先輩、ご卒業おめでとうございます。
「私、あの会社に決まった」
研究室の隅っこに座った先輩は、ぽつりと私に言いましたね。年収2000万を超える企業から内定をもらっても、あなたは興味がなさそうにしていました。
年上が嫌いな私が、あなたのことを唯一好きだったのは、あなたのそんな部分に惹かれたからかもしれません。
卒業していなくなる先輩を、私はデートに誘いました。少し、いや、かなり背伸びをして、4万円のフレンチコースが出る銀座のお店を予約しました。
一口でいなくなる小さな料理を見て、小人みたいと言ったあなたが