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オタク道

私はズボラです。中途半端にこだわり屋で飽き性です。
いや正確には飽きているわけではありません。
好きなものはあります。ええ、ええ、大好きです。
ただ情報にしても物理的なことに関しても、全てを把握・管理することができません。ズボラはファイリングが苦手なのです。だから、

ずっとオタクに憧れています。

オタク…愛好者を指す呼称。ある特定の分野やものごとにおいて強い興味を持ち、傾倒し、非常に詳しい知識を持っている人。(…みたいな見解でいい?)

何においても"極める"ということはすごいと思います。どんなジャンルにもオタクというスペシャリストがいて、世界に革新をもたらしてきたのだと思っています。
我が家は子供達にもそう教えています。

オタクは世界を変える!世界を創る!

           *

私は昔からミーハーな子供でした(あ、表現古いですかね)。
一人時間も必要とするし、根暗な部分も大いにあります。
でも基本的に人が好きですし、自分と違うタイプの人の話を聞くのも好きです。賑やかなのも大好きです。

学校生活も楽しいものでした。
もちろん挫折というものも経験しましたし、ヒエラルキーの上層部という意味ではありません。
昔は今より痩せていたとはいえ、マシュマロおっぱいがついているわけでもなく、手足が細長いわけでもありません。自分のスタイルには全く自信がないので、海やプールに行くときは、いつも水着の布面積は広めでした。
こうなるともう何の話をしているか分かりません。
やめます。

中学生の頃、休み時間にいつも絵を描いている美術部のMちゃんに
「何描いてるの?見てもいい?」
と話しかけました。
するとMちゃんは嬉しそうに絵を見せてくれて、大好きなアニメの話をしてくれました。
細かい事はさっぱり分からなかったけど、なんかとても楽しかったのを覚えています。度々休み時間に、さっぱり分からないアニメの話を聞きに行ったものです。

社会人になって出会った後輩のN。彼女は舞台俳優オタクでした。推しのことを◯◯様と呼び、目を爛々と輝かせよく推しの話をしてくれました。

彼女たちの共通点…自分の好きなものについて語るとき、それはそれは幸せそうで、急に饒舌になるということ。とにかく生き生きとしている。(あと年賀状が超絶上手い!)


うちの旦那さんも根がオタクなので、そういう部分も非常に興味深く、尊敬しています。

世間ではバレないように振る舞っていますが、幼少期の昆虫博士に始まり、徐々に守備範囲を広げ、今では立派な水中生物オタクです。
ここ数年旦那さんへの誕生日プレゼントは、生体🐠か訳のわからない水槽のろ過装置みたいな物で、我が家は24時間チョロチョロ、ブクブク、ブーブー音がしています。

最近魚(カタカナの名前は何度聞いても覚えられない)の子供がいっぱい生まれて、旦那さんは嬉しそうに毎朝早起きし、子育てに勤しんでいます。我が子が生まれた時より自主的なように思えますが…それは世の常ですかね。
因みに、キッチンの隅に熱帯魚の水槽を置いて、毎日魚を見ながらご飯を食べていています。
たまに、思春期長女に
「きもっ」
と言われてますが、
「魚はいいぞー。心が浄化されるぞー。」
と言って、気にも留めません。
本当に彼の心は浄化されています。

映画やアニメにも精通していて、やはり得意分野になると、それこそ水を得た魚のように饒舌になります。
私は、
「イマイチ分からないけど熱意は伝わった!」
と言ってバッサリ切り捨てたりもしますが、内心、熱くなるものがあるっていいよねぇ、とニマニマしています。 

           *

そんなこんなで、気付いたらうちの次女がオタクでした。

幼少期から、口数は少ないけれど 好きなことは一貫していて、芯の強いブレない子供でした。
美術館、水族館、どこへ行くにもスケッチブックと色鉛筆を持って行き、気になるものをよく描いていました。

小学校に上がると、
「ママ、休み時間にすごい良い絵が描けた!」
と言って見せてくれるようになりました。
「すごいね!お友達と描いたの?」
と聞くと、
「ううん、一人ですごく集中して描けたよ!」
と、寂しさなど微塵も感じさせず目を爛々と輝かせて言うのです。
私は一瞬おののいたものの、もしかしたらこの子は本物かもしれない…と、なぜか気持ちが高揚したのを覚えています。

それから徐々に進化を遂げ、自分で考えたアニメやゲームのキャラクター、オリジナル長編小説など、なかなかの大作を創るようになりました。

高学年にもなると、王道でジャニーズにもハマりました。
推しの特集の雑誌を買ってあげたときは、宿題の日記に延々と喜び&推しポイントを書き、先生を困惑させていました(もちろんイラスト図解付き)。
歌番組やバラエティの小さなワイプに映る顔も愛おしくてたまらないらしく、何度も見返しています。
そして例の如く饒舌になるので、ほらねやっぱり!と、もう私は笑いが止まりません。

意外なところでは、戦国武将についても調べ出すという守備範囲の広げっぷり。イチロー、ビッグボス、秋山といったところでしょうか。(私のペラい知識、合ってますか?)

ただここへきて一つ彼女に変化が…!
「姉さん事件です!」と私の中の政伸が言います。
6年生になり、イケてる女子達と遊ぶようになったのです。

この夏はお友達と色違いの水着を買い、一緒にプールへ行きました。
つい先日は、ずっとモノトーンやアースカラーばかりを好んで着ていた娘が、みんなでお揃いの服を着て修学旅行に行くから
「赤いショートパンツを買って。」
と言うのです。
赤です。あの、牛が向かってくるというあの赤…!
修学旅行先はスペインだったかな?とプリントを確認しました。…いえ普通に国内でした。
でもうちの娘はマタドールです、オーレッ!

「友達と遊ぶのって楽しいね!」
と嬉しそうに笑う娘に、うんうんそうだよね、よかったね!と思う反面、おいおい飛ばし過ぎやしないか?と少し心配にもなります。オタクの親は弱気です。

最近は、小説を書くことも絵を描くことも少し減りました。これも女の子の健全な成長なのでしょうか。
「お前の中のオタク魂はいったいどこへいったんだー‼︎」
と肩を揺さぶりたい衝動を抑えて見守っています。

           *

オタク道を歩んできた娘。
一歩踏みだしたキラキラした世界は楽しいですか?
オタクの火は消えていませんか?
またいつかオタク道を歩みますか?
いや両立したっていいんですよ?

願わくば、どんな道でも自分を見失わず、地に足つけて歩んでいけますように。。。

しかし私はどうやって子育てしたらいいのでしょう…。
まぁ、親が導く必要もないですかね。

私も堂々と一歩踏みだしたいものです。


#一歩踏みだした先に #オタク



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