ウェルネストホームで家を建てる ~想定外だったこと2 (知っておくべき注意点)~

 こんにちは。ウェルネストホームは性能に尖ったメーカーで、他社とは異なる仕様が多いですよね。ホームページやYouTubeでもそれらを使う理由などが説明されており、私も「なるほど~ぜひ使いたい」と思った一人です。
 ただ、珍しい仕様がゆえに、普通の家に住んでいた私たちの常識が通用しない場合や性能以外の点を諦めないといけない場合もあります。それらを事前に知っておかないと、「そこを犠牲にしてまで性能を優先したいわけではなかった・・・」という事態になりかねないので、ここでいくつか紹介します。

1. 壁や屋根が厚いということは

 ウェルネストホームの断熱性能は国内最強であり、壁や屋根の厚みは他のメーカーより厚いです。街なかの狭い土地に建てる場合、このことがプランに影響するのを覚悟しておいた方が良いです。以下は私の例です。

他メーカーよりも北側斜線制限により天井が低くなり、庭や駐車場に影響する

 狭めの敷地に建てる場合、北側斜線制限にかかるケースは多いですよね。私はできるだけ家を北側に寄せて南側に駐車場をつくろうと計画していましたがウェルネストホームにしたので諦めました。他社ではそれなりに北に寄りそうだったのですが、ウェルネストホームの場合は屋根断熱などが厚いので、家が思ったよりも北に寄りませんでした(下図参照)。
 結果的に北側の土地が想定より余ることになり、使い道が無くて勿体ない感じです。また、駐車場の幅は3m以上欲しかったですが(使い勝手と資産価値の面で)、家が南に寄り、さらに壁も厚いので幅2.5mを確保するのがやっとでした。
 このようにウェルネストホームは断熱材の厚さにより他社よりも数十cmほど北に寄せられなくなることを覚悟しておきましょう。これらの厚みは断熱や耐震性能に直結するので、ウェルネストホームで建てる以上は削ることはできません。また、このようなことが判るのはアドバイザリー契約後の設計時になるので、契約前にわからないのはリスクです。

できれば家を北に寄せたかったのですが、南に寄りました。

 性能をとるか、プランを取るかは悩ましいですよね。まずは無料もしくは数万円でプランを作成してくれるメーカーに依頼してどのくらい北に寄るか把握するのが第一歩だと思います。
 そして、ウェルネストホームの場合はそれから数十cmほど南に寄る、もしくは南に思いっきり寄せて北に駐車場をつくるとイメージして、どちらが良いか比較すると良いと思います。
 プランを優先したい場合は、薄くて高断熱なネオマフォームを使用しているつなぐ家や、断熱等級6くらいの他社であれば、性能面もそこまで落ちないので良いと思います。
 

2. Ua値が最強と言うことは

窓はさまざまな制約を受ける

 ウェルネストホームはUA値0.25~0.28 W/m2Kを基準にしており、それを超えてまで窓を増やすことは基本的に許されません。
   ウェルネストホームのオリジナルサッシは熱貫流率が優秀なので、大開口を取ることは可能です。南に大開口をつけて、東西北の窓を小さくするというセオリーは皆さんも最近よく聞く内容だと思います。
 …と、ここまでは良いのですが、私の場合は想定外の問題が起きました。まずは準防火地域ということでエクセルシャノンの防火サッシTGという熱還流率の悪い商品を使ったことです。オリジナルサッシも防火シャッターを付ければ選べますが、外観と値段を優先してTGを選び、この時点で大開口という選択肢はなくなりました。
 その後、さらに建築基準法の"居室の採光"という規則により東に窓を多く取る必要が出たのす。理由は前述のとおり家が南に寄ったせいで、南側の窓の面積が採光の有効面積にカウントされなくなったためです。(この辺の話はマニアックなので、知りたい方は「採光 建築基準法」などで調べてみてください。私の家の南側は隣家の通路なので、実際は南から十分採光を取れるのですが、法律上はそんなこと考慮されずに隣地境界と離れている東の窓面積が重要でした)。ということで、東側の窓面積を確保することになり、その犠牲として南や北の窓をいくつか減らすという結果になりました。
 このようにオリジナルサッシでなくエクセルシャノンを選ぶ場合や建築基準法の採光が問題になる場合、他には荷物搬入用の大きな窓を設けないといけない場合などは窓が思ったほど取れない可能性があるので要注意です。

