詩 頭数

街灯が灯る瞬間を見た
瞬きすると
また灯る瞬間が見える
瞬間と瞬間の間に
とてつもないところへつながる
入り口の気配
軽い興味で中をのぞいて
後ずさり
中は針の孔よりも狭くて
入れそうにないから
肥大した頭たちは
つべこべ言わずに
去りゆく秒を数える
頭数にでもなればいいかと
あきらめれば
チリリ チリリーン
先回りした風鈴が
時の道すがら
鳴り続けている

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