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大規模修繕でとても参考になった本

私たちのマンションでは、この5月で外壁の大規模修繕工事が終了しました。その際、参考にさせていただいたのが、長岡聡氏が書かれた「小規模マンション、大規模修繕のからくり」と言う本です。参考になる点は多々ありますが、その中でも特に3つの重要ポイントに絞って説明させていただきます。

①大手業者ではなく、中小・中堅業者に発注する
大規模修繕を実施する上での最大の問題は、どのような視点で業者さんを選定するかではないかと思います。本書では下記のようなことが述べられています。

「大手業者に大規模修繕を依頼しても、実際施行するのは一括で委託されたその参加の協力会社(下請け業者)の中堅業者です。と言う事は、自社施工業者と直接契約を締結して、瑕疵保険を掛け、万が一の備えをしつつ、元請け下請け業者の無駄な中間マージンをカットする方法が1番理にかなった方法となるわけです。」とあります。

確かに、私たちのような30戸以下の小規模なマンションの工事を、大手の業者さんに見積もり依頼したとしても、100%外注に出され、この本に記載されているように、そこにマージンが載って、ムダに高いコストになってしまいます。

この為、私たちも、規模が大きくない中小の業者さんを探し、業者さん自体が工事行うのを確認した上で発注することを心がけました。
とは言え、以前屋上防水工事を行った際に、2〜3人で運営している零細業者さんにお願いした事がありました。その際、確かに価格は安かったのですが、技術力があまりにも低く、苦い経験をしたことがありました。このため、個人でやっている会社ということではなく、あくまで会社といえる規模の業者さんを選定しました。

今回は屋上防水は行いませんでしたので、外壁のタイルの防水処理と塗装がメインになりましたが、今回依頼した業者さんは塗装は自社では行ってはいませんでした。実は、今回発注した業者さんも過去に塗装を自社でやろうとしたそうですが、「技能の習得がうまくできず、外部に依頼することにした。」とおっしゃっていました。

本来は塗装もやっていただけるのが良いのですが、今回は時間も限られており、塗装が外注ということで良しとしました。

②瑕疵保険に入る
工事終了後、将来的に何か不具合が発見された際に、保険で手当ができると非常に助かります。このため瑕疵保険は我々管理組合から見るととてもありがたい保険になります。
今回依頼した業者さんにつきましては、瑕疵保険だけではなく、業者さんが独自に賠償責任保険に入られており、工事中に起きた不具合に関し、保険請求ができるようになっていました。

実際、昨年新しくしたばかりの玄関ドアのに接着剤を垂らしてしましまった住居が2戸ありました。残念ながら接着剤が強力すぎて上手く剥離することができず、玄関ドアの交換をすることになりましたが、保険で対応することができ、新たな出費とはなりませんでした。

このような中小・中堅業者さんとお付き合いする際には、このような保険が心強い味方になると感じました。

③コンサルタントに依頼しない
コンサルタントに関しましては、下記のような記載があります。
「100世帯以上の規模のマンションの大規模修繕を実施する場合、住民の合意を取り付ける作業も煩雑になりますので、コンサルタントに住民の合意の取りまとめを代行させるメリットも出てきます。これに対して世帯主が数十世帯以下のマンションの大規模修繕では、コンサルタントが入ることで削減できるコストよりも、コンサルタント料の方が高くなってしまうのが普通です。」

私たちのマンションの世帯数は30世帯以下なので、このアドバイスを受けて、私たちもコンサルタントなしで行いました。

例えば、耐震性を上げるとか言ったような設計変更を絡む様な場合は、コンサルタントが必要になると思います。しかし、防水工事や塗装工事といったような、基本的に竣工時の状態に戻す工事では、コンサルタントの先生からのアドバイスがなくとも、業者さんとのやりとりの中で、充分問題解決できると感じました。

最終的に、今回大規模修繕を行った結果ですが、全体としては、コストも安く仕上がりも上々と感じました。

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