3. 外壁の遮音が高いということは

家の中の音はよく聞こえる

 ウェルネストホームの防音の高さは良く紹介されているので皆さんご存知だと思います。体験宿泊などされた方はわかると思いますが、ただ、その分家の中の音はよく聞こえることになります。
 特に標準仕様が引き戸なので、ドアの遮音性は低いです。トイレの音は要注意です。最近のトイレは少ない水でジェットのように流すので、"ズコー!!!"って音が大きいですよね。私はLDKに近いトイレは、流すときの音が小さいPanasonicアラウーノに変更しました。
 家の中の遮音については一部の大手ハウスメーカーでは配慮してますが、ウェルネストホームの場合も施主から要望すれば部屋間の壁に遮音用のセルロースファイバーを入れてくれます。私の場合はトイレと居室の間などに入れてもらいました。あとは吸音材として、住み始めたらラグや絨毯なども入れようと思ってます。
 家の中の音問題は後悔ポイントで良く上がる事例ので(特に吹き抜けなど)、皆さんもよく検討された方が良いと思います。

4. 窓が特殊ということは

内側に開く窓のカーテンってどんな感じ?

 ウェルネストホームのオリジナルサッシは内側に開く珍しいタイプです。「これがヨーロッパスタイルか~」などと感心してましたが、カーテンはどのように付くのでしょうか?
 答えはルームツアーなどを見るとわかりますが、窓を開ける際にカーテンやブラインドが窓と干渉しないようにレールを窓枠よりもだいぶ外側に作っています。懐を持たせる感じですね。窓を開けるときはカーテンとぶつかるので、基本的に目隠し出来ないことになります。まぁ、最近の高性能住宅は窓を開けないというのが基本思想なので、開けるつもりがない人以外は大丈夫だと思います。
 あと、カーテンとブラインドで下地の位置が変わるので、どちらを選ぶか早めにイメージして設計士さんと相談するようにしましょう。

すべり出し窓の注意点

 私のようにエクセルシャノンを選んだ方は、すべり出し窓を多く使うことになると思います(引き違いはUA値的に厳しいので)。ウェルネストホームに限りませんが、すべり出し窓の場合は以下を留意しておきましょう。

  • 網戸が付かない

  • 横すべり出しの場合は掃除できない(YKKはできるかも?)

  • カーテンは似合わない(個人的主観ですが)

 私の場合、掃除できるように縦すべり出し窓を選び、カーテンではなくブラインドを採用しました。窓をあまり開けないはずなので、私は網戸不要と思ってますが、妻は窓を開ける気マンマンなので、「網戸欲しかった~」と嘆き気味です。窓を開けないというマインドセットが必要なのでしょうね。

5. 屋根がSGLということは

縦葺きは見た目がトタン屋根

 ウェルネストホーム標準仕様の屋根は長寿命のスーパーガルバリウム鋼板(日鉄鋼板のSGL)です。性能は申し分ありませんが、縦葺きにするか横葺きにするかは一度考えてみた方が良いかもしれません。
 私は何も考えていなかったので、標準=縦葺きになりましたが、実際に見るとザ・トタン屋根!と印象です。素人なので。これは個人の好みの問題ですが、私は横葺きのほうが最近の家には総じて合う気がしており、横葺きが良かったな~と若干後悔しています。
 皆さんもぜひネットなどで画像検索してみて選んでみましょう。

5. スーパーラジエントヒーターということは

もれなく魚焼きグリルが付いてきます

 最近のシステムキッチンは魚焼きグリルが無いものが流行ってますよね。魚焼きグリルは掃除が面倒ですし、使わない人も多いと思います。
 一方、ウェルネストホームのスーパーラジエントヒーターはエムエフジーという会社の商品ですが、いまのところ魚焼きグリル無しという選択肢はありません。グリル不要の方はIH選びましょう。

 以上が、私がもともと良いと思っていたものの、実際に詳細がわかったらデメリットもあるな~と思った注意点です。施主から言い出さないと標準仕様のまま進んでしまいますので、早めに考えて設計士の方と相談していくことが重要です! ぜひ良い選択をしてください。


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