階差数列の和について

1から10までの整数を足したらいくつになるのか、こういう問題に誰しも学生時代 1度は出会ったことがあるだろう。解き方は極めて単純である。1と10、2と9、3と8、4と7、5と6の和が11になる組が5つできるから、11かける5で55。中学受験ではそれなりに使われるテクニックてある。高校生は等差数列の公式を使うこともできる。
 ここで1つの疑問だが、1から10までそれぞれ2乗して足すといくつになるのか、あるいは3乗すると?これはまさに中学3年の私が考えていたことだった。当時は中学の中で数学ができる方で調子に乗っていて、この種のことはしばしば頭上にあったものである。
 私はまず1から10まで2乗して差を取って、さらにその差をとった。すると、2で一定になるではないか。3乗で差をとると、今度は差の差の差が6で一定になった。具体的な証明は記さないが、2乗の差の差が2になることは対象の数をx、x+1などと置けばできるはずである。また、2とか6という数字はもちろん累乗される数にかある数を掛ければその分だけ増える。つまり、2乗の和の差の差の差は3乗のそれぞれの数に3分の1を掛けた差の差の差に等しいのである。
 逆に2の和の和の和は3乗の項の係数が3分の1の3次式で表せると考えて、1からxまでの整数をそれぞれ2乗した和をxで表そうとした。3次式3分の1x3乗足すax2乗足すbx足すcにxが1、2、3の時の値と連立してa、b、cを求めた。これはxが他の値のときも使えたので公式のように使えると思った。こうして2乗の和の公式を導いた。同様にして、3乗の和の公式や4乗の場合であっても求められる。数学が面白いと思った瞬間だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?