どんちゃん

記録。記憶。 フィクション。ノンフィクション。 創作か。リアルか。 受け取った 皆サ…

どんちゃん

記録。記憶。 フィクション。ノンフィクション。 創作か。リアルか。 受け取った 皆サンにおまかせします。

最近の記事

水槽の中。⑤

そう。 犯人は3歳児。 モラル、倫理観を学ぶ前に 仕組みや方法を学んでしまうと とんでもない こんな誤作動が おこってしまうのだ。 あたりまえながら 親について いつも買い物に 歩いていた。 人々は 好きな商品を手にとると、 少し表情がゆるむ。 または、ゆがむ。 レジにむかうと 商品と引き換えに お店の人へ お金を差し出す。 中には、 レジで 商品を減らす人もいる。 なぜか最後は 必ず お礼をいわれる。 また、 陳列されたお菓子は レジでお金を払わないと 店の

    • 水槽の中。④

      魚が、、、 お札の束が、、、 、、、少なくなっている。 いままでこんなことはなかった。 数え間違いか? 勘違いか? いや、いや、 やはり計算が合わない。 これはおかしい。 あいつか? それともあいつか? ・・・・・ きっと、 疑心暗鬼な日々を送ったことでしょう。 父の指揮のもと 犯人探しが始まった。 だが、 私は疑われなかった。 容疑者リストに 名前は あがらずにいた。 完全にノーマークだった。 だって、 だってさ、 私、 3歳だったんだもの。

      • 水槽の中。③

        実際のところ 父が どんな仕事をしていたかは謎である。 私の言う、実際、とは 表向きではない、 もっともっと コアな部分の、仕事のことだ。 知らないほうが良い気もする。 とにかく とても人の出入りが 多い家だった。 年齢層は幅広く、 職業も千差万別。 それは時々、 世にいう悪人と分類される人であったり、 真逆の警察官であったりと 化学反応もおこっていた。 そして、 きっと、 家のバロメーターを 表していたであろう、 その、 魚が大量に泳いでいる水槽は、

        • 水槽の中。②

          キジの羽根をあしらった鼻緒の 粋な雪駄をはいていた。 両足の膝下から脛に 縦一列 お灸で焼いた跡があった。 一つ一つは 直径2センチ程の円だ。 それが 列をなして整列している。 お灸とは言い切れない 相当な 傷跡だった。 うーっと唸りながら苦悶の表情で、 焼いたものなのだ 神経が尋常ではない。 3日に一度は床屋にかよい、 スタイリッシュな 格好をしている日が あるかと思うと、 白いダボシャツに 腹巻きといういでたちの日も。 腹巻きを 折り返した輪は下に。 その

          水槽の中。

          うちには、 いや、厳密に言うと、 幼少の頃の、うち、には、だ。 今は大人になった私の目の前にある、 30インチのテレビ程の大きさだったであろうか、 水の入っていない カラの水槽が、 桐のタンスの上に無造作に置かれていた。 背伸びをしても 手が届かない桐のタンス。 蓋であろう1枚のガラスは、 その水槽の中 ナナメに これもまた 無造作に収まっていた。 その 水の入っていない水槽で 泳いでいるのは 輪ゴムでくくられた なんびきもの 束のお札達。 横を向いたり、上を

          頭を上げたら 見えたもの。

          頭を上げたら 見えたもの。