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歴史的名作が歌謡曲扱いだった時代(Reflections/寺尾聡)

人生で100回聞いた100枚のアルバム紹介第二弾!

本日は今流行りのCityPopsの名盤を紹介です。

「Reflections」 寺尾聡

1981年発売で現在LP&CD合わせて160万枚も売り上げている化け物アルバムです。

丁度私は中学生。

TVのザ・ベストテンで寺尾聡と出会います。

皆さんご存知の(ルビーの指輪)です。

寺尾聡は石原軍団の役者という認識(お父さんは名俳優・宇野重吉)でしたが、デビューはGSグループのザ・サベージ。

なので音楽の方が先だったんです。

ルビーの指輪のヒットを受けて登場したのがこの一枚。

このアルバムと出会い、自分の音楽性の方向性が決まった一枚でもあります。

(ルビーの指輪)を含め(シャドーシティ)(出航)とヒットシングルが総て入っているのですが、個人的にはシングル以外の曲に好きなものが多い。

兎に角都会的でお洒落で、大人!

中学の頃は背伸びして聴いてました。

ではなぜこのアルバムが名盤になったか?

三つの理由があると勝手に思ってます。

①井上鑑という天才のアレンジ、そして丁度井上鑑がその時代存続していたパラシュートという凄腕バンドが参加した事。

松原正樹&今剛のWギター、林立夫(D)斉藤ノブ(パーカッション)EVE(Cho)という日本のTOTOと呼ばれる凄腕ばかりです。

天才的アレンジとコードワークに加えて、それを何倍も素晴らしく表現する演奏力のあるメンバー。

②有川正沙子のダンディズムを描いた歌詞。

ルビーの指輪と後二曲は松本隆が書いているのですが、その他全部有川さんの歌詞。

これがもうクールで、男の強さと弱さを上手く描いてあるんです。

もっと評価されても良い作詞家だと思うし、このアルバムの色を作ったのは間違いなく有川さんだと思います。

③絶望的な寺尾聡の声のレンジの狭さ。

何かこう書くとマイナス点に聞こえるけど、その弱みを活かした楽曲群と世界観にしたのが素晴らしい。

声を荒げる曲は一つとしてなく、淡々と呟く様な歌い方はこのアルバムには最適でした。

勿論他にも要素は沢山あるけど、この三点は重要な様相だと思ってます。

今聞いても全く色あせていないです。

そして何と寺尾さん自身が2006年にこのアルバムをそのままセリフリメイクしています。

タイトルは「Re-Cool Reflections」

アレンジが今風になった楽曲群も勿論カッコいいんですが、やはり初めのアレンジが大好きです。

こんなお洒落で音楽的にも凄いアルバムが当時は歌謡曲に近い扱いでした(歌謡曲が悪いわけでは決してないです)。

日本の音楽が未成熟だった時代ですね。

兎に角今の若い子にも来てもらいたい名盤です。


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