自分を満たし、相手を満たす 【人生工学 第Ⅲ部:実践の章 第11章①】

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では、早速!

第11章 自分を満たし、相手を満たす

人生を満足するものにするための、人生工学の実践法その2をお伝えします。それは「まずあなた自身を満足させる」ことです。こう言われると、なんだかあべこべかもしれません。

まずは小さなことでいいので「自分が少しでも満たされていきそうなこと」を実践してみてください。イメージで言えば、自分の心のコップを少しずつでもいいので満たしてください。そして自分のコップが満たされた後、溢れた部分で周りを少しずつ満たせば良いのです。

あなたが満たされていないのに、無理をして周りの人を満たそうとしても、周りの人はあなたのことが心配で、なかなか満たされないことでしょう。なによりあなた自身がどんどん辛くなってしまいます。

もし「私は相手を満たさないと自分も満たされないんだ!」と本気で思っている方がいらっしゃれば、それを実践してみてください。たしかに「相手を満たすことで初めて自分が満足する」という感覚が本当に強くなる時はあるかもしれません。そう言う時は、ぜひあなたの周りの方を満たしてあげてください。もしそれを実践してみても自分が満たされていく感覚がなければ、まずは自分のことから満たしてあげてください。

なぜ自分を満たすといいのか?

なぜ自分を先に満たすといいのかを、少しだけ理論的に説明します。社会学系の研究では、幸福感や不幸感は伝染していくことが明らかになっています。※21 人間には”無意識に周りの感情を集める”というcollective phenomenonという性質・現象が起きることがわかっています。社会的な関係と、その人たちの関係を調べた時、自分は幸せだと思っている人の周りには、自分は幸せだと思っている人が多く、逆に不幸だと思っている人の周りには不幸だと思っている人が多いことがわかりました。さらに面白いことに、幸せな人の側にいる不幸な人については、後から幸せになって連鎖していくことがわかりました。幸福は伝染するのです。

そうなった時、あなたにとって一番身近な人間は誰でしょうか?そう、あなた自身です。あなた自身が幸せになれば、あなたから周りに幸せを届けることができます。周りを幸せな人で埋めていきましょう。そしてあなたが幸せな人たちに囲まれていれば、あなたが不運に見舞われた時も、きっとすぐに幸せに戻っていくことでしょう。

逆にあなたが満たされていない状態だと、その状態が周りにも伝染していきます。実際には無意識にあなたの「満たされたい」という意識が働いてしまい、相手からモノや時間や承認を奪うような発言や行動をしてしまうことでしょう。

ここでも正に、世界は思いのほか密接に繋がりあっています。「自分はこの人たちとは違う」と思っていても、あなたがその環境にいる限り、どうしてもその環境の人たちと似た部分を持ってしまいます。本当にそう思うなら、多少無理をしてでも一刻も早くその環境を抜け出して、自分が一緒にいたい人たちといるようにしてください。抜け出せない場合は、この世界は元々ニュートラルで、本当の本当の意味では+もーもないことを思い出して、その環境から何を学べるのか?苦手な人からなにを学べるのか?を考えて、必死に向き合ってみてください。そうすると、自然とそうした人たちが離れて行ったり、あるいはあなたが”ひと”として成長し、そうした人たちでさえも好きになるでしょう。

また、相手のことを満たすことは、自分を満たすこと以上に難しいはずです。自分が「相手はこうしてもらいたいはずだ」と思っていても、それは推測にしかなりません。「本音と建前」という文化もあるように、相手が「これが欲しい」と言っていたからといって、いざあなたがそれをプレゼントしても、必ずしも満たされるわけではないのです。「ありがた迷惑」のように、相手を思ってしたことが、返って逆の結果を招くこともあります。

ですからまずは自分を満たすと、人生が思いの他うまく流れていきます。

自分を満たす、実践方法

ではもっと具体的に、どう言うことをすれば良いのかをお伝えします。答えはとてもシンプルです。「本当にしたいことをする」それだけです。あなたがいつかしたいと思っていることは何ですか?死ぬまでにやりたいことは何ですか?小さい頃したかった夢は何ですか?今日が休みなら何をしたいですか?今日が人生最後の1日だったら何をしたいですか?そうした質問から「本当の本当にしたいこと」に気づいてください。

そして意外にも「本当にしたいこと」のいくつかは、今日でも、週末にでもやろうと思えばできるはずではないでしょうか?過去のあなたが「今はまだ早い」と勝手に決めていたり、「お金が溜まったら」や「有休はここぞという時に使う」など、勝手な自分ルールを作っていませんか?本当はあなたを縛るものなど何もありません。あなたが生まれてからしばらく数年間は、あなたはただ思うがままに言動していたはずです。

今のあなたも、本当はあなたが心のそこから思う「本当はこうしたい」をありのまますれば良いのです。そうすればあなたは満たされ、次第に周りの人も満たしたいと思えることでしょう。自分を満たしても「まだまだ自分を満たしたい!」と思うなら、満足していないということですから、もっと自分を満たしていけば良いのです。

禅には、「百花春至って誰が為にか開く」という言葉があります。意味はこうです。春のお花は誰の為に咲くのでしょうか?誰のためでもありません。花はただ自分のために咲きます。宇宙から注ぐ太陽の光を自分のためだけに利用し、天から得た雨を自分のためだけに吸収し、大地から得た養分を自分のためだけに吸い上げます。しかしその100%自分のために綺麗に咲くことで、時に見ている人の心を癒し、勇気づけ、時に楽しませ、感動を届けるのです。

世界は繋がっていますから、あなたが本当に満たされていれば、自然と周りも満たされていきます。安心して、本当にあなたがしたいことをしていきましょう。

本当にしたいことと、偽りのしたいことの見分け方

「本当にしたいこと」と「衝動的にしたいこと」の見分けがつかずに踏み出せない方もいるかもしれません。人生工学としてはそもそもニュートラルで、人生は素晴らしい映画だと考えているので、たとえ衝動的だったとしてもまずはやってみれば良いと考えています。

それでも「深夜の暴食」をすれば後から後悔して、憂鬱な気分になる時もあるでしょう。そういったことを避けたいならば、「”今すぐしたい”し、した後もずっと”してよかったと思えること”はなんだろう?」と自分に問いかけてみてください。これは人生でも最強の質問になります。今現在も、そして時間を超えてでも「やってよかった」と思えそうならば、やらない理由はありません。できるだけ早くやるべきです。勇気をもって、やってみましょう。

逆に「今はしたいけれど、したら後悔する」と言うのは、脳の中で対立が起きている状態です。きっとあなたの理性や直感の部分が「ダメだ」と違和感を持っている証拠ですので、勇気をもってあきらめましょう。脳の中の動物的な領域で快楽物質が不足しているため、一時的な幸福感を求めてしまっているだけのはずです。しっかり理性的な領域では「やったら後悔する」と気づけているわけですから、その判断、直感、違和感を信じましょう。誘惑を断ち切る、カッコ良い大人な自分を選んでください。

↓ 何をしていいかわからないとき に続く↓



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