詩 砂丘

胸の中のがらくたが
ガタガタと音を立て始めると
足はおのずと砂丘へ向かう
きゅっきゅときしり音を立てながら
指のすき間を埋める砂粒
歩めば足は
粉々になったがらくたに溶け出す
仰ぎ見る空と砂丘の接線
目指して歩くと
申し合わせたように遠ざかる
砂丘は
何十億年のがらくたの墓
何十億年のがらくたの材
風紋は
できごとのかすかな名残
何もない空に
相も変わらず浮かぶ半月が
やがて砂丘に没するころ
私のかかとも
空と砂地の
乾いた二色の奥底の
潤いの中に
しっくりと納まる

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