インテグラル理論、一人ひとりが自分だけの映画監督&主人公 【人生工学 9章】
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では、早速!
第9章 インテグラル理論、一人ひとりが自分だけの映画監督&主人公
この世界は何のためにあるのか?あなたはなぜ生きるのか?あなたはなぜ生まれてきたのか?そうした問いへの、人生工学なりの答えが、この考え方最後の章になります。
結論、人生工学の世界観を一言で言うならば、「あなたは”あなたの人生”という映画の監督兼主人公である」です。あなたの人生・世界は、あなたの意識が作り出しているものであり、同時にあなたを主人公として進んでいる壮大なストーリーではないでしょうか。
そしてそのストーリーは「インテグラル」を通じて進んでいきます。この「インテグラル」こそが、人生工学でも最重要の考え方、いいかえれば現代の生き方においても最重要の考え方だと考えます。なぜ男と女が別れているのか、なぜ人間とそれ以外の動物がいるのか、なぜ国は別れるのか、なぜ人は争うのか。これらに光を差す答えが「インテグラル」なのです。どういうことでしょう?
インテグラルとは何か?
インテグラルとは「合体」を表します。正しくは「統合」の意味です。全面的な肯定の応用が、このインテグラル理論になります。全てのものはつながっていて、意味がある。だとしたら「嫌なこと」「マイナスなこと」も、自分の体験として「合体」していくことで、次のステージに進めるのではないかということです。
よく漫画や映画などで、主人公が「辛い過去を乗り越えて、次なる未来に進む」ような描写があると思いますが、まさにこれが”インテグラル”なのです。それを「あの過去は消し去りたい、忘れたい」と放置していると、いつまでもその記憶がトラウマの様に残ります。これは嫌いな人でも同じです。「あいつのことが嫌いだった、でも今は仲間だ」という風になれば、より幅広い人と親しくでき、きっとより幅広い仲間に囲まれることでしょう。しかし「あの人のことは嫌いだ」と拒絶を続けていると、あなたの人生はそういったタイプの人々を排除した人生で完結することになります。
もちろん、”インテグラル”をしないことが悪いことではありません。しかし「人生をより良くしたい、今の人生よりも前に進めたい。」と思わなければ、こうした壁を超えるために”インテグラル”の道を歩むべきだと考えます。小難しい話をすると、インテグラルはしっかりした言葉で「アウフヘーベン」「止揚」と同じ意味で用いています。今までの経験やあらゆる概念、そして周りの物事を、高い次元で合わせて考えていける様になると、人生がスイスイと進むはずです。たとえばこういった出来事は、インテグラルで人生が前に進んだ例になります。「親からは勉強しろと言われ、友達からはもっと遊ぼうと言われて悩んでいた、でも結局”自分がそうしたい!”と思ったことをしていくと決めた。」あなたも人生の中でこうした経験が何度かあったかもしれません、このインテグラルを意図的に行えれば、当然人生もすごいスピードで動いていくと思いませんか?具体的なインテグラルの手法は第Ⅲ部でお伝えします。では、あらためてインテグラルの素晴らしさはどこにあるのでしょう?
なぜインテグラルが重要なのか?
「あの人がきらいだ」「あの経験は嫌な思い出だ」という状態は、あなたの意識の中に、ニュートラルではないものが存在していることを意味します。ニュートラルではないあなたは不安定な状態になり、正しい判断や行動ができなくなることがあります。
例えば「田中さんに頼めばすぐにうまくいく」にもかかわらず、田中さんのことが嫌いだとすると、あなたは他の手段を取らなければなりません。第2章の田中さんと山田さんの例でも出てきた様に、「失敗体験があるからつい尻込みしてしまう」ことも、インテグラルならば超えていけるのです。「そんな失敗体験もあったけれども、それはそれ、こうすればいい」と冷静でニュートラルな視点に立つことができれば、きっと落ち着いて判断していけるはずです。
もしあなたに嫌いなタイプの人、理解できないタイプの人がいれば、あなたの世界はそういった人を排除して進んでいくことになるでしょう。あなたはそういった人たちを避けて生活する様になるでしょう。そういった人の気持ちもわかれば、彼らと話したり仕事をすることもできるでしょう。あなたは更に色々な可能性を持つことができます。
注意点として、「全員を好きにならなければいけない」という話ではありません。「あの人が嫌いだ、会いたくない」という感情を否定するわけでもありません。インテグラルが済んだ後も、「別にあの人とは会いたくない」という感情は残るかもしれません。しかしおそらく「本当はどちらでもいい、気にならない」という感覚が根底に芽生えるはずです。すると同じ「嫌い」でも、もう少し心が軽くなり、さほど気にせずに自分の人生を生きることができるはずです。「私はあの人のやりかたが好きじゃないけれど、どちらでもいいんじゃない」と、一つ達観した視点に立つことができると思います。
ピンチがあるからこそ、自分が本当に大切にすべきことが明らかになり、失敗や後悔があるからこそ、心の底から成長できるのではないでしょうか。一見マイナスの様に見える、あなたの目の前に現れた”現実”も、最高に楽しかった現実もどちらも、あなたの大切な人生の1シーンになります。どちらも大切に取り扱うと、あなたの人生はもっと豊かなものに様変わりするのではないでしょうか?
