそっと飲んでいく。飲み干し終えると昨日の出来事をオトナリに話すと気にしてはいけないとドラセナの口と鼻に指を立てるのだった。朝学園が始まる時間が近づくとオトナリはドラセナを送り出す準備を始めていた。急いで服を着替えるドラセナは自前のバッグを片手にオトナリへ挨拶をして学園へ向かい出す。少し距離がある道だが時間は間に合うので余裕を持ちながら早歩きするドラセナは昨日のことを考えていた。得体の知れない化け物の形を思い出していたその瞬間、激しい衝撃がドラセナを襲う。何が起きたかわからないドラセナは目を開けられるようになると目の前の光景が一変したのに気づいた。道ではなく、目の前に大きい祠と崩れた石壁たちが辺りにあった。いきなりのことで反応しきれないドラセナだったが何かの意思に導かれてるようなそんな気を感じていた。耳鳴りとなんかしらの声が聞こえていた。
『進め、現せ、誠を見よ』そういっているようだった。なんとなく重苦しい雰囲気な感じではあったが何かがいる気配はないので、そっと足を踏み入れる。しばらく道なりにいくと壁画と何かの台座のようなものが何個か置かれている壁画には何かが争うような絵。そしてなぜかわかる学校のような建物と台座の上に怪物。なんのことかわからないドラセナは角の光っている台座に近づく。すると光はやがてより強く光はじめドラセナを包んでいく。

 ーーーーーーーーーープロローグ終了ーーーーーーーーーーーーー

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