睡蓮の葉のように

睡蓮の花が咲いていると
友が言った
葉っぱはどんなかと
私は聞いた
友は黙って私の手を取り
それに触れさせた
せり上がるようにして
手のひらにくっつく
葉の形の水面
私たちは
二枚並んだ
睡蓮の葉のよう
同じ空を半分ずつして
友の一枚が光を集め
私の一枚に像を映す
「雲よ切れろ」と
友は高いところへ念じ
「おお! 見えてきた!」と
山頂の出現を喜ぶ
私はうつむき
友の目に映る像を聞いている
水面より高く
伸びようとしない
すべらかな睡蓮の葉に
手のひらを重ねて

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