そしてインテグラルの対象は、必ずしも「嫌なもの」だけではありません。あなたと似ているけれどもどこか違う親友、あなたの知人、あなたの競合もインテグラルの対象なのです。あなたと似ているのに、どこか違うからこそ、あなたはよりあなた自身が何かを知ることができます。もしあなた以外に人がいなければ、あなたは自分がどういう性格なのか、どういう特徴や強みを持っているのかにさえ、あまり気づかずに一生を終えていくでしょう。
漫画や本、アート、建築物といった作品や、人間以外の動物や自然そのものもインテグラルの対象になります。何かをみて感動するからこそ自分の心に気づくのでしょう。作品を見ている現実と、過去の自分の記憶や感覚が合体・インテグラルする時に、人は感動します。自然が四季に合わせて変化するからこそ、それぞれの季節に味わいを覚えます。他の動物と人間を比べるからこそ、人間の強さと弱さを知ることができます。
もともと別れているからこそ、インテグラルで一つになる時に価値を感じることができます。初めから何も別れていなかったとしたら、とてつもなくつまらない世界になっていたかもしれません。
この世界はあなただけの物語
そしてこの”インテグラル”に「共時性」を加えると、この世界はあなただけの映画となります。映画の様に、過去も未来もいまを通してつながっている。そしてその作品を作り上げるのは、何よりもあなた自身と、自然と考えられるのではないでしょうか?
今まで見てきた通り、世界はあなたの意識でできていて、全てのことに意味があり、そしてこの世界も共時的であるならば、初めからあなたの人生は、意識にとって意味ある形で完結しています。まるで映画のストーリーの様に、つらいことも、どうでも良さそうなことも、意味があって人生の中に組み込まれていることになります。
結論がこの世界は「ある」のであって、共時性によりこの世界も未来から守られているなら、きっとあなたの人生の行き着く先はハッピーエンドではないでしょうか?
あなたがこの世に生まれ、ここまで育ってきたことには全て意味があり、それは全て周りの世界とつながり、支えられ育ってきました。もし愛を見返りを求めない貢献とするならば、
あなたは周りに恩返しをするかどうかに関係なく、周りに支えられてきたという意味で100%”愛”の存在なのです。
結局あなたの意識がこの世界そのものであるならば、せっかくならばハッピーエンドにしたいと思いませんか?あなたが「ハッピーエンド」だと心の底から意識できれば、最初からあなたの物語はハッピーエンドなのです。辛い経験や悔しい経験も、全てはハッピーエンドにむけた伏線です。となると、あなたはどんなに苦しい状況にあっても、ハッピーであること、幸せであることは決まってしまっているのです。
時間の概念を超えて共時性を認めるならば、この世界はすでに映画のようなものです。そして世界は意識を通してしか認識できません。同じ事実も、意識次第で、立ち位置次第で別物に見えてしまいます。つまり、文字通りあなたにはあなただけの世界があるのです。あなただけのストーリーが、あなただけの映画があるのです。
人生で起きるさまざまな出会いやトラブルは、全てあなただけのハッピーエンドに向けたヒントなのです。そう思うと、色々な経験をしていく中で”インテグラル”を進めていく、ある種のRPGの様に考えることができます。自分以外の色々な人の価値観や考え方、そして自分の色々な経験を自分のものとして統合できた時に、あなたの人生はもう一歩新しいステージに進んでいきます。
↓ インテグラル理論、後半に続く ↓
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